消費税増税など多くのニュースが世間をにぎわせた2019年。めざましいテクノロジーの発展にも後押しされ、マーケティング活動にも大きな変化が生まれつつあります。成熟した日本市場で生き残るには、企業のあるべき姿をマーケティング活動で体現し、確固たる地位を確立しなければなりません。今年起きたさまざまなマーケティング関連ニュースをおさらいし、市場のトレンドを把握しましょう。

今回は、2019年のマーケティング関連ニュースをピックアップして徹底解説。今年の市場の流れはもちろん、これからの消費者の動向まで予測できます。2020年のマーケティングに向けて、今のうちにしっかり頭に入れておきましょう。

QRコード決済キャンペーン

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第2弾100億円キャンペーン - PayPay

昨年末を皮切りに、QRコード決済事業者が大規模なキャンペーンを多数展開し、利用者は急激に増加しました。なかでも話題を集めたのは、ソフトバンクとヤフーが運営する「PayPay(ペイペイ)」の「100億あげちゃうキャンペーン」。決済額の20%が還元されるうえに、当たれば決済額の全額が還元されるというものです。各メディアが取り上げ、認知度は一気に高まりました。

還元金額が記載された画面に個人情報が記載されていないため、SNSでスクリーンショットをシェアしやすいように設計したのが「PayPay」の賢いところです。還元額が大きかったり、全額還元に当たったりすればシェアしたくなるのが人の心理。お得な情報がユーザーの目に触れた結果、3月末までの実施を予定していた「100億あげちゃうキャンペーン」は、わずか10日で100億円がなくなり終了しました。あまりの反響に、無料メッセージアプリ「LINE」が提供する「LINE Pay」も20%還元のキャンペーンを展開したほどです。

一方で、QRコード決済はスマートフォンアプリで決済するため、スマートフォンが使えなければ決済できないのがデメリット。当分は現金とクレジットカードが主流の決済方法にはなりそうですが、キャッシュレス化が推進されつつある今、新しい決済方法の導入によって新規ユーザーの流入が期待されます。しばらくはキャッシュレス化の過渡期が続き決済サービスの淘汰が起こりそうですが、ニーズのある決済サービスの導入は販促としても活用できるでしょう。

ツイッターでの現金プレゼント企画

株式会社ZOZOの元代表取締役である前澤友作氏が1月5日に実施した「総額一億円のお年玉」企画も話題を呼びました。ZOZOTOWN新春セールが史上最速で取扱高100億円を突破したことを記念し、自身のツイッターで「100名様に100万円【総額1億円のお年玉】を現金でプレゼントします」とツイート。応募方法は前澤氏のフォロー&リツイートするだけとあり、瞬く間に拡散され、約435万件のリツイートと約130万件のいいねがつき、リツイート数の世界記録350万件を大きく上回りました。

100名の当選者に100万円ずつプレゼントし、その送付連絡とともにZOZOTOWNのキャンペーンをツイートで告知して企業の宣伝にも貢献しました。賛否両論あるキャンペーンではありましたが、前澤さんとZOZOの認知拡大に寄与した販促施策だと言えます。

こうした個人からユーザーへのプレゼントキャンペーンは、ユーチューバーの認知拡大施策として以前から行われていましたが、企業の代表が行うのは非常に稀です。前澤氏が前例を作り、続々と同じようなキャンペーンを始める人が見られました。

こうした企業と個人のブランディングにつながる新たなSNSの活用にも注目です。