• メディア総接触時間は443.5分。「携帯電話/スマートフォン」のシェアは34.2%と初の1/3超でモバイルシフト継続
  • テレビスクリーンのネット化は加速し、テレビのインターネット接続は54.9%、ストリーミングデバイス所有は33.7%
  • 生活者が捉えるテレビ視聴のあり方は大きく変化し、「見逃し視聴サービスによるテレビ番組視聴」は26.2%と急伸

株式会社博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所(本社:東京都港区、所長:島野真)は、生活者のメディア接触の現状を捉える「メディア定点調査」を2006年から毎年1月末~2月頭にかけて実施しています。メディア接触時間や生活者のメディア意識など時系列分析から見えてきたメディア環境の変化をご報告します。

①メディア総接触時間は443.5分。「携帯電話/スマートフォン」のシェアは34.2%と初の1/3超でモバイルシフト継続
メディア総接触時間は443.5分(1日あたり/週平均)。昨年から2.0分減と2年連続減少したが、コロナ禍で急増した2021年からは高止まりで推移している。「携帯電話/スマートフォン」(151.6分 昨年から4.7分増)は、昨年初めて「テレビ」(135.4分 同8.2分減)を上回ったが、今年はその差(2022年:3.3分→2023年:16.2分)を広げた。「ラジオ」(28.0分 同4.7分増)は一昨年並みに回復し、「新聞」は微増(13.8分 同1.1分増)、それ以外のメディアは微減した。メディア総接触時間における「携帯電話/スマートフォン」 のシェア(34.2%)は初めて全体の1/3を超え、モバイルシフトは依然として継続している。
 
②テレビスクリーンのネット化は加速し、テレビのインターネット接続は54.9%、ストリーミングデバイス所有は33.7%
テレビのインターネット接続は54.9% (昨年から3.5ポイント増)、テレビスクリーンで動画視聴するストリーミングデバイスの所有は33.7%(同9.3ポイント増)と、テレビスクリーンのネット化は加速。一方でハードディスクレコーダーの所有は2016年から10.4ポイント減少して71.0%だった。コロナ禍で伸長した民放公式テレビポータルTVerの利用は更に伸びて4割(39.5% 同7.5ポイント増)に迫り、昨年伸びが鈍化した定額制動画配信サービスの利用は再び伸長して初めて過半数(54.6% 同7.1ポイント増)に達するなどインターネットを通じて配信されるテレビ番組・動画コンテンツ視聴サービスの利用は伸長。テレビスクリーンは、多種多様なコンテンツが視聴されるようになった。
 
③生活者が捉えるテレビ視聴のあり方は大きく変化。「見逃し視聴サービスによるテレビ番組視聴」は26.2%と急伸
「テレビを見る時間にしたもの」を聴取開始した2020年から伸長傾向にある「有料動画視聴」(24.1% 昨年から2.0ポイント増)・「無料動画視聴」(26.9% 同0.1ポイント減)に加えて、今年は「見逃し視聴サービスによるテレビ番組視聴」(26.2% 同8.5ポイント増)が急伸した。見逃し視聴サービスの存在感が増す一方で、「録画したテレビ番組視聴」(64.4% 同7.1ポイント減)は減少した。また、スマートフォンのスクリーンでのテレビ番組利用は2020年から9.1ポイント増加して28.0%と3割に近づいている。スマートフォンでの視聴といった見方も増え、生活者が捉えるテレビ視聴のあり方は多様化していることが伺える。