新商品を企画・開発するためには、ユーザーの検索行動や購買行動などのデータを分析し、ニーズを捉えることが重要です。

この記事では、データをもとにした企画・開発の進め方や、データ分析に役立つツール具体的な事例について解説します。

目次

  1. 新たな商品を企画・開発するためのステップ
  2. 商品の企画・開発のためのデータ分析に役立つツール
  3. Web行動データを活用して商品企画を行った事例

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消費者Web行動データを活用した商品企画・開発手法

消費者Web行動データを活用した商品企画・開発手法

アイデア探索から調査、戦略立案、規格資料作成までの流れを紹介します

新たな商品を企画・開発するためのステップ

新商品を企画・開発するためのステップは大きく分けて3つに分けられます。各ステップの詳細は次の通りです。

  • 市場や競合、自社について分析する
  • 戦略を立案する
  • 具体的な施策を決める

市場や競合、自社について分析する

まずは、市場競合の状況、自社の強みなどを分析しましょう。売れる新商品を企画するためには、自社のビジネスを取り巻く環境を正しく把握しておくことが重要です。

主な分析方法として、次のような手法が挙げられます。

3C分析

Customer(市場・顧客)」、「Competitor(競合)」、「Company(自社)」の3つの要素に分けて分析する手法です。

分析対象 具体的な項目
Customer(市場・顧客) 市場規模の大きさや変化、顧客のニーズ、購買プロセスなど
Competitor(競合) 競合企業のシェアや商品の特徴、強みなど
Company(自社) 自社の強みや商品の特徴、リソースなど

市場・顧客や競合などの外的な要素を分析してから自社について分析を行うことで、自社の特徴を把握しやすくなります。

3C分析に便利なツール

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PEST分析

Politics(政治)」、「Economy(経済)」、「Society(社会)」、「Technology(技術)」の4つの要素に分けて、ビジネスの外部環境を分析する手法です。

分析対象 具体的な項目
Politics(政治) 業界に影響する法律や条例の変化、政府の方針など
Economy(経済) 景気の状態や顧客の消費動向など
Society(社会) 人口や世帯に関する要素、業界に関する世論など
Technology(技術) 業界における技術革新やITインフラの変化など

事業を取り巻く環境をマクロな視点から把握し、中長期的に予想される変化を捉えられます。

>PEST分析のテンプレートはこちらからダウンロードできます

5F(フォース)分析

業界内の競合他社の脅威」、「新規参入者の脅威」、「代替品の脅威」、「売り手の交渉力」、「買い手の交渉力」という5つの要素について分析する手法です。

分析対象 具体的な項目
業界内の競合他社の脅威 競合他社の数や市場シェア、商品の強みなど
新規参入者の脅威 初期投資や専門知識の必要性など、新規参入の難易度
代替品の脅威 提供する価値やターゲット層が近い代替品の有無
売り手の交渉力 仕入先として取引できる企業の数や仕入れ値など
買い手の交渉力 自社の商品を購入する顧客の購買力や選択肢の多さなど

5F分析を行うことで、競合の状況や自社の競争優位性を把握できます。特に、新規事業として新たな商品を企画・開発する場合は5F分析が有効です。

>5F分析のテンプレートはこちらからダウンロードできます

SWOT分析

Strength(強み)」、「Weakness(弱み)」、「Oportunity(機会)」、「Threat(脅威)」の4つの要素を分析する手法です。

分析対象 具体的な項目
Strength(強み) 自社のリソースや自社商品の強み、優位性
Weakness(弱み) 自社のリソースや自社商品の弱み、苦手分野
Oportunity(機会) 市場成長率の高さや競合の少なさなど外的なプラス要因
Threat(脅威) 法改正や景気の悪化など外的なマイナス要因

SWOT分析を行うことで、自社の内部と外部のそれぞれについて、ポジティブな要素とネガティブな要素を整理できます。

これらの分析手法を用いて、商品の企画・開発の前提となる情報を洗い出しましょう。

>SWOT分析のテンプレートはこちらからダウンロードできます

戦略を立案する

次のステップでは、整理した情報を参考にしながら、誰に対して何を販売するかという戦略を立案します。戦略立案には、「STP分析」と呼ばれる手法が有効です。

STP分析の流れ

出典:資料「消費者Web行動データを活用した商品企画・開発手法」

まずは、ターゲットをいくつかのグループに分けて捉える「Segmentation(市場細分化)」の分析を行います。ユーザーの性別や年齢などの「デモグラフィック変数」や、居住地や勤務先といった「デモグラフィック変数」などの項目で細分化することが一般的です。属性やニーズ別にターゲットをグループ分けしましょう。

次のステップは「Targeting(ターゲティング)」です。ひとつ前のステップで分けたグループの中で、どのグループを対象として新商品を企画するかを決めます。ターゲティングの方法には、限られたニーズを持つグループを対象とする「集中型マーケティング」や、複数のグループに対してそれぞれ最適な商品を用意する「差別型マーケティング」などがあります。

最後のステップは、自社の立ち位置を明確化する「Positioning(ポジショニング)」です。商品やサービスの内容、価格など、競合他社と比べてどのような指標で勝負するかを決定します。

