売りたい価格で商品を売る松竹梅の法則
この記事で学べること
・商品の値付けにおける考え方
・値付けに有効な松竹梅の法則について
・商品の品揃えのコツについて
はじめてネットショップを運用する方にとって販売する商品の値段設定は頭を悩ます要素の一つです。
安ければ安いほど購入してくれるお客様は増えますが、利益が出なければネットショップを運用する意味がありません。
前回の記事「お客様に買ってもらえる商品の値付け戦略」で、適切な値付けを行うには商品の原価をしっかりと把握し、セット割引や送料無料サービスの提供によって利益を上げて単価を維持することがポイントだとお伝えしました。
オリジナル商品であれば自分なりの価格設定が可能ですが、お客様に納得感をもって商品を購入してもらうには、その価格以上に商品に価値があると感じてもらう必要があります。
例えば、価格が10,000円もするTシャツをお客様に「安い!」と思ってもらうにはどうすればいいでしょうか。
実際にそう思ってもらえる効果的な方法の一つに松竹梅の法則というものがあります。
松竹梅の法則とは
同じ商品の価格帯を3つ設定すると、お客様は真ん中の価格帯の商品を多く購入するという法則を*「松竹梅の法則」または「極端性回避の法則」*といいます。
イメージしてほしいのですが、友人とお寿司を食べに行った際に以下のメニュー表があった場合、どの商品を選びますか?
- 梅コース:2,000円
- 竹コース:4,000円
- 松コース:6,000円
もちろん、実物や一緒に行く人によって左右されるかと思いますが、これまでの人の行動を分析すると竹コースを選ぶ人が圧倒的に多いという結果がでています。
約100人に対し、最初はAとBのいずれかを購入したいかを聞いたところ、半分ずつに回答が分かれた。次にCを加えて3種類の選択肢を設けたら、A22%、B57%、C21%という割合になったという。
引用元:日本経済新聞
今回は、お寿司屋さんで例えましたが、世の中の商品の多くはこの法則に則ってプライシングがされています。
例えば、多くの人がもつiPhone6の価格を見ても以下のとおりです。
- 16G:86,800円
- 64G:98,800円
- 128G:110,800円
他にもスーツやレストランのコース料理など、様々な商品においてこの法則を確認することができます。
そして多くの人が中(=竹)の価格帯の商品を選ぶ傾向がある点を踏まえると、お分かりいただけたのではないでしょうか。
最も売りたい商品(利益率の高い商品)を売るためには、その商品に合わせた「梅」と「松」に値する商品を用意すればいいのです。
例えば、あなたが5,000円のネックレスを最も売りたい場合、その他にネットショップにて用意する商品としては3,000円と7,000円のネックレスを用意するのがよいでしょう。
また、本当に価値ある商品が用意できる際に使えるのが「特上」レベルの価格設定です。
上記ネックレスの場合でいくと12,000円ほどの価格になるでしょう。
「松」を上回る「特上」を作ることで、購入検討範囲の幅が広がり松が検討レベルの領域に入ります。
むしろ松も中間の価格帯だとお客様に感じてもらうことができ、特上を用意した時のほうが松の販売数も増える傾向があります。
商品の値付けにおける大切な考え方
以下では、値付けにおいて注意すべきポイントを4つご紹介していますので、値付けの際に参考にしましょう。
1.商品には価格以上の価値を
松竹梅の価格設定についてご紹介しましたが、絶対にやってはいけないのが竹の商品を売りたいがために、価格以上に価値のない商品を「松」として用意することです。
最も高価な商品を購入してくれたお客様の信頼を裏切ることに繋がりますので、特に自信をもって提供できる商品がある場合に限り「松」以上の価格設定を行いましょう。
もちろん「梅」や「竹」の商品に関しても商品相応の価格を設定しましょう。
2.商品数を増やし過ぎない
セット売りなど様々な価格帯を用意して、選択肢の幅を適切に増やしてあげるのは効果的です。
しかし、むやみやたらに選択肢を増やしてショップに陳列するのはオススメしません。人間心理には*「選択回避の法則」*というものがあり、あまりにも多い選択肢を与えるとかえって人は購入を避けてしまう傾向になるのです。
24種類のジャムを売り場に並べた際、6種類のジャムを販売していた時ときよりも売上が減った実験はあまりにも有名です。
24種類のジャムが並べられていたときは買い物客の60%が試食したが、6種類のときには40%しか試食しなかった。しかし、驚くべきことに、選択肢の数は購入には逆効果となった。品揃えの多いブースでは買い物客の3%しか購入しなかったが、少ない選択肢しか与えられなかった買い物客は、30%近くが買ったのである。
引用元:PRESIDENT
3.値付けはお客様へのメッセージ
最高額である松をいくらに設定するかで、その店の格、ひいてはターゲットとなるお客様象ががわかります。
そして松と梅、つまり高い商品と安い商品をいくら離すか、さらには中間の値段である竹を、松に近づけるのか、梅に近づけるのかによっても、売上げの組み立て方、つまり狙いが変わってきます。
梅と松の差を広げすぎると結局どのような人をターゲットにしているのかがわからないお店になりますので気をつけましょう。
4.一度決めた値段の値上げは至難の技
ネットショップに限らず、あらゆる事業において、商品の値上げはお客様が離れていく原因となります。
最初から値下げをして販売数を増やすのは簡単ですが、利益率を改善するための値上げは至難の業です。
最初の値付けは将来に渡って儲けを決定付ける重要な要素となりますので、ぜひ松竹梅の法則も意識していきながら利益をだしていける値付けを考えましょう。
まとめ
以上、値付けにおける松竹梅の法則をはじめとした値付けにおけるポイントをご紹介しました。
前述した通り、値付けというのはその後のネットショップの儲けを決める重要な要素であり、かつお客様へのメッセージとなります。
20代前後の女性をターゲットにしたピアスのショップにも関わらず、平均単価が5,000円であればお客様は高すぎると感じるでしょうし、30代後半の都内に住む独身女性をターゲットにしているショップであれば適切な価格だと感じてもらえるでしょう。
商品の原価や利益率はもちろん、最初のターゲット設定から逆算した値付けを行うことがネットショップの成功には不可欠です。
まずは、充分に利益を出せる「竹」となる価格設定にて商品を提供し、それが受け入れられるのであればその後、状況をみて「梅」「松」となる商品を用意するのをオススメします。
ここがポイント
・最も売れるのは松竹梅における竹の価格帯の商品。
・竹を売りたいあまり、むやみやたらに「松」として用意してはいけない。
・まずはお客様に受け入れられる適切な価格を把握する必要がある。
- 単価
- 商品1つ、あるサービス1回あたり、それらの最低単位での商品やサービスの値段のことを単価といいます。「このカフェではコーヒー一杯の単価を350円に設定しています」などと使います。現在、一般的には消費税を含めた税込み単価を表示しているお店も少なくありません。
- 単価
- 商品1つ、あるサービス1回あたり、それらの最低単位での商品やサービスの値段のことを単価といいます。「このカフェではコーヒー一杯の単価を350円に設定しています」などと使います。現在、一般的には消費税を含めた税込み単価を表示しているお店も少なくありません。
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