近年、観光業界で「スマートツーリズム」が注目されています。スマートツーリズムとは、最新デジタル技術を駆使して観光客に必要な情報やサービスを提供し、観光客の誘致や消費を促進する集客手法のこと。スマートツーリズムには観光をより便利で快適なものにするだけでなく、観光地にこれまでにない新しい価値を創出する可能性も秘めています。

そこで今回は、実際に観光地で導入が進められている最新のスマートツーリズムを紹介。観光地のブランド価値を高め、さらなる集客を狙う観光担当者の方はぜひ参考にしてください。

目次

  1. 日時や天気から観光地の混雑状況を予測
  2. 顔認証システムを活用したサービスも
  3. 「スマートツーリズム」は観光地に新たな価値を生み出す

日時や天気から観光地の混雑状況を予測

京都市および京都観光協会が行っている「京都観光快適度マップ」は、京都市内の主要な観光スポット周辺の観光快適度を時間帯別で予測しWeb上で発信するサービスです。観光快適度とは、観光地に集まる人の量を5段階で示したもの

マップの検索項目に日時と予想される天気を選択すると、市内7エリアの人気観光スポット11箇所の観光最適度をアイコンで示してくれます。さらに気になるエリアをクリックすることで、選択したエリア1週間分の時間帯別の観光快適度を一覧で見ることも可能。同じスポットでも日付や時間を変えるだけで快適に観光できる場合もあり、ユーザーは各日の混雑予測を比較しながら訪れるのに最適なタイミングを判断できます。

京都観光快適度マップ
出典:京都観光オフィシャルサイト「京都観光Navi」における「京都観光快適度マップ」の公開について

他にも季節やイベントに合わせて混雑が予想される観光スポット周辺にポータブルライブカメラを設置し、YouTubeで現地の状況をリアルタイム配信するサービスも。

実際に昨年末から今年1月にかけては、年末年始の混雑対策として八坂神社西楼門・参道の様子をライブカメラで配信。例年多くの観光客で賑わう祇園祭期間中の京都経済センター前や阪急烏丸駅にも、今年7月12日から24日にかけてライブカメラを設置し、現地の様子をYouTubeからいつでも確認できるようにしています。

YouTubeで観光スポットの状況をリアルタイム配信するサービス
出典:年末年始におけるポータブルライブカメラを活用した混雑の見える化の取組

予測精度を向上させるための機能拡充も随時行われていて、2023年10月には従来の日本人の位置情報データに加え、外国人の位置情報データが混雑予測に反映されるように。

昨今では海外からの観光客も多く、観光地にキャパシティ以上の観光客が押し寄せる「オーバーツーリズム」が問題視されてきました。週末に増加する傾向にある日本人観光客に対し、平日にも訪れる外国人観光客の影響もデータに反映することで、より実態に即した予測が可能となっています。

顔認証システムを活用したサービスも

パナソニックコネクト株式会社は、今年1月から3月にかけて中部国際空港島とその周辺地域の商業・観光施設で顔認証システムを活用した決済やスタンプラリーの実証実験を実施。このエリアでは来訪者が特定の目的施

顔認証システムを活用した実証実験

顔認証決済の例

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