短く言い切った秀逸なキャッチコピーは、どんなに長い文章よりも強力なメッセージを発することがあります。

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日(俵万智)

何でもない日を記念日にしてくれる、そんな光景を彷彿とさせます。

そして、Googleが**「動画広告の俳句」**と呼んだのが、YouTubeのバンパー広告です。

YouTubeで動画を再生する時に数秒で終わってしまう広告がありますが、それがバンパー広告です。たった6秒の新しい動画広告がユーザーの記憶にとどまり、広告の想起率を最大限に高めるためには、どのような点に注意すればいいのでしょうか。

今回は、YouTubeのバンパー広告を最大限に活かす3つのポイントを解説します。
  

「バンパー広告」とは?

バンパー広告は、YouTubeで再生される動画広告の一種です。この動画広告の最大の特徴は、最長で6秒間のスキップが不可能である広告だということです。

たった6秒間でアピールポイントを明確に盛り込み、プロダクトのオリジナリティを訴求することが要求されるため、バンパー広告作成にはクリエイターの力量が試されるのは言うまでもありません。

YouTuber「すきなことで、生きていく」関根りさ編 6秒バンパー広告

バンパー広告は、2016年5月に公表されて以降、多くの企業が採用しています。

実際、Hootsuiteによれば、2017年末には全インターネットトラフィックのうち74%のトラフィックデータがビデオに占められると予測されており、アメリカのグローバルブランドトップ100社中100社(=100%)がYouTube広告を活用しているというデータもあります。

バンパー広告が発表される前には、TrueViewインストリーム広告と呼ばれる広告がメインで採用されていました。

TrueViewインストリーム広告には大きく分けると、5秒間の強制視聴後に右下にスキップボタンが表示される*「スキッパブル広告と、15秒から30秒の間スキップができない「ノンスキッパブル広告」*の2種類がありました。後者はユーザーに最後まで広告を見てもらえることがメリットになりますが、最後まで広告を視聴しなければならないことがユーザーの負担となり、ユーザビリティを低下させる恐れが懸念されていました。

最終的に、Googleはネット上のユーザーによりよい広告体験を提供するため、2018年には30秒の強制視聴型TrueViewインストリーム広告を廃止する旨を発表しています。

今後、6秒間という短い間でメッセージを訴求する「バンパー広告」が動画広告の主流になる動きがますます加速していきます。