ネットショップを開業して間もない頃は、商品の仕入先が不足しがちです。特に、セレクトショップ形式で自社商品を販売しないネットショップの場合、複数の仕入先を確保する必要があります。

しかし、開業直後はメーカーやサプライヤーとのつながりも浅く、求めている条件で商品を仕入れることは難しいでしょう。自社に「何が売れるか」という売上実績もなく、仕入れに不安を感じているバイヤーの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ぜひ、こうした状況に直面する方にオススメしたいのが、"ネット上の手続きだけで売れ筋の確認"や仕入れが行える" BtoB向けの仕入れ・卸売りサイトです。今回は、BtoB向けの卸売りサイトを9個まとめてご紹介します。

卸売りサイトを利用するメリット・デメリットも紹介するので、合わせて参考にしてください。

ネットショップのバイヤーの仕入先とは?

ネットショップのバイヤーは、主にどのようなルートで仕入れを行っているのでしょうか。

一般的には*「メーカー」「見本市」「問屋街」「卸売りサイト」*の4つのルートを利用します。特に「メーカー」とのつながりを複数持っているバイヤーであれば、ほかのショップが販売していない商品を優先的に仕入れられることもあるでしょう。

しかし、メーカーとの関係も浅い場合、良い条件で仕入れられるとは限りません。また「見本市」や「問屋街」は、ネットショップ事業者であれば誰でも利用できますが、一定以上の商品知識や目利きのスキルが求められるでしょう。

卸売サイトで仕入れるメリット・デメリット

では、「卸売サイト」を利用する際には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

それぞれについて、わかりやすく解説します。
  

メリット

BtoB向けの卸売りサイトは、メーカーとのつながりが一切ない状態でも会員登録すれば取り引きができるというメリットがあります。卸売りサイトによって取り扱いメーカーは異なりますが、大手メーカーとの取り引きもできるため、人脈に左右されない点もメリットです。

「家電」「ヘルスケア商品」「アパレル」のようにジャンルごとに特化した卸売サイトもあるので、自社ネットショップが取り扱うジャンルに合わせて仕入れが行えます。そのため、開業時から豊富な商品ラインナップを実現できるでしょう。

また、BtoB向けでありながら最小1点からの小ロットで販売しているサイトも多く、テストマーケティング的な販売や、小規模なネットショップでも利用しやすいのが特徴です。売れ筋商品の情報を提供しているサイトもあるので、仕入れの参考にもなるでしょう。
  

デメリット

BtoB向けの卸売りサイトから仕入れるデメリットとして、競合の多さが挙げられるでしょう。

こちらは、ネットショップ事業者であれば利用できるサービスなので、様々なネットショップが仕入れています。そのため、楽天やAmazonなど大型モールで販売する場合、他社が同じ商品を販売している状況が高確率で発生します。特に「トレンド商品」は、タイミングや価格設定を慎重に検討する必要があるでしょう。

また、在庫を持たず卸売りサイト経由でメーカーから直送できる「ドロップシッピング」サービスもありますが、デメリットが大きいので注意が必要です。在庫管理や物流などすべてサービスに依存してしまうため、顧客へのフォローアップメールなど施策を実施しづらくなるというデメリットがあります。

卸売りサイト9選

日本国内のサービスを中心に、10の卸売サイトを紹介します。取り扱っている商品や特徴を掴みながら、自社に合ったサイトを見付けましょう。

1. NETSEA

btob-ecommerce_-_2.jpg
NETSEA

「NETSEA」は、 株式会社SynaBizが運営するBtoB向け卸売りサイトです。株式会社オークファンが出資元となっており、ネットショップのノウハウに実績があります。NETSEAも楽天B2Bのようにジャンル幅が広く、日用品から家電など幅広く、「ハンドスピナー」のようなトレンド商品も取り扱っているのが特徴です。

