文章を書く際に注意すべきポイントは多々あります。その一つが「参照・参考・引用・転載」を明確に示すことです。

特に注釈をつけずに他のWebページに記載されている文章をそのままコピー&ペーストして自社のWebページに記載する、というのは著作権の侵害となり違法になります。とは言え、文章を書く上で「この文章を紹介したい」「このデータを使用したい」という場面は多々あるでしょう。

今回は、「参照・参考・引用・転載の違いと使い分け」と文章を書く上で最低限知っておきたい著作権関連の情報を紹介します。

AIが作ったものは誰のもの?著作権侵害のリスクを抑えるための注意点 弁護士が解説!マーケ担当者が知っておきたい法律知識

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引用・参考・参照・転載の違いと使い分け

引用とは

「引用」とは、他人の文章や説、事例などを自分の文章の中に引いて紹介することを指します。引用をする際は、特に以下の3点に注意が必要です。

・自分の文章と明確に区別されていること
引用部分が、読者にはっきりと分かるように区別し、出典を明記しなければなりません。はっきりと区別されていないと、最悪の場合「盗用」とみなされる可能性もあります。

・主従関係が存在すること
文章全体を見た際に、自分の文章よりも引用元の方の割合が高くなってはいけません。引用元の文章も割合が多いと、転載とみなされる可能性があります。自分が書いた文章に対して、引用の文章が「従」となるように注意してください。

・引用元が改変されていないこと
引用する場合は、どのような場合でも表現を改変してはいけません。改変を行うと不正引用とみなされます。なんらかの理由で表現を変えたい場合は「参考」または「参照」として使用し、自分の言葉でまとめなおしましょう。

参考とは

「参考」とは、資料や意見など考慮できるすべてのモノ・コトを手がかりに考える際に使用します。資料などの形のあるものから、人の意見や考えなど形のないものまでを対象とした言葉で「役立つ情報すべてから考えた」という場合に使われます。

「参照」よりもカバーする範囲が広いため、参照・参考のどちらを使用していいか分からずに迷った場合には「参考」を使用することをオススメします。

参照とは

「参照」とは、図や文書などの資料に照らし合わせる際に使用します。基本的には「目に見える」情報を対象とした言葉で「この資料を見れば分かる」という場合に使われます。

正しい使い方例と誤った使い方例

正:ferretを参照しました
誤:編集長の考えを参照しました

上の文章は「ferret」という目に見えるWebサイトを参照した、と言っているため正しい使い方です。一方下の文章は「編集長の考え」という目に見えないものを参照した、と言っているので誤った使い方となります。

転載とは

「転載」とは、引用と同じように他人の文章や説、事例などを自分の文章の中に引いて紹介することを指します。ただし引用と異なる点は「自分の文章の割合が少ない」点です。自分が書いた文章に対して、転載の文章が「主」となっている場合は転載となりますので、転載をする際は特に以下の3点に注意してください。

・著作者の許諾があること
転載をする場合は、基本的に著作者の許諾が必要となります。例外的に官公庁などが周知を目的として作成した資料などについては、無断転載できるものもあります。

ここで注意がしたいのは「無断引用はよい、無断転載はだめ」ということです。「無断引用(転載)禁止」と明記されている記事や資料などについては引用・転載ともに無断での使用は避けるべきですが、引用についてのみ基本的には無断で使用することができます。

一方、転載に関しては法的に見ると無断転載はできません。文章を見直して転載にあたる場合は、著作者に確認を取ってください。

・自分の文章と明確に区別されていること
こちらは、引用を行う際と同様に注意すべき点です。転載元となる文章が「主」となる場合でも、必ず自分の文章を明確に区別するようにしてください。

・引用元が改変されていないこと
こちらも、引用を行う際と同様に注意すべき点です。転載を行う際も、どのような場合でも表現を改変してはいけませんので注意してください。

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著作権を侵害していないかチェックする際のポイント3つ

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著作権は「知的財産権」の1つです。文章、絵画、音楽、建築、映画などの著作物を保護するための法律です。

誰でも情報発信できるインターネットは、著作権侵害が発生しやすいため長らく問題視されており、昨年キュレーションメディアの著作権侵害が話題になったことでより注目されるようになりました。

自身が情報を発信する際、ルールを理解しておかなければ知らない間に著作権侵害してしまう可能性もあります。以下より、インターネット上に文章を公開する際に最低限チェックすべきポイントを3つご紹介します。

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故意に著作権侵害を行わないにしても、気づかないうちに著作権侵害を行ってしまっている可能性もあります。意図せず著作権侵害してしまい、著作権元から訴えられるという事態を避けるために、今回は著作権の概要と種類を解説します。

1.コピペしていないか

すでに世の中に同じテーマについて言及している記事がある、ということは往々にしてあることです。同じテーマについて書く、ということ自体に問題はありませんが、チェックすべきはその内容です。

特に注釈なしに、すでに公開されている記事をまるで自分が書いたかのようにコピー&ペースト(通称コピペ)して掲載した場合あは、著作権の侵害となります。

しかし記事を書いていると、無意識のうちに参考にしたページと類似した文章になってしまっていることもあります。記事公開後に問題が発生してしまわないように、コピペチェックツールを使用する、複数人で記事をチェックするなどのチェック体制を整えるようにしましょう。

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2.参考・参照・引用・転載が正しく使用されているか

参考・参照・引用・転載が正しく使用されているか、公開前に必ず確認してください。

4つの違いについては、次の項目でご紹介しています。特に転載を行う場合は基本的に著作者に許諾を得る必要があります。

3.著作者の意図に反する使用になっていないか

記事を書く際、解説や批評なども含まれるケースが多々あります。このような記事で参考・参照・引用・転載を行っている場合、著作者の意図に反する使用になっていないかを確認しなければいけません。

これには、法的に罰せられる可能性が無いと言えないだけではなく、記事公開後に著作者自身とトラブルになってしまうことを防ぐ目的もあります。

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著作権を守るために使用する4ワードの使い分け方

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著作権を遵守して発信をしなければならないのはもちろんですが、他人が書いた文章などをまるで自分が書いたようにして発信してしまっては、情報を受け取ったユーザーを裏切ることにもつながり、最終的にユーザーがいなくなってしまう、ということも考えられます。

確認作業は少し手間のかかるものではありますが、よりよい情報発信と自社の信用のためにも、おろそかにしないようにしてください。

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Webサービスを運営していると、必ずぶつかるのが著作権の問題です。著作権の侵害を侵していないのか、また自サイトの著作権を侵されていないのか、なかなか取っ付きづらいイメージを持っているのではないでしょうか。しかし、基本的なことをしっかりと理解すれば、意外ととっつきやすいものでもあります。 今回は著作権の基礎をご紹介します。