2020年は世界中の人にとって大変な年でした。新型コロナウイルス(COVID-19)が猛威をふるい、今もなお、厳しい感染症対策を強いられている国や人々も大勢います。

そこで厚生労働省は、新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」をリリースしました。当アプリはApp Store、Google Play等で誰でも無料でダウンロードできるようになっています。

本記事ではCOCOAでわかることや使い方について、詳しく見ていきましょう。

COCOA(新型コロナウイルス接触確認アプリ)とは

COCOAとは、自分が新型コロナウイルスの陽性者に接触したときに知らせてくれる厚生労働省管轄のスマホアプリです。「Contact Confirming Application」の頭文字を取って「COCOA」と名付けられています。

COCOAではスマホのBluetooth機能を利用しており、近くにいる人とデバイス間の信号を送りあっています。もし接触した人が新型コロナウイルスの陽性者だった場合には通知が送られてくる仕組みです。

なお、通信は暗号化されているため、個人を特定したり、どこで接触したかを知ったりすることはできないようになっています。

参考:新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) COVID-19 Contact-Confirming Application

COCOA(新型コロナウイルス接触確認アプリ)で分かること・できること

COCOAを利用して分かる・できることは3つです。それぞれ見ていきましょう。

新型コロナウイルスの陽性者との接触が素早く分かる

COCOAは新型コロナウイルス陽性者と接触したかどうかが素早くわかります。ここでいう「接触」の条件とは「1メートル以内の距離に15分以上いた」ことです。

その場では陽性者だとわからなくても、後から検査のうえで陽性者だとわかった場合、14日以内に接触があれば通知されます。つまり、14日間の接触データが残っているということです。

ただし「陽性者が今現在どこにいるか」「陽性者と接触した場所」「陽性者の氏名」などはわかりませんので、日々の感染症対策を怠ってはいけません。

陽性者と接触したら検査の受診案内が届く

もし陽性者と接触した旨の通知が届いた場合、PCR検査の受診案内が届きます。

具体的には、通知が届くと自分の現在の症状や周囲の方の症状を入力する画面に移動し、帰国者や外来との接触がないかを確認します。その後、保健所や医療機関の受診案内が届く仕組みです。

陽性者と気付かないうちに接触し、自分に症状がない場合でも次のステップを示してくれるため、より早く次の陽性者を発見できるのです。

自分の陽性情報の登録ができる

自分が新型コロナウイルスの陽性者だったと判明した場合、自分の陽性情報の登録ができるようになっています。(診断結果の登録・進行は自分で行う必要があります)

病院から発行されるパスコードを入力することで、自分と接触した人に通知が届きます。もちろん、接触者には自分の氏名や位置情報などはわからないようになっているので安心しましょう。

COCOA(新型コロナウイルス接触確認アプリ)の開発者

COCOAは厚生労働省管轄のスマホアプリですが、アプリの基盤は有志で集まったエンジニア集団「COVID-19 Radar Japan」が提供し、それを元に「パーソルホールディングス」の子会社である「パーソルプロセス&テクノロジー」が開発しています。

日本マイクロソフト所属の廣瀬一海さんが、シンガポール政府が感染追跡アプリをリリースしたことを受け「透明性が担保されたアプリを使ってもらえたら」という思いで、5人のコアメンバーを集めたことがきっかけでした。

まず、何より大切にしたことは「透明性」と「個人情報を一切取らない」の2つです。日本人はプライバシーを知られることへの抵抗感が強く、個人情報を提供するとなると、多くの人にインストールしてもらえません。だからこそGPSではなくBluetoothを利用した仕組みにしたんですね。

その結果、開発開始からわずか3ヶ月弱でリリースにいたりました。現在はオーストラリアなどがアプリ開発の参考にしているようで、接触確認アプリが世界に広まり、真価を発揮する日も近いかもしれません。

参考:コロナ「接触確認アプリ」開発者を直撃!個人情報の扱いは?効果は出る?