「インタビューが一問一答になってしまう」
「当日盛り上がったはいいものの、記事にしてみると浅い内容になってしまった」

インタビューをしていると、こんな悩みや不安に襲われることはないでしょうか。
インタビュイーも内容も当然毎回違うため、その回が成功しても次も成功するとは限りません。

今回は、そんなインタビューへの不安を少しでも払拭して当日に臨めるように、インタビューのコツをまとめました。

インタビューは貴重な時間をいただいている

インタビューで大切にしたいことは、「目的」「準備」「感謝」の3つです。インタビューの目的を明確にした上で準備をし、インタビュイーへの感謝を忘れずに臨みましょう。

インタビュー当日までの準備のポイントは、下記の記事を参考にしてください。

参考:
準備が8割!インタビュー当日に向けた準備のポイントを徹底解説|ferret[フェレット]

待ち合わせ場所には余裕をもって到着

インタビュー当日は、余裕をもって待ち合わせ場所に向かいます。できれば30分〜1時間ほど前には到着し、待ち合わせ場所近くのカフェに入ってインタビューの最終確認を行うと、気持ちも落ち着きます。また、万が一電車が遅延しても安心です。

インタビュー本番

【1】和やかな雰囲気をつくる

初対面でのインタビューはお互い緊張してしまいがちですが、気負いすぎず、和やかな雰囲気になるよう努めます。突然本題を切り出すのではなく、アイスブレイクで軽く話しながら徐々に本題に入っていく流れが理想です。

アイスブレイクの話題は、当日の天気の話、ニュースの話、事前準備で調べたインタビュイーにまつわるトピックなど、インタビューと全く関係ないもので問題ありません。

【2】インタビューの目的とタイムスケジュールを確認

場が温まってきたら、簡単にインタビューの目的を伝えます。インタビュイー自身も改めて目的を確認することで、限られた時間の筋道を共有できます。

写真撮影を控えている場合は、「40分インタビュー、10分写真撮影」など、大まかなタイムスケジュールも伝えます。

【3】インタビュー開始

会話を心がける

事前準備をしてきたとしても、用意した質問項目を上からただ読み上げるのではなく、なるべく会話することを意識しましょう。

インタビュイー自身にも、「ニュース」ではなく「ストーリー」を語ってもらうと話が膨らみます。例えば、「〇〇があって△△した」という事実だけでなく、「〇〇があって、✕✕だと感じた。そこで♢♢と悩んだが、最終的には〇〇した」と道筋立てて語ってもらえる方が、インタビュイーの意図が見えやすくなります。

重要だと思ったことには、インタビュアーからどんどん深掘りしていきましょう。

【4】質問する

どのような質問をするかにもコツがあります。

「オープン・クエスチョン」と「クローズド・クエスチョン」

質問には、「オープン・クエスチョン」と「クローズド・クエスチョン」があります。
オープン・クエスチョンは、相手が自由に回答できる質問のことです。クローズド・クエスチョンは、相手に何かを選択させたり絞らせたりする質問のことです。

【オープン・クエスチョン】
「どんな食べ物が好きですか?」
【クローズド・クエスチョン】
「チョコレートは好きですか?」

オープン・クエスチョンは本人が広い範囲から自由に考えることができるため、予想しなかった答えを聞くことができます。ただ、話が本筋からずれてしまったり、内容が浅くなってしまったりすることもあります。

クローズド・クエスチョンは話題の核心に迫ることができるため、インタビューの目的に近い意見を聞けたり、インタビュイーの立場を明確にしたりすることができます。ただ、話に広がりが出ず窮屈な会話になってしまうな場合もあります。

話を広げたいときには「オープン・クエスチョン」、核心に迫りたいときには「クローズド・クエスチョン」と、意識して使い分けてみましょう。

6W2H

物事を正確に捉えるフレームワークとして、「5W1H」「6W2H」などといった要素があります。これらの要素に当てはまる質問を展開することで、インタビュイーの伝えたいことを抜けもれなく聞き取ることができます。
今回は、6W2Hをご紹介します。質問や会話に困ってしまったら、この要素の問いかけをしてみるといいでしょう。

