昨今、ChatGPTのリリースをきっかけにマーケティング領域でも生成系AIの活用が広まっています。セールスレターなどのコピーライティングにも、AIは活用していけるのでしょうか。

これまで数々のセールスコピーを手掛けられた、株式会社グローアップマーケティング代表取締役 谷本理恵子氏に、売れるコピーを書くためのポイントや、セールスライティングでAIを活用できる場面について伺いました。

プロフィール

谷本 理恵子 氏
株式会社グローアップマーケティング代表取締役
4社6年にわたりネット通販の運営責任者を経験した後、ダイレクト出版認定セールスライターとなったことを機に独立。現在は、セミナーや講演、講座などを通して、女性特有の購買心理を活用した効果的な文章やデザインの見せ方を伝えている。主な著書に『ネットで「女性」に売る』『プリンセス・マーケティング』がある。

目次

  1. 売れるコピーを書くための鉄則=まずは顧客を理解しよう
  2. ChatGPT(生成系AI)がセールスライティングでできること、できないこと
  3. セールスコピーライティングに必要なスキルの鍛え方

売れるコピーを書くための鉄則=まずは顧客を理解しよう

ferret:
生成系AIの活用が広まる中、「コピーライティングもAIに任せられるのではないか」という意見も見聞きします。
そもそも、売れるコピーを作るためにはどのようなポイントがあるでしょうか。

谷本:
大前提として顧客に対する理解が必要です。しかし最近では、「ペルソナ」や「カスタマージャーニー」といった考え方が一般的になりすぎた結果、かえって顧客に対する理解が浅い状態でコピーを書こうとするケースが多くみられます。

ペルソナやカスタマージャーニーという言葉を聞きかじっただけだと、「買い手にとって都合のいい顧客像」を考えてしまい、「本当の顧客」の心に響くコピーは書けません。また、ABテストをしようにも、顧客の心理がわからないままでは今ひとつな案しか出せず、どれも当たらない可能性があります。

顧客に対する理解が浅い状態で作ったコピーの特徴
・顧客が使う言葉に翻訳できていないため、一方的に売り込む文言になっている
・他と比較して優れている点、安さの訴求に終始している
・顧客の今の状況がどうよく変わるのかが伝わらない
・結局、顧客にとって何がいいのかが伝わらない

「顧客のことがわかっている」と「わかっているつもり」の違い

谷本:
例えば「20代の女性で、何の職業に就いていて、年収がいくらで…」などと、顧客を外側から観察しているだけでは不十分です。そうではなく、「相手の目線でどのように世界が見えているか」を語れるくらいに内面を理解できているかが重要なのです。

例えば、商品購入前の顧客が困っている場面について5W1Hで詳細に答えられるかは、本質的に理解できているかどうかを判断する基準のひとつです。

顧客が困っている場面の5W1Hの例

(ダイエット商品の場合)
ひと目見て、かわいい!とテンション上がって試着しようとしたワンピースの、ファスナーが上がらない

(化粧品の場合)
地下鉄の窓にうつった疲れたおばさんを見て、え、私こんな顔しているの?とギョッとした

また、商品に出会う以前にどういう経緯があったかを知ることも大切です。例えば、あるダイエット商品を購入している人は、過去に他のダイエット商品を試したり、YouTubeで動画を見て運動してみたりした結果、その商品にたどり着いたかもしれません。

今までの方法ではうまくいかなかった、他の商品ではこういうところが自分に合わなかったので、今度こそはと思っている

といった事情を知っていれば、何をどのように伝えるべきかも必然的に変わってきます。

顧客へのヒアリングをコピーに反映する方法

ferret:
では、そうした顧客の心理を理解するには、何から始めていくべきでしょうか。

1.まずはレビューや顧客の声を読み込む

谷本:
まずWeb上に投稿されたレビューや、顧客の声が書かれた葉書などを読み込むのがおすすめです。

顧客の声を集めている企業でも、読まずに放置してしまっているケースがよくあります。実はそこにこそヒン













 【コピー学習帳】コピーライティングについて解説し、実務に活かせるヒントをお届けします

ban記事中_記事制作.png