自社商品の売上に直結!「販路開拓」の基礎知識と5つの手法を解説
自社商品の販売先を見つける「販路開拓」は、メーカーにとって大切な業務の1つです。「販路」と「開拓」という言葉から、「新たな販売先を見つける業務」という認識はあるものの、具体的にどういった販売先を開拓すれば良いのかわからないという方もいるのではないでしょうか。
実は、販売先によって商品の相性や顧客のニーズが異なるため、単に販売先を増やせばいいものではありません。販売チャネルも実店舗やネットショップがあり、それぞれ事業者ごとに販売の特徴も異なります。そのため、戦略的に販路開拓を行うことが売上を向上させるカギになるでしょう。
今回は、販路開拓に関する基礎知識から、具体的な手法とポイントについても解説します。販路開拓業務に課題を感じている担当者は、ぜひ参考にしてみてください。
販路開拓とは
「販路開拓」とは、商品の新しい販売先「販路(販売ルート)」を見つける業務のことを指します。販路は小売店からネットショップ、卸売業者、運送業者などに自社の商品ジャンルに合わせて選定します。販路は「販売チャネル(小売店やネットショップ)」「流通チャネル(卸売業、運送業)」のどちらも含めて開拓を行うのが一般的です。
「販売できる場所」が増加するほど売上に貢献することから、商品リリース時だけでなく継続的に業務を行うことが大切です。既存取引のみでは限られた範囲内での売上しか作れないためです。特に、新商品発売や事業立ち上げ当初は販路が無いため、効率的な販路開拓に重点を置いて取り組みましょう。
新規の販路開拓もしくは、既存とは異なるチャネルで販売したい場合、どのように販路開拓をすれば良いのでしょうか。次に、販路開拓の基本的な手法をご紹介します。
販路開拓の基本的な手法5選
販路開拓を行うにあたり、基本的な手法が以下の5つです。いままで利用したことが無い手法があれば、ぜひ参考にしてみてください。
1.直接アポイントによる営業
新商品や新規事業立ち上げ時のような、販路ゼロの状態からスタートする場合に用いられることの多い手法が、販売先への直接アポイント営業です。基本的に、販売先にテレアポやメール、ダイレクトメールを通じて営業を行います。
販売先に自社商品のニーズがあれば新たな販路として開拓できる他、既存取引先と異なる分野の販売チャネルに卸したい場合にも活用できるでしょう。一方で、相手先と面識がない状態での営業となるため開拓のハードルが高いというデメリットもあります。
面識が無い相手への営業を行う場合、BANT条件のヒアリングを行ってみましょう。BANT条件とは、「Budget(予算)」「Authority(決裁権)」「Needs(必要性)」「Timeframe(導入時期)」のことを指し、販売先が自社商品を取り扱えるかどうかの判断基準にできます。
参考:
商談の確度を上げたいなら絶対に意識したい!テレアポで実践するべきフレームワーク「BANT」とは?|ferret [フェレット]
2.展示会や見本市への出展
販路開拓の手段として展示会や見本市への出展も効果的です。展示会や見本市は、メーカーや製造業者が集まり、新商品や定番商品など「売りたい商品」を展示やデモンストレーションを行うイベントです。
各販売チャネルのバイヤーが仕入れを行うために訪れるため、商談が前提になっています。そのため、面識の無い企業同士が販路開拓を行う手段として活用されています。
展示会は「商談」が前提になるため、直接アポイント営業と比べて販路開拓へのハードルは低いですが、競合他社が多く存在する点がデメリットです。出展企業が一斉に集まり、分野別にブースが設けられているため、自社の優位性をアピールできる展示を心がけましょう。
参考:
ネットショップで販売する商品を見つける見本市まとめ|ferret [フェレット]
3.行政サービスの販路開拓支援を活用
東京都産業労働局などの行政サービスでは、中小企業向けの販路開拓支援をおこなっています。営業や製品開発の経験者が「ビジネスナビゲータ」となり、中小企業の製品を商社などに紹介を行ったり、売るためのノウハウの提供などを行っています。
また、展示会への出展資金を支援する助成金制度などもあるため、積極的に利用してみましょう。
参考:
中小企業の販路開拓を応援します!|中小企業支援|東京都産業労働局
4.既存取引先からの紹介
営業活動や展示会を通して一定の販路を確保しているのであれば、既存の取引先からの新規の販路を紹介してもらうのも手段と言えるでしょう。もちろん既存の取引先が紹介を行えることが前提となりますが、既存の取引の延長として取り組みできるのが特徴です。
一方で、取引先からの紹介を受ける場合は、その企業に関連する“同じ分野”の販売チャネルとなるため、様々な分野での開拓を目指す場合には不向きと言えます。あくまで、母数を増やしたい場合の手段として活用してみましょう。
5.ネットショップを活用する
実店舗と比べ、ネットショップは効率的に販路を拡大できる手段として活用できます。自社運営のネットショップも1つの販路になります。
また、Amazonや楽天市場などモール型ネットショップへの出店も検討してみましょう。会員登録者数が多いサービスなので、簡単に集客できるというメリットがあります。とはいえ、モール型ネットショップは複数の企業が利用しているため、展示会と同様に競合が多いことを踏まえて利用してみましょう。
モール型VS独自ネットショップのメリットとデメリットについて|ferret [フェレット]
- BANT条件
- BANT条件とは、主に法人営業で利用される、営業案件を分析し、どれだけ利益が見込めるかを判断し、セグメントする条件のことを言います。
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