W…When(いつ)
W…Where(どこで)
W…Who(誰が)
W…What(何を)
W…Why(なぜ)
W…Which(どちらが)
H…How(どのように)
H…How many(どれくらい) 

過去・現在・未来

「新サービス開発までの経緯」など、ストーリー性のある話題は時系列に沿ってインタビューを進めると、インタビュイーも答えやすくなります。

【5】インタビュイーの答えに反応する

「頷き」と「共感」

誰かと会話しているとき、相手の反応が薄いと不安になりがちです。「今の話は面白くなかったかな」と心配することもあるでしょう。インタビューでも、それは同じです。インタビュイーに安心して本音を話してもらえるような反応を心がけましょう。

頷くことで伝わっていることを視覚的に伝え、共感は言葉で伝えましょう。人と話すことが苦手な方は、少し大げさに反応するよう意識してみるといいかもしれません。

沈黙も大事に

前述とは正反対の意味ですが、インタビュイーが答えを求めて考え込んでいる間は、沈黙を恐れず待つことも大切です。思わず考え込んでしまうほど、大切な答えが出てくるかもしれません。

自分の意見を語りすぎない

インタビューの内容が普段の関心に近い話題だと、つい熱くなって自分のほうが語りだしてしまうインタビュアーもいます。質問への導線であれば大丈夫ですが、自分の主張ばかりにならないように気をつけましょう。

【6】メモをとる

インタビュアーには、手書きで全てメモを取る人と、録音してメモは取らず、会話して進める人、どちらも並行して利用する人がいます。インタビューの内容と盛り上がりをありのままに記録するのであれば、メモと録音の並行利用をオススメします。

録音でインタビュイー自身の言い回しも含めた内容を正確に記録しつつ、重要な話題ではメモを取ります。メモを取られていると、インタビュイーも「自分は大事な話をしている」と意識し、発言の熱量も上がります。ただ、あまりメモに気を取られすぎると会話が中断してしまうときもあるので、メモに頼りすぎず、並行して活用しましょう。

【7】インタビュー後のフォロー

アフタートーク

インタビュー後、時間に余裕があれば少し雑談するのもいいでしょう。インタビュイーもリラックスしているため、思わぬ話題からいい話が聞けることもあります。

余裕があればインタビューを振り返り、完成する記事のイメージを先に伝えておきましょう。ここで全体的な方向性を確認できれば、記事執筆後の大幅な修正が発生するリスクを減らせます。

また、最後にはお礼を忘れないようにしましょう。

記事制作

インタビューが終わったら、できるだけ記憶が新しいうちに記事に落とし込むことをオススメします。時間が立ってしまうと、当時の盛り上がりや言葉のニュアンスといった、記録できない要素を忘れてしまいがちです。

インタビュイー側による記事確認の有無は、掲載メディアの方向性によって異なります。もし必要な場合も、同じ理由で早めに初稿を送りましょう。

掲載後の連絡

掲載日が確定した日、掲載開始日には、その旨を改めてお礼とともに伝えます。掲載後、もし他のメディアに取り上げられたり、読者から感想が来たりした場合も共有すると喜ばれるでしょう。

インタビュー終了後も関係を良好に保っておくと、次の機会に自社メディアやインタビュアー個人に指名をもらえるかもしれません。

まとめ

インタビューを成功させるための大切なポイントは、インタビュイーに心から興味をもち、好きになることです。仕事の枠をこえて、自分のために知りたい、聞きたいと思えば、自然とその熱意はインタビュイーに伝わります。そうすると、インタビュイーも誠心誠意答えてくれるでしょう。

また、理想のインタビューは、読者や社会に新しい気付きを与えることだけではありません。インタビュイー本人もインタビューの中で思考を深め、広げて、有意義な時間だったと思ってもらえるインタビューにしたいものです。