商品やサービス、企業の紹介などをSNSやホームページに載せる際、ちょっとしたイラストをいれたいということはないでしょうか。また、ブログや記事で読者に内容をわかりやすく伝えるため、図解を入れたいということもあるでしょう。

デザイナーであれば有料ツールですぐにイラストや図解を作成できますが、Web担当者やSNS担当者の場合、有料ツールを所持していないこともあります。そのような場合、無料で使用できる高機能なドローツールを検討してみましょう。

今回は、複雑な図形も簡単に描ける無料ドローツール「Inkscape」を紹介します。

Inkscapeとは

Inkscape(Windows版)

Inkscapeとは、オープンソースで作成されたドローツールです。
無料で使用できるにも関わらず非常に高機能なツールでベクター形式の画像が作成可能です。有料ツールを持っていなくても、オリジナルの画像やロゴの作成ができます。

なお、Macで利用する場合は、Inkscape単体では動作しません。「XQuartz」を一緒にインストールする必要があるので注意してください。

インストール

step1.

1.png
まず公式ホームページにアクセスし「Download」をクリックします。

step2.

2.png
ダウンロードするバージョンを選択します。Gnu/Linux、Windows、ソースコードの3種類から選びます。

step3.

3.png
Windows版ではさらに細かいバージョンの選択をします。
32ビット、64ビット、Windows10限定のアプリ版のいずれかを選びます。バージョンを決定すると、自動でダウンロードが始まります。

step4.

4.png
Get Inkscape for OS X
XQuartz
Macで使用する場合は上記URLからダウンロードします。
先に「XQuartz」をインストールしてから、Inkscapeをインストールしてください。

インターフェース

5.png

画面の最上部にあるメニューバー(画像赤枠部分)では、ファイルの選択や保存、レイヤーやオブジェクトの追加、フォントの管理ができます。

メニューバーの下にあるコマンドバー(画像青枠部分)では、ファイルの保存やアクションの管理、オブジェクトの選択ができます。

さらに下に表示されているツールコントロールバー(画像緑枠部分)では、フォントや文字サイズの選択、オブジェクトのサイズ調整などが可能です。

図形作成やドローイングは、画面左側に表示されているツールバーから行えます。

覚えておきたい基本操作4つ

Inkscapeは搭載されている機能が非常に多いため、すべてを使いこなすには慣れが必要です。
まずは覚えておきたい基本機能4つを紹介します。

1.ツールの選択

a).選択ツール

6.png

オブジェクトを選択したり、移動したりする際に利用します。
シフトキーを押しながら複数のオブジェクトをクリックすると、複数選択も可能です。

b).ズームツール

7.png
オブジェクトを拡大・縮小するツールです。キャンバス内の拡大したいポイントをクリックすると、そこを中心に拡大します。
シフトキーを押しながらクリックすると、そこを中心に縮小します。

c).鉛筆ツール

8.png
フリーハンドで線を描くツールです。
直線や曲線では表現できない線を描く際に利用します。

d).テキストツール

9.png
指定した範囲にテキストの入力スペースを作るツールです。
オブジェクトにテキストを入力したい場合に利用します。

2.オブジェクトの作成

キャンバス内にオブジェクトを作成しましょう。

10.png
オブジェクトを作成するには、まずツールの選択が必要です。
短形ツール、3Dオブジェクトツールなど、任意のツールを選択してください。
キャンバス上でドラッグするとオブジェクトを生成できます。

3.オブジェクトの複製

Inkscapeは、オブジェクトのコピー機能も搭載しています。規則正しいデザインを制作する際にこの機能を使います。

step1.

11.png
まず選択ツールに切り替えて、コピーするオブジェクトをクリックします。
続いて、コマンドバーの「選択範囲をクリップボードにコピー」をクリックします(Ctrl(Command)+Cでも可)。

step2.

12.png
「クリップボードをマウス位置に貼り付け」をクリックして、ペーストします(Ctrl(Command)+Vでも可)。

4.オブジェクトの出力

完成したオブジェクトは、範囲を選択してPNG画像としてエクスポートできます。

step1.

13.png
メニューバーから「ファイル」をクリックするとプルダウンメニューが表示されます。「PNG画像にエクスポート」をクリックします。

step2.

14.png
エクスポートする範囲を選択します。エクスポートの範囲は、キャンバス全体、描画全体、指定範囲から選べます。背景を必要とする場合と必要としない場合、それぞれに対応しています。

エクスポートする範囲を選択したら、次に画像のサイズを決定します。必要以上に画像のサイズを大きくしたくない場合は、ピクセル数を下げるのがおすすめです。

次に、保存先のフォルダを選択します。「エクスポート先」をクリックして選んでください。
最後に、「エクスポート」をクリックします。

まとめ

商品やサービス、企業を紹介する際、テキストだけで紹介するよりも画像やロゴを添えてあげたほうがよりユーザーの目に留まりやすくなります。とはいえ、社内にデザイナーがいない、またはデザイナーはいてもリソースが足りない場合もあるでしょう。

そのような場合、無料ツールを利用して簡単な画像や図解を作成してみましょう。