ビジネスマンにとって、メールでのやり取りは非常に気を使う業務のひとつです。
メールはいつでもどこでも手軽に相手と連絡を取れる便利なツールですが、テキストのみで文面のテンションを把握しなければならず、顔を合わせて話しているわけでないためニュアンスが伝わりにくい、というデメリットもあります。
特にメールの文面に書くことが難しいのは、言いにくいことを伝えなければならないときではないでしょうか。

今回は、注意喚起や反対意見を述べる、苦情を言う、断るなど「言いにくいこと」を、相手の気分を害さないように配慮しつつメールで伝える際のポイント5つをご紹介します。
便利なテンプレートもあわせてご紹介していますので、メールの文面に困った時にはぜひ活用してください。

言いにくい内容をメールの文面にする際のポイント5つ

1.相手と自分は違う人間であることを意識する

まったく同じ考え方・価値観の人は、世の中になかなかいません。
そのため同じ対応であっても、Aさんにはこちらの意図が伝わったけれどBさんには逆の意図で伝わってしまった、という場面は多々あります。

コミュニケーションの前提として「人によって受け取り方は異なる」ということを念頭に置き、相手がどう感じるのかを考えるようにしましょう。

2.省略をせずに分かりやすい文面を心がける

メールは、お互いに声色や顔色が分からないためニュアンスで伝えようとすると失敗してしまいがちです。
そのため、相手が知らないであろうと予測される単語を使ったり「ここは書かなくても伝わるだろう」と文章を省略してしまったりということは、避けなければなりません。
特に言いにくい内容のメールを送る際は、普段以上に正しい日本語で分かりやすい文面にする、ということが重要なポイントとなります。

3.こちらに非があるときは誠心誠意対応する

ミスやトラブルなど、自分に非があるときは基本的には相手のところへ行き、対面でお詫びすることが望ましいです。
しかし距離や時間などの制約で、すぐに相手のところへ行けないケースもあります。
そのような場合には、まず早急にお詫びのメールを送信しましょう。
人間である以上、ミスをしてしまうことは誰にでもあります。
そこで潔くミスを認めて今後の対応について明記できるかが、差がつくポイントとなります。
言い訳や弁明を含めると簡潔さが失われるだけではなく、誠意がないと感じさせることもありますので注意が必要です。

4.クッション言葉を入れる

相手に面倒をかけてしまう場合や急な話をお願いする場合、相手の要望を断る場合など、一般的に言いにくい内容のメールを送信する際、言葉が思い浮かばずに困ってしまう、ということは多々あります。
このような場合には、相手を気遣うクッションとなる一言を冒頭に添えるようにしましょう。
代表的なクッション言葉をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

相手に面倒をかける場合

・ご面倒をおかけしますが
・お手数ですが
・お忙しいところ大変申し訳ございませんが

急な用事をお願いする場合

・突然のメッセージで失礼いたします
・お忙しい中急なご無理をお許しください
・差し迫ったお話で大変申し訳ございませんが
・ご無理を申し上げて大変恐縮ですが
・こちらの都合ばかり申し訳ございませんが

相手の要望を断る場合

・大変申し訳ございませんが
・まことに心苦しい限りですが
・不本意ではありますが
・心ならずともお断りするほかない状態でありますが

自分の要望を通したい場合

・どうぞ事情をお汲み取りいただければ幸いです
・何卒事情をご了承いただきたく

反対意見を言いたい場合

・お言葉を返すようですが
・おっしゃる通りではございますが
・大変申し上げにくいのですが

5.重大さを伝えたい時はあえて硬い言葉を使う

言いにくい内容、というのは、決してこちらに非がある場合だけとは限りません。
苦情・クレームを言わなければならないケースもあります。

このような場合によく使用されるのは「理解に苦しんでおります」「大変困惑しております」など、あえて硬い言葉を使用することで、相手との間に意識的に壁を作って緊張感を高める、という手法です。
怒りにまかせて感情をぶつけるだけでは、相手の感情も高ぶってしまい事態の収束は遅くなってしまいがちです。
冷静に言葉を選んだ文面のメールを送信するだけでたいていの場合は緊張感が伝わり、その後の収束が早まりやすくなります。