この記事は、2017年3月3日の記事を再編集しています。

高齢者や視力の低い方にとっては、ホームページに書かれている文字を読むだけでも一苦労です。文字だけではなく、音声で内容を伝えることができれば、そのような方たちにも快適にホームページを利用してもらえます。

しかし、ホームページに書かれている内容を全て読み上げて録音するのは時間と労力を使うため、あまり現実的ではないでしょう。

そんな時に便利なのが、地方自治体や官庁のホームページなどでも用いられている音声読み上げソフトです。

今回は音声読み上げソフトの利用事例と、気軽に試せるフリーソフトを紹介します。

音声読み上げソフトでは、テキストを人間の話し方に近い形で読み上げることができます。実際にどのような場面で使用されているかを学びながら、音声読み上げソフトを利用する前に知っておきたい情報を把握しておきましょう。
  

音声読み上げソフトで何ができるのか

音声読み上げソフトは、テキストを読み込んで1文字ごとに音声変換を行うソフトです。そのため、ソフトによっては「¥」「◯」のようなテキスト情報として読み込めない記号を読み上げられないこともあるので注意しましょう。

また、全角数字で「5,000円」と入力した場合、「ゴゼロゼロゼロエン」と読んでしまう可能性もあります。「5,000」のように半角数字を用いることで解消できる場合があります。

音声読み上げソフトは、完全に肉声を再現したり、抑揚を再現するには至っていません。文章の違和感や読み間違えがある場合があることを意識しておきましょう。

参考
音声読み上げに配慮したテキスト表記|総務省
  

音声読み上げソフトが必要な理由

音声読み上げソフトはなぜ必要なのでしょうか?

音声読み上げソフトを導入することで、高齢者や視力の低い方など、文字を読むことが大変な方にも快適に利用してもらえるようになります。また、何か作業をしている間にニュースを聞きたい方向けに、記事を提供するという利用方法もあります。

このように、文字を音声に変えることで、より多くの人にとって利便性の高いサイトになるのです。
  

音声読み上げソフトを用いた事例

では、実際にどのような場面で音声読み上げソフトは用いられているのでしょうか。

ここでは、3つの利用シチュエーションをご紹介します。
  

ホームページに組み込んでいるもの

ホームページの利用者に向けて、自動で音声を読み上げることができるように設定しているものです。主に行政や官庁のような社会インフラに関わる組織のホームページに採用されています。
  

総務省

https://ferret.akamaized.net/images/58b6d1567f58a826d3000261/original.png?1488376148
http://www.soumu.go.jp/

総務省のホームページでは、ページ上部にある「アクセシビリティ支援ツール」の1つとして音声読み上げ機能を搭載しています。ホームページ内のコンテンツにマウスをかざすと文章を読み上げてくれるので、文字が読みづらい人にとって重宝するでしょう。
  

サービスに組み込んでいるもの

大量に文章を扱っているサービスの中には、音声読み上げソフトを用いているものがあります。
  

アルキキ

https://ferret.akamaized.net/images/58b6d1547f58a826da000247/original.png?1488376145
http://www.asahi.com/shimbun/medialab/arukiki/

朝日新聞が提供している新聞記事の読み上げアプリです。スマートフォンを利用して、ほかに作業をしながら新聞記事の内容を聞くことができます。

通勤電車を利用しているユーザーなどであれば「読む」よりも「聞く」ほうが利用しやすいこともあります。自社のコンテンツのターゲットに合わせて利用してみるのも手段でしょう。
  

動画に利用しているもの

音声読み上げソフトによって合成された声は、動画のナレーションに用いられています。
  

モヤモヤさまぁ~ず2

https://ferret.akamaized.net/images/58b6d152fafbd86671000250/original.png?1488376145
https://voicetext.jp/show/

テレビ東京で2007年から放映されている「モヤモヤさまぁ~ず2」というバラエティ番組では、「ショウ君」というメインのナレーターとして音声読み上げソフトが用いられています。導入したきっかけについて、番組プロデューサーの小高氏は以下のように答えています。

