Webに関わる仕事をしていると、“文章を書かなければならない”機会が頻繁にあります。

たとえば、自社ホームページの更新、ブログの執筆、プレスリリースの作成、ネットショップの商品ページ作成など......挙げ始めたらキリがないほど「Web」と「文章」は密接に関わっているのです。

そのため、Web担当者であれば、専業ライターではなくとも、ある程度のライティングスキルが求められる時代と言っても良いでしょう。

しかし、「文章力に自信がない......」「書けるけど、成果に繋がるかわからない」といった悩みを抱えている方も少なくないはずです。

ビジネス文章を書く上で、最低限の「文法」を抑えておく必要があります。また、自社のホームページを運用する上で「SEO」と「コピーライテイング」のスキルも必要です。

そこで今回、「文法」「SEO」「コピーライティング」といった分野ごとにライティングの基礎が学べる書籍を厳選してまとめてみました。文章力の磨き方やWebに特化した書き方、購買に繋がる執筆方法が学べる本など、ライティングにまつわる様々な視点からライティングを学んでいきましょう。

1.新しい文章力の教室

writingbooks.001.jpeg

新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング

『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』は、音楽やコミック、お笑いなどのカルチャー系ニュースサイト『ナタリー』で実践されている新人ライター向けの文章講座をまとめた本です。

そもそも「良い文章」とは?といった定義付けから始まり、ユーザー(読者)に完読される文章を書くためのノウハウが丁寧に解説されています。

たとえば、文章はプラモデルのように構造化(仕組み化)し、それらを「組み立てるだけで良い文章ができる」という考え方があります。これは、本書で紹介されているノウハウの1つで、仕組みを作れば誰でも文章が書けるというものです。

そして、上記の方法で文章を書くための“設計図”として利用できる「構造シート」というものも紹介されており、すぐに実務に落とし込めるようになっています。

ニュースサイト発の文章講座本ということもあり、文章への苦手意識を克服したい方、ブログ記事の執筆を担当している方に非常にオススメの一冊です。

2.沈黙のWebライティング

writingbooks.002.jpeg

沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘—

『沈黙のWebライティング —Webマーケッター ボーンの激闘—』は、SEO対策向けのライティングに特化した本です。ホームページで成果を出すためには、どういった文章を書けば良いのか?といった視点で学ぶことができます。

この本の特徴は、イラストと会話形式を用いたストーリー形式でSEOライティングがわかりやすく紹介されている点です。ライティングというジャンルの中でも特に専門性の高い領域でありながら、初めて手に取る読者でも理解しやすいのがポイントでしょう。

SEO対策と聞くと、検索エンジンに上位表示させるノウハウとイメージしがちですが、この本ではそういった小手先のテクニックは語られていません。ユーザー(読者)にとって有益な情報を届けることが、結果として検索結果に良い影響を及ぼすという考え方がベースとなっているのです。

自社の商品やサービスを魅力的にテキスト化する方法も学べるため、ネットショップ担当者や広報担当者の方にオススメの一冊です。

3.伝え方が9割

writingbooks.003.jpeg

伝え方が9割

『伝え方が9割』は、その名の通り、「伝える」ことに特化した本です。著者の佐々木圭一氏はコピーライターでありながら、もともと「伝えるのがとても苦手」だったそうです。

しかし、「伝え方の技術」を導き出したことで状況は一転し、数々の広告賞などを獲得するコピーライターとして活躍することになりました。このような著者の実体験をもとに、「伝わる文章」を書くためのノウハウが事細かにまとめられています。

たとえば、同じ内容の文章でも書き方によって伝わりやすさが異なります。これは、センスの差では無く、伝え方の技術の差なのだそうです。人の心に響く「切り口」や「強いコトバ」を探し出し、組み合わせることでその技術を磨くことができます。

また『伝え方が9割 2』という第2弾の書籍も販売されており、前作の内容の復習と新たなノウハウが追加されています。また、より実務的に使い勝手が良いので、お好みで選んでみてください。

この本は、文章を書くことに慣れてきたけれど、読者に伝わっている実感が持てない…。そんな方に読んでいただきたい一冊です。

4.ユーザーと「両想い」になるための愛されるWebコンテンツの作り方

writingbooks.004.jpeg

ユーザーと「両想い」になるための愛されるWebコンテンツの作り方 実践的コンテンツマーケティング集中講座

『ユーザーと「両想い」になるための愛されるWebコンテンツの作り方 実践的コンテンツマーケティング集中講座』は、自社商品やサービスのファンを作るためのノウハウが詰まった本です。

自社のファンを作るために、ユーザーにとって適切に価値を届けられる「コンテンツマーケティング」という手法があります。狙ったターゲットに向けて価値のあるコンテンツを的確に届け、購買に結びつけるというものです。近年、企業のオウンドメディア運営が一般的になってきていますが、これもコンテンツマーケティング施策のひとつです。

このコンテンツマーケティングを、「放っておいても愛される人」「ステキなのに愛されない人」と人に例え、わかりやすく解説されているのが特徴です。

広告やキュレーションとは違う方法でユーザーを惹きつける(ファンを作る)ノウハウを学ぶことができます。文章力の向上だけでなく、コンテンツの持つ効果を高めたいWeb担当者にオススメの一冊です。

5.記者ハンドブック 第13版 新聞用字用語集

writingbooks.005.jpeg

記者ハンドブック 第13版 新聞用字用語集

最後にご紹介するのは『記者ハンドブック 第13版』という本です。新聞記者や専業ライターならほとんどの方が利用したことのある日本語用字用語集。既にご存知の方もいるのではないでしょうか。

漢字とひらがなの使い分けや送り仮名の使い方、紛らわしい地名や外来語(カタカナ語)の正しい表記の仕方など、文章を書く上で「あいまいにできないこと」を調べられる非常に便利な書籍です。

特に、企業が発信する情報は信頼できるものでなければなりません。情報の正しさはもちろんですが、単語一つ一つを正しく表記するためにこまめに参照しましょう。コンテンツに関わる全ての人にオススメの一冊です。

まとめ

ライティングの基礎には、「文法の基礎」「伝え方の基礎」といった様々なジャンルがあります。

「とにかく書かなければ!」と焦ってしまう前に、文章を書く目的を洗い出してみることをおすすめします。漠然と読むよりも、どのようにライティングを学ぶべきなのか、実践的に学ぶことができます。

今回紹介した本は、センスや発想力に頼るのではなく「仕組み」「構造」でスキルを身につけるという考え方の本がほとんどです。文章に対する苦手意識を克服するキッカケにもなりますので、ぜひ活用してみてください。