以前、「2017年上半期に取り入れたい5つのWebデザイントレンド」でもご紹介させていただいたように、「ブルータリズム」と呼ばれるWebデザインのトレンドが注目を集めています。

ブルータリズム(Brutalism)とは、もともと1950年代から見られるようになった建築の形式で、荒々しさを残した打放しコンクリートなどを用いた表現を特徴としています。
「Brutal」とは冷酷で厳しい野生のさまを意味する形容詞で、「生身」(raw)を意味するフランス語に由来しています。

私たちが普段よく見るような、なめらかで繊細なデザインを使ったモダンなホームページとは対照的に、非常に大胆で野生的な印象を持ちます。
また、Webサイトによっては、奇抜でありながらも、1990年代中頃を想起させるようなラフなデザインを採用している場合もあります。

しかし、ブルータルなデザインというのに決まった形式はなく、あくまでも全体的な方向性にしかすぎません。
今回は、「ブルータル」なWebデザインを取り入れたホームページをご紹介します。
実際に実例を見ながら、奇抜で斬新な「ブルータリズム」を体感していきましょう。

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ブルータリズムとはどのようなものか?

ブルータリズムは、もともと露出したコンクリートを特徴に持つ、1950年代から90年代に見られるような建築様式を指して使われる言葉でした。

Wasington Post によれば、いわゆる「Webブルータリズム」なる考え方が広まったのは、スイス・チューリッヒ在住のクリエイティブディレクターPascal Deville氏が始めた原点回帰的なホームページを集めたBrutalist Websitesが始まりだと言います。
ブルータリズムは、こんにちの心地のよいホームページとは対照的に、とにかく荒々しく主張の強いのが特徴です。
それはまるで、20年前のYahoo!ジオシティーズが流行していたときのような、「とにかく作ってみる」という作風を思い出させます。

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http://abehiroshi.la.coocan.jp/
▲ 俳優・阿部寛さんのホームページは、20年前の「ジオシティーズ」時代を思い出させてくれるホームページとして現在もよく取り上げられています。

ブルータルなホームページは、とにかく表現方法が自由なので、「Webブルータリズム」を明確に定義することはできません。
時には絵文字を並べてみたり、現在では廃止されているBlinkタグを使って見たり、デザイン的にはタブーとされている表現をあえて使ってみたりと、かなり実験的な表現方法が採用されています。