家紋から学ぶロゴデザインのコツ

ここまで紹介してきたように、家紋にはそれぞれ由来があり、モチーフも様々です。
では、企業のロゴデザインを考える上で、家紋からどういったデザインのポイントが学べるのでしょうか。
3つのポイントを紹介しましょう。

1.シンプルなデザイン

家紋は着衣や杯などに用いられてきたこともあり、比較的シンプルなデザインが目立ちます。複数のモチーフを掛け合わせる際にも図案としての統一感はずらさないのがポイントでしょう。
また、線対称や点対称になっているデザインが多く、全体としてまとまりのあるデザインとなっています。

2.アイデンティティを表すモチーフを選ぶ

家紋の最大の特徴は、モチーフに各家のアイデンティティを示すものを選択していることでしょう。
例えば、桐花紋は伝承をもとに桐というモチーフが選ばれています。
自社の理念や創業精神などを辿り、アイデンティティを示すモチーフを探してみるのもいいでしょう。

3.モノクロでもわかるデザイン

家紋は基本的に2色でも認識できるデザインとなっています。
そのため袴へ家紋を1色で縫い付けたり、家財道具に金箔で表現したりといったことが可能です。

企業のロゴも同様にモノクロでもわかるデザインにすることで、一色の印刷でも明確に認識できるでしょう。
実際、TwitterやFacebook、LINEといった主要なSNSは白とメインカラー一色でロゴを作成しており、モノクロでもわかるようになっています。

まとめ

「家紋」は日本において長年引き継がれてきた家特有の紋章です。刺繍や漆などで表現されてきたこともあり、シンプルなデザインが多いのも特徴でしょう。
「子孫繁栄」という思いを生命力の強い葵や葦に見立てた家紋や、武具や車など身近な道具を図案化したものなど、モチーフも様々です。

企業のロゴデザインを考える際も、このような家紋の特徴をもとにシンプルでモチーフに合わせた内容を考えるといいでしょう。
今回紹介したものは家紋の中でもほんの一部です。家紋は『日本家紋総鑑 』や『都道府県別姓氏家紋大事典』などで調べられるので、デザインの参考にしてみるのもいいかもしれません。

参考:
[姓氏・家系 | 調べ方案内 | 国立国会図書館] (https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-honbun-101070.php)