昨今のコロナ禍において、緊急事態宣言は解除されたものの、大都市圏を中心に今もなお、感染者の拡大が続いています。一般の消費者にとって「巣ごもり消費」「ソーシャルディスタンス」といった「新しい生活様式」はもはや常態化し、消費者が取る行動はコロナ禍以前と比較すると大きく変化していっていると言えるでしょう。

そこで記事では、企業のマーケターに向けて、withコロナ/afterコロナの時代において消費者に求められるサービスを「ニューノーマル(新しい日常)」という観点に着目してさまざまなデータから予測していきます。

withコロナ/afterコロナ ニューノーマルの「9大テーマ」とは?

市場調査・マーケティングリサーチを手掛ける株式会社インテージは、調査・分析・ワークショップを通し、withコロナ/afterコロナの世界において、生活者の意識・行動の中に新たに定着するNew Normal(ニューノーマル:新しい日常)の「9大テーマ」を導き出しました。

[図1]インテージ調べ ニューノーマルの9大テーマ
図表1_インテージ調べ.png
出典:withコロナ/afterコロナにおける New Normal 9大テーマとは?|インテージ調べ

中でも最も重要とされる「3大潮流」とは

予測されている「ニューノーマル9大テーマ」の中でも、「最も重要な3大潮流」として以下の3つが挙げられています。

1.予防・衛生意識の高まり
2.在宅時間の増加
3.節約意識の高まり

まず、「1.予防・衛生意識の高まり」は言わずもがな、感染者の増加から来る生活者の危機意識に基づくものです。

続いて、「2.在宅時間の増加」は、感染者が減らない、すると外出自粛生活が長く続く、という観点から導き出される要素です。

そして「3.節約意識の高まり」もまた、外出自粛生活が長期化し、在宅時間増加により食費、水道光熱費など生活の中で消費する家計の細目が「beforeコロナ」とは少し変化してきて、生活者の間で「節約意識の高まり」が芽生えている、という側面から考えることができます。

「ニューノーマル3大潮流」から導き出される消費者行動の予測

先述した「ニューノーマル 最も重要な3大潮流」から予測できる消費者行動は、次の通りです。

「ソーシャルディスタンス」を保った消費行動

「感染予防意識の高まり」「衛生意識の高まり」から考えると、マスクや消毒薬といった衛生用品の需要が高まることは言うまでもありません。それよりも「日常生活の中での行動」「消費行動」といった、より大きな枠で捉えると、「ソーシャルディスタンスを保つ」「プライベート空間を保つ」を追求する行動が続いていくと予測できます。

具体的には、移動手段の選択が公共交通機関の利用から、自家用車に移行するといったことが考えられ、クルマ関連のサービス拡充が求められる、などです。また、旅行に関してもソーシャルディスタンスを保って、より高度にプライベート化された空間で過ごすことが消費者に好まれるスタイルとなっていくでしょう。

「外出型消費」から「おうち消費」へ

「在宅時間の増加」から考えると、食、スポーツ、娯楽など、今までは「外出型消費」だったものが、在宅しながら楽しめる「おうち消費」へと移行していくことが予測できます。各種オンラインサービスや、食べ物の定期購入・サブスク・宅配がさらに加速していくと言えるでしょう。

フィンテックの活用

「節約志向の高まり」から考えると、フィンテック分野のサービス充実も消費者に求められていくでしょう。具体的には家計の節約を「見える化」できる家計簿アプリや、「節約(出費を減らす)」から「投資(お金を増やす)」に消費者の関心が移行することで、個人投資家が増えることも想定できるため株アプリなどにも関心が高まっていきそうです。