スマートフォンが世の中に登場して10年以上が経ちました。今や電車に乗れば誰もが手にスマートフォンを持ち、自分の世界に没頭しているという情景を毎日目にしています。

  • 誰かとメッセージのやりとりをする
  • SNSを見る
  • 動画を見る
  • ゲームをする
  • ショッピングをする

このように、いつの間にか欠かせない存在となったスマートフォンですが、いったいいつから私たちの相棒となり、手放せない存在になったのでしょうか。今回は、スマートフォンがどのように人々の手に渡り愛されるようになったのかについて、様々な出来事やきっかけから紐解いていきます。

2007年6月29日、iPhoneの発売でスマホの歴史が始まった

2007年6月29日にiPhoneが発売される前は、日本ではガラケーと呼ばれるフィーチャーフォンを、海外では小型キーボード付きのブラックベリーを使う人が多くいました。フィーチャーフォンは電話とメール、そしてインターネットが使えてとても便利でしたが、*iPhoneの登場によってスマートフォンの歴史がスタート。*画面を指で操作するタッチスクリーンという、革新的な手のひらサイズの携帯電話は世界に驚きを与えました。

参考:
iPhone登場から10年、アップル関係者が語る誕生秘話|Cnn

スマホ利用率はパソコンを超える

日本では2010年ごろから徐々にスマートフォンの利用者が増えていき、*2020年1月の調査によると携帯電話所持者のうちスマホ利用率は88.9%*となりました。
年代別では、10代は99.7%と高く、高齢になるにつれフィーチャーフォン利用者が多いことがわかります。

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引用:【スマホ比率・端末所有】スマホ比率88.9%に:40代以下は9割以上がスマホ所有|NTTドコモ モバイル社会研究所

フィーチャーフォンが多い70代でも、68.0%がスマートフォンを使用しています。

スマホに欠かせないメッセージアプリ「LINE」が広まった東日本大震災

先ほど紹介したように、スマートフォンの需要が伸びているのは2011年。その年日本は、東日本大震災に見舞われました。電話が通じない、メールを送っても相手が読んでいるかわからないという不安を日本中の人が抱えた経験から、2011年6月23日にリリースされたメッセージアプリの「LINE」が人気に。

相手が返事をしなくても「既読」がつくという、それまでにない新しいサービスが話題になりました。既読が付くことによって、返事が返せない状態でも安否確認ができるようになったのです。LINEは、リリースから半年で1000万ダウンロードと大ヒット。本来LINEのリリースはもう少し先の予定でしたが、災害によるニーズの高まりを感じて前倒しとなり、それが多くの人の助けとなった形です。

参照:
どのようにしてLINEは生まれたのか――世界規模で広がる日本発アプリを生み出したチーム|サイボウズ式

位置情報を利用してのスマホアプリが人気

ガラケーでもゲームをすることができましたが、スマートフォンならではのゲームとして位置情報を利用してのアプリが話題となりました。令和元年にリリースされた「ドラゴンクエストウォーク」や、日本のみならず世界中の多くの人に愛されている「ポケモンGO」など、歩くことでレベルアップしたり仲間を見つけたりといった新しい遊びが流行したのも、スマホの機能ならではです。

それと同時に「歩きスマホ」という言葉も広まるように。通話やメッセージだけでなく、ゲームなど多くのことができるスマートフォンだからこそつい歩きながら操作してしまい、事故の原因になっています。

手軽に動画視聴!スマホでテレビを見る時代

スマートフォンは高画質・高音質で動画を見ることができます。利用できる動画配信サービスは数多くあり、基本的に無料で楽しめる

  • YouTube
  • ニコニコ動画

といったものだけでなく、有料動画配信サービスも多くの企業が参入。

  • Netflix
  • Hulu
  • Amazonプライム
  • U-next

このように、無料・有料問わず多くの動画をスマートフォンで見ることができます。
また、テレビ局も見逃し配信に本腰を入れて「TVer」という各局の番組が無料で見られるサービスを開始。

テレビだけでなく、日本全国のラジオ番組のライブ配信・聞き逃し配信をしている「radiko」など、テレビ局やラジオ局が積極的にスマートフォンアプリをリリースしていて、両者の垣根がなくなっていることがわかります。

スマートフォンが手放せない現代人

2019年12月に2,712人を対象に1日の利用時間を調査したところ、若い世代を中心に1日5時間以上スマートフォンを触るとの回答が寄せられました。

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引用:2019年版:スマートフォン利用者実態調査|MMD研究所

10代女性に至っては、11.3%の人が1日10時間スマートフォンを利用するとのこと。ここまでスマートフォンが生活に欠かせないと紹介してきましたが、その反面*「スマホ依存」になっていないか不安*だという方も多いでしょう。スマホ依存になることにより、健康被害を及ぼす可能性もあります。

スマートフォンがないと生きていけない人にこそ「デジタルデトックス」がおすすめです。
デトックスとは体にたまった毒素を排出することですが、それをデジタルに置き換えてください。スマートフォン漬けの毎日から抜け出すため、あえて距離をおくことでデトックスさせる行動をしてみましょう。

参照:
あえての「スマホ断ち」が効く!デジタルデトックスのススメ|nuroモバイル

商品購入は対面にこだわらずECを利用

これまでショッピングといえば、お店に買いに行くかテレビ通販などが主流でした。
しかし、スマートフォンの普及により世代を問わずECの利用者が多いという結果があります。また、2020年に入って新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、外出自粛と共にオンラインでの買い物が推奨されることでさらに利用者が増えました。

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引用:「Withコロナ時代」へ突入。外出自粛による若者のオンラインショップ利用は約5人に1人が「おうちカフェグッズ」を購入 | Press News

*55.0%と過半数の人が、ECでの買い物が増えたと回答。*これまで以上に、より身近になっていくと言えるでしょう。

参考:[平成27年版情報通信白書 特集テーマ 「ICTの過去・現在・未来」|総務省](https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc122400.html)

新型コロナウィルス対策でオンラインでの交流が増える

新型コロナウィルス感染拡大防止のため、外食など多くのことが自粛となった2020年。ここで流行したのが*「オンライン飲み会」*でした。オンライン飲み会とは、自宅に居ながらにして複数の人と会話を楽しむことができるスタイルのこと。飲み会だけでなく会議や営業も自宅で行えるため、会社へ足を運ばなくても仕事ができると話題になりました。

これまでパソコンがなかったら出来なかったオンラインのやりとりも、スマートフォンさえあれば簡単に参加できます。すでにスマートフォンにダウンロードしている人が多いLINEや、オンライン飲み会の代名詞となったZoomなど、スマートフォンでも手軽に利用できるため一気に世間に広まったといえるでしょう。スマートフォンは、自宅に居ながらにして仲間と交流したり仕事を進めたりできるアイテムとして、さらに生活に欠かせないものとなりました。

参考:
【アンケート】オンライン飲み会、あなたはもうやりましたか?

誕生から13年。人々の生活の手離せない存在に

スマートフォンが誕生した2007年から13年経ち、世界中の人にとって手離せない存在となりました。人との交流や企業と消費者の関係といった、それまで当たり前だった「対面する」という行動だけでなく、オンライン上での大きな広がりをもたらしてくれます。

多くの人が抱えていた悩みを解決してくれ、孤独を埋めてくれる便利なアイテムである一方、スマホ依存となって健康を害しては意味がありません。上手な付き合い方をして、より便利により楽しくスマートフォンと付き合っていきましょう。