SEO対策を行う場合、ホームページの公開後に施すケースが多く見受けられます。
そのため、公開後、本格的にSEO対策を施そうとしたが、当初のホームページ設計時にSEO対策のことを考えていなかったために、大幅な改修を行うことになったという話も少なくありません。

今回は、ホームページ設計時にSEO対策を考慮したうえで考えておくべきディレクトリ構造と、ツリー構造について事例も交えてご紹介します。

なぜ、ディレクトリ構造を考えなくてはいけないのか

ディレクトリ構造を整えるメリットとして考えられることは、検索エンジンクローラービリティ向上です。
ディレクトリ構造を整えることにより、検索エンジンはホームページ内のコンテンツページ)を巡回しやすくなり、テーマ性やコンテンツ内容を正確に把握し、ホームページを適切に評価することができます。

また、ディレクトリ構造を整えることは、ホームページ運用やホームページ改修の実施が楽になるといったメリットも挙げられます。

そのため、コンテンツ事にディレクトリ構造は以下の図のように整理する必要があります。ホームページ設計時から、コンテンツ内容を踏まえてディレクトリ構造は考えましょう。

ディレクトリ構造

ちなみに、Googleの提供する検索エンジン最適化スターターガイドラインのサイト構造の改善(8~13ページ)に該当する部分となります

   

実は、とても重要なパンくずリスト

前述のようにディレクトリ構造を物理的に整える以外にも、パンくずリストを活用することでディレクトリ構造を論理的に整えることも出来ます。

理想は、前述と一緒に行うべきですが、設計時にディレクトリ構造を考慮しない設計をしていた場合や、改修に時間や費用を割けない場合は、それぞれのページパンくずリストを使った方法を実装しましょう。

例)トップ>カテゴリ>詳細ページA

  

ディレクトリ構造の改修事例

前述の方法で、ディレクトリ構造を大きく改修したことにより、SEOで大きく成功したと思われるサイトをご紹介します。

不動産サイトとして有名な株式会社ネクストが運営するHOME’Sは、2012年11月に大規模なリニューアルを実施いたしました。

HOME’S

(2020年8月13日時点でページが存在しないためリンクを削除しました)

SEO観点から見たHOME’Sのポイントは3点です。

・複数ドメインで運用していたサイトを一つに統合
・巨大な不動産サイトとなったディレクトリ構造を整備
・サイト内の隅々まで行渡るサイト内リンクの設置

具体的には、どのように変わったのかを下記に記載していきます。
  

世田谷区の新築マンション物件一覧

修正前

http://shinchiku.homes.co.jp/search/bukken/sk-3/pref-13/adgrp-7103/addr1-13112/

修正後

http://www.homes.co.jp/mansion/shinchiku/tokyo/setagaya-city/list/

以前のURLは/search/配下に単純にページcodeを羅列しただけのURLで生成されており、テーマ(地域)に分かれたディレクトリ構造ではありませんでした。
修正後になると、「マンション<新築<東京<世田谷区<一覧」のようにテーマでまとめられたURLに変わっています。

それに伴い、パンくずリンクも下記のように変更されています。

修正前

新築分譲マンション TOP>地域から探す>23区南部>世田谷区の新築分譲マンション 一覧

修正後

新築マンション>関東>東京都>東京23区>世田谷区>世田谷区の新築マンション 物件一覧

  
以前のパンくずでは、「東京」へのリンクがなく、「東京」のページ内部リンクが集まりづらい設置になっていましたが、現在はURL同様に上位階層にあるページリンクが設置されています。

さらに、単純なURL構造をピラミッド型にしただけでなく、今まで保有していなかった「東京23区」のページを作ることにより、「東京23区 新築マンション」のテーマ性を高めています。

※執筆時点2014/11/18では、「東京23区 新築マンション」で検索順位1位を獲得しています。

東京23区 新築マンション

また、HOME’Sのディレクトリ構造の特長として、複数に及ぶカテゴリ毎にそれぞれ都道府県、市区町村に一覧とTOPを用意しています。このページを設けることによって、膨大なページ数のあるホームページでもクローラービリティ損なうことなく、細分化されたテーマが認識されていると考えられます。

【TOPページのURL】 http://www.homes.co.jp/

【マンションTOPのURL】 http://www.homes.co.jp/mansion/

【新築マンションTOPのURL】 http://www.homes.co.jp/mansion/shinchiku/

【東京エリアTOPのURL】 http://www.homes.co.jp/mansion/shinchiku/tokyo/

【東京エリア一覧のURL】 http://www.homes.co.jp/mansion/shinchiku/tokyo/list/

【世田谷区TOPのURL】 http://www.homes.co.jp/mansion/shinchiku/tokyo/setagaya-city/

【世田谷区一覧のURL】 http://www.homes.co.jp/mansion/shinchiku/tokyo/setagaya-city/list/

その結果、リニューアル実施後のHOME’Sは「賃貸」「新築マンション」「一戸建て」など、いわゆるBIGキーワード1位、2位の上位を独占するという前代未聞の検索結果を実現しています。

HOME’Sの成功に続いてSUUMOもディレクトリ構造を修正

SUUMO

このHOME’Sのリニューアルを期に他の不動産関連のホームページも追随するようにディレクトリ構造の修正などを含めたリニューアルを実施しています。
例えば、株式会社リクルートが運営するSUUMOも昨年ディレクトリ構造の改修を実施しました。

世田谷区の新築マンション物件一覧のページ

Before

http://suumo.jp/mansion/tokyo/setagaya/__JJ_JJ010FJ001_arz1030z2bsz1010z2scz113112z2taz113.html

Affter

http://suumo.jp/ms/shinchiku/tokyo/sc_setagaya/

  
HOME’S程の大きな修正ではありませんが、新たに/shinchiku/という階層を追加したほか、長かったURLが短くまとまったURLに変わっています。

昨今では「地域×○○(不動産KW)」で検索すると、ほとんどのキーワードでHOME’SとSUUMOで上位が独占されています。

つまり、ディレクトリ構造を整理することで、サイト全体の評価が高まり、BIGキーワードだけでなく、数多に存在するロングテールキーワードの評価も高まり、広範囲な集客を実現していると考えられます。

まとめ

SEO対策では、ホームページ公開後も重要ですが、基盤として関わる設計段階から考えなければいけません。
特に、ディレクトリ構造については、改修する場合、ホームページの規模が大きければ、大きいほど改修の手間も比例して大きくなるため、ホームページ設計時の早い段階からの実装が重要と言えます。

万が一、ディレクトリ構造の改修が難しい場合でも、パンくずリストの最適化などは必ず実施しておくべき施策となります。
以下の3つのポイントを意識している構造になっているかを確認してみましょう。

ディレクトリ構造のポイント

①テーマでディレクトリをまとめる

②ユーザー導線を加味した構造を意識する

③階層構造は3~6階層以内を目途にする