ベネフィットとは、「利益」「恩恵」「便益」などの意味で、マーケティングにおいては、「顧客が商品から得られる良い効果」のことをいいます。
人は、商品やサービスを購入する際、商品そのものではなく「その商品を使用することによってもたらされるもの」を購入しています。例えば、ドリルを購入する人は、ドリル本体ではなく、そのドリルで開けられる穴を購入しているといえます。

目次

  1. ベネフィットとは
  2. ベネフィットの種類
  3. ベネフィットとメリットの違い
  4. 用語例

ベネフィットとは

ベネフィットを見せることで、人の感情を刺激して購買意欲を向上させる目的があります。

例えば、車を購入する際に、「この車はとても広くて、人がたくさん乗れます。」と説明するよりも「そのたくさん乗れる車で家族で出かけたら、お子さんたちはのびのびと楽しそうに遊ばれるでしょう。」と伝えたほうが、より車を購入した際の良い効果を想像することができます。
類似品や競合品が多数ある昨今、他社との差別化をはかり自社製品を選んでもらうためにも、自社製品のベネフィットを正しく把握し、アピールしていくことが大切です。

ベネフィットの種類

ベネフィットには、大きく分けて2つの種類があります。

・ファンクショナル・ベネフィット(機能的)
その商品やサービスが持っている基本的な価値とそれに付随する機能、便利さ、効率さなど

・エモーショナル・ベネフィット(情緒的)
その商品やサービスの機能が満たしてくれる感情(名誉、優越感、幸福感、安心感、権力など)のこと

顧客は、自分の生活スタイルや価値観によって、どちらのベネフィットを重視させるかを決めています。
車購入の例でいうと、機能にこだわるのかデザインにこだわるのかによって、求めるものが変わってきます。
このように顧客は、「顧客自身の中にあるベネフィット」を購入しにきているので、顧客のベネフィットを考え、それをうまくアピールすることが、販売促進につながるでしょう。

ベネフィットとメリットの違い

ベネフィットと意味の近い言葉のひとつに「メリット」があります。メリットについても、「この商品のメリットを説明してください」といったように、ビジネスにおいて利用することの多い言葉でしょう。

この2つには以下のような違いがあります。

メリット:商品やサービスの利点・特長
ベネッフィット:その商品の利点によって受けられる体験

メリットを伝えることもベネフィットを伝えることも重要なことです。しかし、最初に説明したように、ユーザーにとっては商品メリットそのものよりも、それを利用することでどのような良い影響を受けられるのかが重要です。メリットだけではなく、ベネフィットをどのように伝えるのかをしっかりと考えなければなりません。

用語例

「この商品のベネフィットをどう伝えるか?」
「私共のベネフィットとしてはどのようなものがあるか?」