サービスロボットが活躍する分野

経済産業省は、ロボットによる新たな産業革命を実現する上で、下記の5分野を重視しています。

・ものづくり分野
・サービス分野
・介護・医療分野
・インフラ・災害対応・建設分野
・農林水産業・食品産業分野

参考:
2015年1月ロボット新戦略|ロボット革命実現会議(経済産業省)

この中でも、特にサービスロボットが活躍している「サービス分野」をみていきます。

コミュニケーションロボット

サービス分野で活躍するロボットは、「コミュニケーションロボット」と呼ばれています。言葉や体で人とコミュニケーションをとります。中には、人の言葉や表情を読み取る機能を備えたロボットもあります。

コミュニケーションロボットの事例

世界で初めて人の感情を認識し、自らも独自の感情機能を搭載するロボットとして発明されたのが、Pepperです。ソフトバンクモバイルが2014年に発表し、一躍話題となりました。

参考:
ソフトバンク、家庭向けの人型ロボット「Pepper」を2015年2月に発売|日経BP社

その後、米IBMやマイクロソフト、本田技研工業株式会社(ホンダ)などと提携し更なる開発を重ねています。今では、日常のあらゆる場面で活用されるようになりました。

家庭での活用

Pepperは一般家庭向けにも販売されています。家庭では家族一人ひとりの顔と名前を認識し、挨拶や会話も楽しめます。本体料金に加え、月額利用料がかかります。

300種類以上のアプリケーションが用意されており、家庭でのニーズに合わせ自由にダウンロードして使用できます。天気予報やニュース、ゲームやクイズなど、機能は様々です。クラウドを利用して自動で機能の追加・改善も行っています。

会社での活用

株式会社みずほ銀行

みずほ銀行は、2015年から一部の店舗でPepperを導入しています。受付を待つ間、受付カードの番号でおみくじのゲームができる、何度か質問に答えると最適な保険を紹介してくれるといったアプリケーションを独自で開発しています。

今後は、来店した外国人客への多言語対応や、豊富な知識が必要な金融商品への質疑応答などへの活用を検討しています。

参考:
株式会社みずほ銀行様導入事例|ソフトバンクロボティクス株式会社

株式会社シーライン東京

東京湾クルージングを運営するシーライン東京では、待合室にPepperを設置しています。乗船までの流れを案内することで初めての乗客の不安を取り除き、待ち時間で利用できる記念撮影やドリンクバーへ誘導します。

これまでは待合室での案内はスタッフが行っていたのですが、出航時刻が近づくと忙しくなり、十分な案内が難しくなっていました。Pepperに任せることで、スタッフの負担軽減にもつながっています。

参考:
株式会社シーライン東京様導入事例|ソフトバンクロボティクス株式会社