皆さんこんにちは、日本マイクロソフト株式会社の澤円です。

第2回目の記事では、プレゼンテーションにおける「ビジョン」についてお伝えしました。プレゼンテーションを成功に導く北極星ともいえるビジョンを、皆さんはイメージできましたでしょうか。

今回は、プレゼンテーションを行う上でとても大切な要素である「核」についてお伝えさせていただきます。

前回の記事はこちら:
相手のハッピーな未来を描く - プレゼンにおける「ビジョン」とは|ferret [フェレット]

プレゼンテーションには核がある

突然ですが、皆さんはいいプレゼンテーションを聴いた時、その内容を誰かに伝えたいと思ったことはありませんか?

そして、脳裏に焼き付いた刺激的なフレーズを、ついつい熱い気持ちで友達や家族に話した経験はありませんか?

その時に口にしたフレーズこそが、今回のテーマでもある「核」です。「核」は、プレゼンテーションで伝えようとしたことを端的に表した言葉です。

その言葉は、実際に聴いた人を介して多くの人へと伝播していきます。こうして、一度のプレゼンテーションがどんどん広がっていき、プレゼンテーションを行った人の価値が結果的にどんどん上がっていくことになります。

歴史的に有名なプレゼンテーションの一つに、マーティン・ルーサー・キング牧師がワシントン大行進で行った演説があります。

キング牧師といえば、なんといっても「I have a dream」が有名なフレーズです。このフレーズはとっても有名ですが、演説のどの部分で話されたのかを知っている人は多くありません。演説はおよそ17分間にわたって行われたのですが、その12分あたりから登場します。

「I have a dream」というフレーズは、8回にわたって繰り返されました。

「I have a dream that one day this nation will rise up and live out the true meaning of its creed: "We hold these truths to be self-evident, that all men are created equal."」

「I have a dream that one day on the red hills of Georgia, the sons of former slaves and the sons of former slave owners will be able to sit down together at the table of brotherhood.」

「私には夢がある。それは、いつの日か、この国が立ち上がり、「すべての人間は平等に作られているということは、自明の真実であると考える」というこの国の信条を、真の意味で実現させるという夢である。」

「私には夢がある。それは、いつの日か、ジョージア州の赤土の丘で、かつての奴隷の息子たちとかつての奴隷所有者の息子たちが、兄弟として同じテーブルにつくという夢である。」

引用:「私には夢がある」(1963年)|About THE USA|アメリカンセンターJAPAN

このように、「I have a dream」の後に様々なフレーズを付け加えて、何度も聴衆に訴えかけました。この演説は、多くの人々の心をとらえ、50年以上経った今でも語り継がれています。

これこそが、プレゼンテーションの「核」です。
I have a dream=私には夢がある」という言葉は、聴いた後で誰もが持ち帰ることができるシンプルなものです。

「核」は、持ち帰ってそのまま誰かに伝えられる、シンプルかつ心に響くフレーズのことです。普段の仕事や学業においては、そこまで「心に残る」「感動させる」という意識をもってプレゼンテーションを作ることは多くないかも知れません。

しかし、少し意識するだけで、相手に対して与えるインパクトも変わりますし、さらには「あの人の話は印象深い」というイメージを植え付けることができるかもしれません。