ホームページやブランディング広告の制作に欠かせないイメージコピー。自社や商材の魅力は把握しているつもりでも、それらを短い言葉で表現しようとすると、意外に難しく感じるものです。

今回は、企業のスローガンや広告コピーをタイプ別にご紹介します(2016年8月現在では変更されているものも含む)。また、最近SNSで話題となったコピーについても取り上げています。認知されやすいフレーズにはどんなものがあるのか、コピーづくりの参考にチェックしてみてください。

##誰もがピンとくる有名コピーは、6種類に分類できる

1.イメージブランディングに特化したタイプ

比喩表現などを使って企業イメージを想起させるものです。たとえばオリンパスは、映像事業(=ココロに影響する)のほかに医療事業(=カラダに影響する)にも携わっており、自社の取り組みをシンプルな言葉の中に集約させています。

「ココロとカラダ、にんげんのぜんぶ」オリンパス
「お口の恋人」ロッテ
「やがて、いのちに変わるもの。」ミツカン
「ちょっと欲しいが、たくさんある」ユニクロ
「地球上で最大級の品ぞろえ」Amazon
「地図に残る仕事」大成建設

2.口ずさみたくなるリズミカルなタイプ

韻を踏んだり、社名と掛け合わせたり、サウンドロゴに乗せたりなど、リズムを重視するタイプも定番です。
言葉そのものも頭に入って来やすいですが、音と一緒に記憶されるため記憶に残りやすくなります。
また、小さい子どもにも意味がわかるような平易さも重要なポイントでしょう。

「インテル入ってる」intel
「あしたのもとAJINOMOTO」味の素
「うまい、やすい、はやい」吉野家
「すぐおいしい、すごくおいしい」日清食品(チキンラーメン)
「お、ねだん以上。」ニトリ
「あなたと、コンビに、ファミリーマート」ファミリーマート

3.メッセージ性の強いタイプ

格言めいたコピーでターゲットの共感を煽ります。
直感的に伝えるというよりは、聞く側の思考を促しているのがこのタイプです。

「お金で買えない価値がある」MasterCard
「NO MUSIC, NO LIFE.」タワーレコード
「試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。」ルミネ
「言えないことの方が多いから、人は書くのだと思う。」パイロットコーポレーション
「仕事を聞かれて、会社名で答えるような奴には、負けない。」リクルート(アルバイト情報誌ガテン)

4.意外性を重視するタイプ

あえて「まずい」「毒」など不穏なワードを使って興味を惹くものや、意外な視点に立ってサービスの魅力を訴求するものがあります。

「まずい!もう一杯!」キューサイ(青汁)
「日本人にもっと毒を。/いい毒は薬。宝島社の活字」宝島社
「想像力と数百円」新潮社(新潮文庫の100冊)
「家は路上に放置されている。」セコム

5.日本人でもわかりやすい英語を用いたタイプ

世界的な電機メーカーや自動車メーカーによく見られます。未来を描くような前向きなコピーにしたいなら、英語で作成するのもよいかもしれません。

「Changes for the Better」三菱電機
「Inspire the Next」日立製作所
「The Power of Dreams」本田技研工業
「SHIFT_the future」日産自動車
「Drive Your Dreams.」トヨタ自動車

6.ユーモアタイプ

思わず笑ってしまうものや、“うまい”と唸らせるものなど。JALのポスター広告のコピーは、“伝言板で、のぞみという人物にあてて書かかれたメッセージ”という設定ですが、競合他社を引き合いに出したような、ジョークの効いたコピーです。

「のぞみへ。先に、行ってるね。」JAL
「一目で義理とわかるチョコ」ユーラク(ブラックサンダーのバレンタインキャンペーン)
「私服をこやせ。」レナウン・エンスウィート
「胴上げして、全員骨折。」「牛乳に相談だ。」中央酪農会議