SDGsがマーケティングに及ぼす影響

消費者の間でもSDGsが評価対象になりつつあります。

ブランド・ジャパンのブランドランキングTOP100(2019年に発表)で、SDGsに関する項目が調査されました。

例えば、6位のトヨタ自動車は「環境に配慮している」、「社会への貢献度が高い」、「このブランドが行う企業活動に参加したい」の3項目で首位を獲得。

SDGsへの評価はブランドイメージ戦略に欠かせないものとなっています。

消費者が商品を選ぶ基準としても、影響は今後大きくなっていくでしょう。

ブランド・ジャパン 2019 ブランドランキング発表|CCL.|日経BPコンサルティング

SDGsに取り組む企業

ここからは、SDGsに取り組む企業を紹介していきます。

本田技研工業株式会社

2030年にありたい姿を「2030年ビジョン」として制定しました。

もちろん2030年というキーワードは、SDGsに合わせたものです。

2030年ビジョンの柱は「『移動』と『暮らし』の価値創造」「多様な社会・個人への対応」「クリーンで安全・安心な社会へ」の3点です。

自動車メーカーならではの取り組みとしては、「交通事故ゼロ社会」の実現を目指し、自動運転テクノロジーを開発・研究し続けています。

2020年に高速道路での自動運転を実現し、一般道にも広げていく予定です。

参考:
ホンダ「2030年ビジョン」とSDGsの達成に向けた取り組み事例

すべての人に、「生活の可能性が拡がる喜び」を提供する

味の素株式会社

味の素株式会社はSDGsと似たような取り組みとして、創業以来、ASV(Ajinomoto Group Shared Value)を制定してきました。

ASVとは、事業を通して社会課題の解決に取り組み、社会・地域と共有する価値を創造することで経済価値を向上し、成長につなげることを目指すものです。

食品メーカーならではの取り組みとしての一つに、「勝ち飯®」があげられます。

「勝ち飯®」とは、「何のために食べるか」を考えながらおいしく食べて、食生活を整える栄養プログラムのことです。

トップアスリートの支援(遠征や合宿などでの食事提供など)にも取り組んでおり、動画やレシピ集を通して一般消費者への啓蒙にもつなげています。

参考:
始まった食品事業者の取組:味の素株式会社:農林水産省

「勝ち飯®」レシピ|料理をするなら味の素パークの【レシピ大百科】

日清食品グループ

日清食品の中でも、代表的な商品が「カップヌードル」。

日清食品は2019年末以降、カップヌードルをはじめとする全ての縦型容器に、環境への負荷が少ない紙容器を使用していくことになりました。2021年度までに切り替えが完了する予定です。

冷凍食品のトレーをなくしたり、カップ麺の詰め替え用製品を発売することでも、包装量を減らしゴミをなくす努力をしています。

参考:トップメッセージ | サステナビリティ | 日清食品グループ

株式会社良品計画

良品計画は、慶應義塾大学SFC研究所xSDG・ラボとコラボレーションし「感じ良い社会の実現に向けたSDGsの戦略的実現モデルの創出」に取り組んでいます。

このプロジェクトはSDGsの17の目標をものさしに、現在できていること・いないことを整理するものです。

同社の製品開発は「本当に必要なものを、本当に必要なかたちでつくる」ことを基本としています。こうした生活者や生産者に配慮した商品・サービスは、消費者の間でも強い支持を得ていると言えるでしょう。

参考:
第四回:これからの社会はどうあるべきか | 「感じ良いくらし」の実現 | 株式会社良品計画

「感じ良いくらし」の実現 | 株式会社良品計画

株式会社ニトリ

株式会社ニトリは、圧縮できる布製品・家具の梱包サイズを小さくする取り組みをしています。

例えば、布団・マットレスなどは丸めて圧縮後に輸送しています。ニトリは一度に運べる商品の数を増やし、輸送回数を減らすことに成功。輸送費・コンテナ数を減らし、CO2削減に貢献しました。

このような圧縮した商品の1つが、2018年に発売された「持ち帰ってすぐ使えるマットレス」はその名の通り「持って帰られるサイズのマットレス」です。

圧縮され段ボールに入っているので、一人で持ち帰ることができ、その持ち運びやすさが反響を呼び、一人暮らしの若者などに購入されました。

参考:
環境保全活動|CSR情報|ニトリホールディングス

便利すぎて品薄必至!?ニトリ「持ち帰ってすぐ使えるマットレス」新生活の6大メリット