2. ReValue(リバリュー)

btob-ecommerce_-_3.jpg
ReValue

「ReValue」は「NETSEA」を運営している株式会社SynaBizが、「余剰在庫流動化」を目的として立ち上げた卸売りサイトです。棚落ち品・訳アリ品のような余剰在庫なので、アウトレット品という扱いではありますが、競合と被らない「掘り出し物」を仕入れられる可能性があります。また、同社が手がける売れ筋商品の分析サービス「トレンドナビ」が利用できるのもメリットでしょう。

3. FUJIEI toB SUPPLY

btob-ecommerce_-_4.jpg
FUJIEI toB SUPPLY

「FUJIEI toB SUPPLY」は、家具や日用品の総合商社である株式会社 藤栄の卸売りサイトです。藤栄が製造している商品はもちろん、家具のインポートブランドの商品を仕入れることができます。藤栄ブランドは日本製の家具や日用品も多いため、家具のセレクトショップを運営しているのであれば検討してみるのも良いでしょう。

4. 卸の達人

btob-ecommerce_-_5.jpg
卸の達人

「卸の達人」は、ネットショップの物流代行を行っているASJコマースが運営している卸売りサイトです。「ダイエット」「スキンケア」「健康食品」などのヘルスケア分野の商品が充実しています。海外需要に合わせたコスメやサプリメントの特集を行っているため、越境ECに参入しているネットショップ担当者はチェックしておきましょう。

5. Super Delivery

btob-ecommerce_-_6.jpg
Super Delivery

「Super Delivery」は、株式会社ラクーンが運営する「アパレル」「雑貨」に特化した卸売りサイトです。レディースからメンズ、キッズ向けのアパレルまで幅広く揃うだけではなく、著名な外資系ブランドのアパレル商材もあります。また、開業前から利用できるので、ショップのオープン前に商品のラインナップを増やせます。

6. 通販素材

btob-ecommerce_-_7.jpg
通販素材

「通販素材」は、ネットショップ向け事業を展開する株式会社コスパクリエーションの卸売りサイトで、インテリアや快眠グッズ系の商材に特化しています。また、自社の顧客リストを参考にした「売れ筋商品」を仕入れ前に確認できるので、仕入れに迷った時にも利用しやすいでしょう。

7. Alibaba.com

btob-ecommerce_-_8.jpg
Alibaba.com

「Alibaba.com」は、アジア最大のネットショッピングサービスを展開する「アリババ・グループ」の卸売りサイトです。世界中のサプライヤーとバイヤーが集まる規模の大きさが最大の特徴でしょう。大規模かつ有名なサイトであるため、他社との商品被りが発生しやすいというデメリットがあります。

8. AliExpress

btob-ecommerce_-_9.jpg
AliExpress

「Alibaba.com」の中でも「AliExpress」は世界中どこからでも購入できるというのが特色のBtoC向けネットショップサービスです。BtoC向けですが、電化製品などが安く購入できるのが特徴です。小ロットから購入できるため、輸入商品を展開する前のテストマーケティング用途にもオススメです。

9. ebay

btob-ecommerce_-_10.jpg
ebay

「ebay」は、世界最大のオークションサイトです。世界中のバイヤー、サプライヤー、そして個人ユーザーが集まり売買が行われています。貴重な商品や格安商品などを見付けることができます。Alibaba.com同様、大規模なサイトであるため、商品選定によっては他社との被りが発生しやすいのも事実です。仕入れのスキルを身に付けてから利用しましょう。
  

まとめ

ネットショップの開業直後は、販売したい商品の拡充と在庫管理が重要です。そこで卸売りサイトを活用し、売りやすい商品を効率的に仕入れてみましょう。また、卸売りサイトは気軽に利用できることから競合が非常に多いです。特にトレンド商品の場合、楽天やAmazonなどモールでは同一商品が出品されている可能性が高いでしょう。

他社にはない商品を仕入れるには、複数のルートで活用する必要があります。仕入先を卸売りサイトだけで完結させるのではなく、1つの手段として活用してみてください。