プロダクトアウト・マーケットインとは?誤用されがちな両者を解説
5.マーケットインとプロダクトアウトは対比されるものではない
マーケットインとプロダクトアウトの向こう側 ~二元論を超えて~
マーケットインもプロダクトアウトも、どちらもユーザーのニーズをベースにしていると考えた場合、「マーケットイン/プロダクトアウト」と対比するようなかたちで語るのは果たして適切なのでしょうか。
マーケットインを徹底し、ユーザーのニーズ調査をしても、必ずしもヒットする商品を開発できるとは限りません。逆に、革新性と独自性を求めすぎたプロダクトアウト展開では、ヒットするかどうかは運次第というレベルになってしまいます。
日本総研の総合研究部門 リサーチ・コンサルティング事業部副主任研究員の紀伊氏も主張しているとおり、商品は、顧客に「選ばれる」ことが重要です。マーケットインか、プロダクトアウトかというのはそこへ到達するための手段でしかありません。
マーケティングにおいて最も重要なのは「顧客」
マーケティング用語である「プロダクトアウト」が「顧客」を無視して製品開発する、という風に解釈されてしまうのはよく考えるとおかしなことなのかもしれません。
顧客の、自分自身も気づいていないような潜在ニーズを掘り起こすという意味では、プロダクトアウトの方が難易度は非常に高いでしょう。しかし、顧客に驚きと感動を与えられるのも成功したプロダクトアウトの製品に多く見られる特徴です。
マーケットインもプロダクトアウトも、社会に必要な概念です。まずは誰が顧客なのかを見極め、彼らのニーズを聞き出すことです。ただ、「5」で紹介した記事にもあったとおり「意見を聞く」のと「ニーズを知る」のは似て非なるものです。営業にも通じるところだと思いますが、単なる御用聞きで終わるのではなく、顧客の真のニーズを洗い出す工夫が必要です。
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