>STP分析の資料はこちらからダウンロードできます

具体的な施策を決める

STP分析によって、誰にどのような商品を販売するかが決まったら、より具体的な施策の内容について考えましょう。

商品・サービスの内容名称価格などについて、戦略に沿ってアイデアを出します。また、どのような経路で販売を行うか、利用する広告媒体などについても決めるべき項目です。

商品の企画・開発のためのデータ分析に役立つツール

商品の企画・開発をする際は、ツールを使ってデータを集めると、ユーザーニーズ業界のトレンドなどが把握しやすくなります。データ分析に役立つ主なツールは次の通りです。

  • キーワード分析ツール
  • アクセス解析ツール
  • 競合分析ツール
  • CRMツール

キーワード分析ツール

キーワード分析ツールとは、ユーザーが検索しているキーワードについて、検索ボリュームやその推移、共に検索されている関連キーワードなどを分析できるツールです。検索キーワードの内容から、ユーザーが抱えている課題やニーズも把握できます。

キーワード分析に利用できる代表的なツールは、Googleの「キーワードプランナー」や「Googleトレンド」などです。

アクセス解析ツール

アクセス解析ツールは、自社のWebサイトにアクセスしているユーザーの行動を分析できるツールです。どのページがよく見られているか、どのようなアクセス元からの流入が多いかなどを把握できます。ユーザーのニーズを把握し、商品の企画・開発の参考にすることが可能です。

多くの企業が利用している代表的なアクセス解析ツールとして、「Google Analytics(グーグルアナリティクス)」などが挙げられます。

競合分析ツール

競合分析ツールとは、競合他社のWebサイトについて調査できるツールです。自社のWebサイトタグを設置して分析するアクセス解析ツールとは異なり、競合分析ツールは対象サイトのURLを入力するだけで、ユーザー属性SEO対策状況などを分析できます。

また、ツールによっては業界のトレンドなども分析することが可能です。幅広いデータを分析できる競合分析ツールの例として「Dockpit(ドックピット)」などが挙げられます。

競合分析ツールおすすめ5選!無料で始められる高機能ツールを実際に使って紹介

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競合分析ツールを使うと競合他社のWebサイトのデータなどを分析し、マーケティング戦略や集客施策の立案に役立てられます。無料で使い始められるおすすめ競合分析ツールについて、機能やサポート体制、実際に使ってみた感想を紹介します。

CRMツール

CRMツールとは、既存顧客のリスト購買履歴などを一元管理するためのツールです。CRMツールでデータを分析することで、既存顧客からよくあわせ買いされている商品を把握し、新たなセット商品を企画するといったアイデア出しが可能です。

CRMツールの例として「Sales Cloud(セールスクラウド)」や「Knowledge Suite(ナレッジスイート)」などが挙げられます。

これらのツールを活用し、新商品の企画・開発に必要なデータを分析しましょう。

Web行動データを活用して商品企画を行った事例

最後に、分析ツールで取得したWeb行動データをもとにして新商品を企画した事例を紹介します。

検索キーワードのトレンドから新商品をいち早く開発

食品・小売業界のある企業では、検索キーワードのトレンドに関するデータをもとに、新商品の企画の種を見つけました。

キーワードのトレンド分析

出典:資料「消費者Web行動データを活用した商品企画・開発手法」

2021年2月の段階で、料理レシピに関するキーワードで「マリトッツォ」と検索したユーザーの前月比上昇率が上がっていることに目を付け、ブームに先駆けて新商品の開発に成功しています。

このように、キーワードのトレンドデータをもとに世の中で流行し始めているトピックを見つけることで、売れる新商品の開発が可能です。

ユーザー属性の分析で新たなターゲットに向けた商品を企画

旅行業界のある企業では、キーワード分析によって新たなターゲットに向けた商品を企画しています。店舗を中心とした販売からWebでの販売に注力していくにあたり、まずはオンラインで情報収集を行っているユーザーの客層ニーズを分析しました。

ユーザー属性の分析

出典:資料「消費者Web行動データを活用した商品企画・開発手法」

従来の店舗販売の顧客には40代~60代の女性が多かったものの、「一人旅」に関連するキーワードを検索しているユーザーは男性も半数近くいて、20代~30代のユーザーが多いことがわかりました。このデータをもとに、若年層向けに一人旅の旅行商品を開発し、Web販売に成功しています。

このように、データを分析することで消費者のニーズに合った新商品を企画することが可能です。

データからニーズを捉えて商品の企画・開発を進めよう

売れる商品を企画・開発するためには、市場競合の状況、ターゲットユーザーニーズなどをふまえて、自社の強みを活かせる商品を考えることが重要です。データ分析を行うことで、ビジネスを取り巻く情報を客観的に把握し、新商品の企画・開発を進めましょう。

下記の資料では、データ分析や戦略立案だけでなく、新商品企画資料を作成するポイントなどのより詳しい内容も解説されています。商品の企画・開発に携わる方はぜひダウンロードしてください。

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消費者Web行動データを活用した商品企画・開発手法

消費者Web行動データを活用した商品企画・開発手法

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