近頃、Twitterでいかにバズらせるのか、どうやってフォロワーを増やすのかといったノウハウを目にする機会があります。ソーシャルメディア関連のセミナーに参加してもそういった質問が飛び交うことも珍しくありません。

しかし、実際そのような「お作法」に則ったところで本当に効果は出るのでしょうか?

今回、ferret Founding Editor の飯髙が、何気なく休日の夜につぶやいた“あるツイート”が16万インプレッションを叩き出していたので、本人に聞いてみました。

※この記事は2018年7月30日 17:30時点での状況を元に紹介しています。

バズった飯髙さんのツイートがこちら

ライターや編集者、ディレクターなどWebメディアに携わる方ならだれでも感じたことがあるであろう「手法」と「目的」に関するツイートをしています。

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約5,000のアクション数(エンゲージメント)に対して、16万インプレッションでエンゲージメント率は3%。

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詳細をみてみると、1ツイートからプロフィールへ約3,100クリック、いいね数は約1,000ついています。

1ツイートに総アクション数約5,000。その秘密は?

―― 今回、休日の夜にツイートしていましたが、なにか秘密のノウハウとか狙いはあったんですか?

飯髙:
そもそも秘密なんてないし、今回がバズだとも思ってないんだけどな(笑)

でもこの質問に回答するのであれば、昔はよくユーザーアクションを狙ったツイートして勝手に検証とかしてたんだけど、最近は特に意味もないつぶやきが多いなと反省したのが1つ。

もう1つは最近よく、*Twitterとかを見ていて、「どうやってバズらせるか」「フォロワーが増えるのか」みたいな、Twitterの手法や行為に関するネタを多く見かけていたから、今がどうなのか検証がしてみたかったんだよね。*結論変わってはなかったんだけどね(笑)

そこでやってみたのが、

  • メディア運営者としての立場からの発信
  • メディアにちゃんと関わっている人なら「当たり前」だけど、意外と届いてないであろう内容
  • 手段と目的のようにわかりやすくまとめた

この3つだけ。
誰もが思っていることを自分の立場から代弁するようにツイートしただけ。なんなら、普段から喋っていることだよ。

―― ツイートの反響やアナリティクスの傾向などから気づいたことありますか?

飯髙:
つぶやいた直後に「いいね」が付き始めて、RTはそこまで伸びていなかったんだよね。でも、翌朝みたら50RT・150ファボ(いいね)くらいが発生していて、当日も(いつものツイートよりも)反応はあったんだけど、ツイートした翌日に一気にアクションが増えた。

これは当たり前のことなんだけど、夜ってタイムラインが日中より静かになる。だからそこでアクションが多くつきやすい。なぜならWeb業界の人って休日関係なくTwitterやってる人多いから。

翌朝みんながTwitterを見たら、仕組み上アクションが多ければ、その周りの人のタイムラインに出るんだよね。

プロフィールにも約3,100クリックあって、だいたい100人くらいはフォロワーが増えたな。現状のフォロワーが大体4,000人くらいだから、この数値はパフォーマンス良いよね。でも、2週間もすれば1/3は普段の投稿が多くてフォロー外すんだけどね(笑)

それに、実際に反応してくれる人も、普段絡んでいるようなアカウントではなく、ライターとか編集者の人が多いと思う。知らない人がほとんど(笑)

もちろん中には知っている人も居たんだけれど、アクション数が伸びてインプレッションが増えるに従って、全くしらない人にも届いて、それがツイートに関連した人たちに届いて行くんだよね。

あとは、改めてだけどTwitter含めSNSってすごいよね。今回であれば自分がやってて思うことを1ツイートしただけで、16万インプレッション・5,000アクションくらい。

仮にだけど1クリックを50円って考えても25万円だからね。100フォロワー獲得ってことを考えても金額にしたらそこそこするしね。

―― メディア運営者という立場ももちろんありますが、飯髙さんって普段サッカーのツイート多いですよね?今回はなぜ「メディア」ネタなのでしょう?

飯髙:
シンプルに自分がメディアに関わっているからってこと。とはいえ、サッカーとか組織論的なネタもあるし悩ましいこともあったから、Twitterアナリティクスのトップツイートを確認してみたら、メディア系のツイートが上位に多いってことがわかったから、このツイートにした。

的確にユーザーに届いたツイートは共感などコメントも多い

―― コメント付きのRTやリプライも多く届いているようですね

飯髙:
結構反応してくれているね。反応してくれている人はさっきも言ったけど、やっぱりライターとかメディア関係者が圧倒的に多いね。

コメント付きRTは、共感してくれる人だったり疑問に感じる人はリプライをくれるから返事をしたり。RTはしていないんだけれどコメント付きでツイートしてくれた人には、いいねしてる。

こうやって、自分のツイートをもとに、SNSプランナーであり編集者のとみこ( @tomiko )さんのこんなツイートもある。

飯髙のツイートを受けての反応

―― 共感を持っている方もいましたね

飯髙:
そうそう。でも、もちろんマイナスに捉えられてしまう面もあって......。

これは、Twitterならではの面白さでもあるんだけど、タイムラインに流れる1つのツイートは、文脈を捉えず流し読みをして(飯髙自身が意図しない)解釈をしたツイートを見かけることもあった。

本来は、メディアの理想を考えてユーザーのためになることをすべきと伝えたかった。それに、フォロワーの定義に「量」をやめようっていうのもそう。手段や手法ばかりになってしまってはダメということで、その手法そのものは否定していないのにそう捉えてしまった人もいたみたい。

それに、今回のツイート内容って、先にも言ったけど、「自分が普段から言っていること」なんだよね。でも、このツイートが伸びたことで「意外と届いていないんだな」と感じた......(笑)

―― なるほど。ちなみに、今後もこういった検証かねたツイートとか、こっそりつぶやく予定はありますか?

飯髙:
ないとは言えないけどそればっかにはしたくないし、届けたいものがあればするってのが答えかな。Twitterって、自分が思うこととか好きなことをつぶやけばいいと思っていて。それに対して共感する人がリプライしてきて会話が盛り上がって、自然とフォロワーが増える。そんな楽しみ方が好きなんだよね。

なにかに偏ったツイートばかりするのも嫌だし、なによりそれが(公式アカウント運用のような)「仕事」になってしまったらつまらない。もちろん、Twitterが仕事になったり、活用する場面もあるんだけれど、基本的には好きなことをつぶやきたい。

メディアやソーシャルメディアが成長するための「お作法」ももちろん理解はしているけれど、ナチュラルに楽しみたいよね。

まとめ:自分の領域に関わるツイートを発信してみよう

狙いたいユーザーに向けて検証を兼ねてツイートしたという飯髙。そのツイート内容は、メディア関係者であれば誰でも感じるであろうことを代弁したものでした。

休日の夜という、一般的にビジネス系のツイートの反応を得るのが難しいタイミングでありながら16万インプレッションというツイートは飯髙が述べていた3点を方法を守っただけといういたってシンプルなものだけ。

もちろん、「いいね」などアクション数が増加することで「話題のツイート」やタイムラインの上位に掲載され、そこからフォロワーの枠を超えて広がり始めるというTwitterの仕様も要因の1つです。

今回は、個人のツイートを元に検証したもので、確実な再現性は保証できるものではありませんが、自身の領域などを意識したツイートをすることは重要と言えます。