様々なビジネスシーンでの応用が期待されるAI。昨今では画像や動画の生成技術が頻繁に話題になりますが、台本や企画の制作、顧客対応など、ものごとを“伝える”場面でもAIが重宝され始めています。

そこで今回は、プロモーション、番組企画、マーケティングといった職種で導入できる多種多様なAI活用サービスに注目しました。

動画コンテンツの企画制作を自動でおまかせ!?

まずはじめに紹介するのは、株式会社AtoOneが2023年6月に提供開始した「Mteam AI」です。YouTubeやTikTokなど動画コンテンツでの発信を主としたSNSが普及している現状を受け、動画制作をサポートするAI活用サービスとしてリリースされました。

「Mteam AI」を活用すれば、動画の絵コンテや台本を自動で作成可能です。
“インフルエンサー向け”“プロモーション向け”“ビジネス向け”の3つから制作コンテンツのジャンルを選び、“商品紹介”や“ゲーム攻略”など内容の大まかなカテゴリを指定。さらにチャプター数、ターゲットの性別および年齢、取り入れたいキーワードや参考にしたいコンテンツURLなどを指定すると、最適な台本が生成されます。

ChatGPTを活用した絵コンテ・台本の自動生成サービス「MTEAM-AI」を無料で提供開始
出典:ChatGPTを活用した絵コンテ・台本の自動生成サービス「MTEAM-AI」を無料で提供開始

ChatGPTの技術を用い、セリフをはじめとした細かな要素もジャンルに合わせて生成できるので、時間がかかりやすいアイデア出しの作業も効率良く進めることが可能に。YouTuberやTikTokerはもちろん、営業用の動画を作りたい企業のプロモーション担当、社内向けの動画コンテンツ制作を考えている教育・採用担当者なども活用できるでしょう。

利用に会員登録は必要ですが、機能はすべて無料で使用可能。また短めの動画を生成するサービスも近日リリース予定とのことで、今後も目が離せません。

顧客対応に特化したAI活用サービスも

コンテンツの企画や制作以外でAIの活用が進んでいる職種といえば、カスタマーサポート関連の分野です。

なかでも注目を集めているのは、「Mteam AI」と同時期に株式会社ギブリーからリリースされた「顧客対応アシスタント」と「トークスクリプト生成アシスタント」。どちらもChatGPTを活用したカスタマーサポート職向けのサービスで、同社が提供する業務自動化ツール「法人GAI」の新機能として追加されました。

ChatGPTが顧客対応業務の生産性を向上
出典:ChatGPTが顧客対応業務の生産性を向上。ギブリー、法人GAIにカスタマーサポート職向けの新機能「顧客対応アシスタント」「トークスクリプト生成アシスタント」を追加

「顧客対応アシスタント」を活用すれば、顧客からの問い合わせ内容を分析し、トークスクリプトや返信用メールを瞬時に生成可能。加えて顧客の性格を分析したり、会話内容を要約したりすることもできます。また担当が代わる際には引き継ぎ事項も作成可能なので、顧客対応業務を効率的かつ最適に進められるでしょう。

続く「トークスクリプト生成アシスタント」とは、カスタマーサポート担当の人材育成に活かせる機能です。顧客を“結論を重視するタイプ”“熱意を重視するタイプ”“共感を重視するタイプ”“丁寧さを重視するタイプ”の4種類に分類し、それぞれに合ったトークスクリプトを自動作成。実際の業務を想定したリアルなロールプレイングが行えてフィードバックも生成されるので、これまで人材育成に多くの時間やコストを掛けるのが難しかった企業には特におすすめです。