こんにちは、株式会社ブレインパッドでソーシャルメディア分析を担当している福江です。

日本人なら誰もが一度は友人や家族と話題にしたことがある、明治が発売するチョコスナック「きのこの山」と「たけのこの里」の論争についに先日終止符がうたれました。

発売元である明治が実施した「きのこの山・たけのこの里 国民総選挙2018」は、それぞれの商品についているバーコードを1票として自身が支持する「きのこ党(きのこの山)」「たけのこ党(たけのこの里)」「どっちも党」のいずれかに投票する公式イベントです。

2018年2月26日〜7月31日までの期間で開催され、9月11日にその選挙の結果が発表されました。

結果は「たけのこ党」が693万1200票を獲得し、「きのこの党」の676万1773票、「どっちも党」の223万8204票を上回り、「たけのこの里」が勝利しました。

これで38年の戦いに終止符がうたれたと思う一方、全体の投票数からみるとかなり僅差な結果であり、納得のいかない方もいるかもしれません。

そこで今回の記事では、「きのこの山・たけのこの里総選挙 延長戦」と称して、「きのこの山」「たけのこの里」それぞれのツイート数を集計し、その総投稿数を比較してみました。

きのこの山・たけのこの里総選挙 延長戦

ツイート数を集計する条件については公平を期すため、以下のようにシンプルに設定しました。

https://ferret.akamaized.net/images/5bc44d9bfc87a504d341b5a0/original.png?1539591577

通常キーワードの分析を行う際には表記ゆれを考慮して、きのこの山であれば「キノコの山」「きのこのやま」など同じ意味を示す単語を複数条件として設定するものですが、それによって投稿件数も変わってくるため、一方が有利、不利にならないようにシンプルに正式名称のみを対象としています。

まず、きのこの山、たけのこの里を含むツイート数の推移を時系列で表したのが以下のグラフです。

https://ferret.akamaized.net/images/5bc44d9cfc87a504d341b5a1/original.png?1539591579

それぞれのツイート数の推移を月別で集計したところ、見事なくらいグラフの動きが一致していました。

最も投稿数が多かった月は、きのこ、たけのこ共に2016年6月で月間約36万件の投稿がありました。これは任天堂が発売するゲームソフト「スプラトゥーン」で「きのこの山 vs たけのこの山 フェス」が実施されたことにより投稿数が大幅に増加したものでした。

続いてツイートの位置情報をもとに、それぞれの投稿場所の都道府県をランキングにしました。

https://ferret.akamaized.net/images/5bc44d9bfc87a504d041b59c/original.png?1539591577

1位~6位までは全く同じで、基本的に人口やTwitterユーザー数に比例しています。

一方でトップ10の中で「きのこの山」には静岡と新潟がランクイン、たけのこの里は神奈川と茨城がランクインしています。

静岡県民はきのこの山派の人が多いのでしょうか? 都道府県別の販売量なども合わせて見ることが出来れば面白そうです。

総投稿数が多かったのは?

最後にきのこの山、たけのこの里を含むツイート数の合計を集計したところ、以下の結果となりました。
期間は前述の通り2015年9月1日~2018年8月31日の3年間です。

https://ferret.akamaized.net/images/5bc44d9cfc87a504d641b5a0/original.png?1539591579

結果はきのこの山が2,906,673件、たけのこの里が2,689,430件、217,243件の差で「きのこの山」が勝利しました。
公式の総選挙同様わずかな差でしたが、公式の選挙とは逆の結果となりました。

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※主な投稿 キーワード 文字が大きいほど頻出度が高い

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※主な投稿 キーワード 文字が大きいほど頻出度が高い

それぞれのツイートの頻出単語を見ると、あまり違いはなく単体で語られることよりも互いの商品を比較した投稿が非常に多かったです。

改めて見てもこれらの商品は良いライバル関係であることがわかります。

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ちなみに「きのこの山」と「たけのこの里」には生き別れた兄弟がいました。

それが「すぎのこ村」。
1987年から約1年間しか販売されていなかったので見た人もほとんどいない幻の商品ですが、同様にツイート数を直近3年間で調べてみると62,595件の投稿がありました。

さすがに「きのこの山」や「たけのこの里」の投稿数とはかけ離れていますが、30年前に販売していた商品が今でもこうしてSNSで投稿されるというのは面白いです。

まとめ:ソーシャルリスニングで意見を引き出そう

今回は特定の商品に関する投稿数について調べてみました。

今回のきのこの山・たけのこの里総選挙のようにメーカー自らSNSを使ったキャンペーンを仕掛けることは、今まで眠っていたユーザーの意見を引き出すことやブランドへの愛着を高めることに繋がるキッカケとなります。

ソーシャルリスニングなどを行う際に、「うちのサービスはSNSであまり投稿されないから......」という悩みをよく聞きます。しかしソーシャルリスニングではユーザーの正直な声を聞けるため、ぜひ実施してみましょう。