AI時代に、「AIにはできないデザイン」を

emition.jpeg

デザインのアーティスティックな側面に加えて、デザイナーがもう一つフォーカスを当てるべきなのは、*「感情のデザイン」*です。
AI時代によりよいデザインをするなら、ユーザー心理を今までより一層深く理解するために、人の心理というものがどのように機能するかをより体系的に理解するべきでしょう。

ニューヨークに拠点を構える有名なデジタルエージェンシーHugeUXディレクターであるシェリーン・カジム氏は、デザイナーは一般的に強い感情にフォーカスしてデザインを考える傾向にあるが、リアルな感情はもっと複雑なので、デザインするときにはもっと繊細な感情を取り込み、豊かな体験をもたらすべきだと言っています。

チャットボットや会話型AIによる「会話インターフェイス」の普及で、ボットが日常化すれば、ホームページなどをデザインする必要すらなくなるかもしれません。
「会話インタフェース」を使う敷居はとても低いので、ますます多くのユーザーに浸透するのは、時間の問題です。
しかし、こうした*「会話自体のデザイン」*を行っていくのも、人間の仕事です。
この場合、こう返答したらユーザーはこう思う、といった繊細な感情にまでフォーカスしていかなければならないので、必ず人間の力が必要になってきます。

まとめ

AIによってさまざまなデザインが自動的に作成できるようになったので、確かに私たちの生活は便利になった反面、デザイナーには苦しく思う部分もあるでしょう。
確かに、既存の領域にこだわって変化を拒んでいては淘汰されてしまうかもしれません。
しかし、変化を受け入れ、適応し、AIを活用し、人間にしかできないことにデザインの矛先を向けていくことで、逆に、さらに付加価値が高まることでしょう。