一番最初に放映された“モヤさま”の正月特番が2007年の1月3日にありました。

映像の収録を年末の12月27日から28日頃に行って、その後MAといってナレーション入れたり音を入れたりする作業があるのですが、2007年の元日にMAの作業をするという強行スケジュールになってしまいました。
元日から仕事に呼びつけてはタレントさんやナレーターさんに申し訳ない、「元日からMAとか、空気読んでないよな」とか、「いくらテレビだからって、元日から仕事なんてイヤな事はイヤだよな」という事で、誰だったら文句言わないかなと考えた結果、機械の音声はどうだろうって話がでました。

引用:ショウ君コーナー | HOYA音声合成ソフトウェア VoiceText

このように音声読み上げソフトを利用すればナレーターを手配することなく、短期間で音声を用意できます。
  

無料で使える音声読み上げソフト5選

テキストの音声読み上げソフトの中でもフリーソフトを紹介します。

「まずは音声がどのように作られるのかを確かめたい」「作成した音声を動画作成に利用してみたい」という方はチェックしてみましょう。
  

1. Open JTalk

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http://open-jtalk.sourceforge.net/

Open JTalkは、名古屋工業大学を中心に開発されたオープンソースのソフトウェアです。フリーソフトですが商用利用もできます。

利用にあたっては音声の合成を担う「HTS」というソフトと元となる言葉の辞書として機能する「Dictionary for Open JTalk」というライブラリをインストールする必要があります。ソースコードが公開されているため、プログラミング言語を利用して細かいカスタマイズを行えます。
  

2. テキストーク

スクリーンショット_2017-03-01_18.16.20.png
http://choppli.123net.jp/textalk/

テキストトークは音声読み上げができるフリーソフトです。テキストの内容を読み上げるだけではなく、読み仮名辞書機能を使って特定の言葉の読み方を記憶させておくことが可能です。

現在(2018年1月18日再編集時点)では、利用の制限はありません。WAV形式とMP3形式で保存もできるので、動画の作成時にも役に立つでしょう。
  

3. テキスト→音声 変換

スクリーンショット_2017-03-01_18.21.19.png
https://note.cman.jp/other/voice

「Open Jtalk」をもとに作成されたソフトで、ブラウザ上で操作できるのが特徴です。男性声や女性声、速度など基本的な項目を選択でき、生成した音声はWAV形式とMP3形式で保存もできます。

商用でも利用できますが、作成できる音声は200文字までに限られるので短文の作成に向いています。
  

4. SoftTalk

スクリーンショット_2017-03-01_18.27.04.png
https://www35.atwiki.jp/softalk/

SoftTalkは、音質や速度のような基本設定だけではなく、読み飛ばしや抑揚の設定も行える音声読み上げソフトです。非営利かつ個人で利用する分には問題なく利用できますが、企業が利用する場合や商用で利用する場合は有料となり、5,800円(税抜)のライセンス購入が必要です。

参考:
使用ライセンス|AQUEST
  

まとめ

音声読み上げソフトは、膨大なテキストを読む必要があるホームページやサービスに組み込んだり、動画のナレーションとして用いられています。

音声読み上げソフトは基本的にテキストを元に音声を合成するので、記号や数値といった情報は思いどおりに読み上げられない場合もあるので、導入にあたって注意が必要です。ホームページ等で利用しているテキストの性質を確認した上で検討してみましょう。

上記で紹介したように、Web上では音声読み上げが行えるフリーソフトが配信されています。ただし、商用利用の際にはライセンス契約が必要になるソフトもあるため、事前に確認してみてください。

大量の文章を読むのに便利な音声読み上げソフトですが、一方では独自の抑揚はつけにくいという特徴もあります。

「モヤモヤさまぁ~ず2」のナレーションのように、それがある種の個性になる場合もありますが、サービス紹介動画のような表現で魅力を出す必要があるものに関してはできる限り人間の声で収録するようにしましょう。