自社の認知拡大やリード獲得、購買意欲の向上などを目的として、Web広告を出稿する企業さんは多いでしょう。効果を最大化するためには、広告の仕組みや種類、運用のポイントなどを把握しておくことが重要です。

この記事では、Web広告の種類や仕組み、知っておくべき基本用語、成果を出すためのコツなどを網羅的に解説します。Web広告担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. Web広告とは?
  2. Web広告のメリット
  3. Web広告の種類
  4. Web広告にまつわる基本用語
  5. Web広告における費用の仕組み
  6. Web広告で成果を出すための運用のポイント
  7. Web広告で成果を出そう

Web広告とは?

Web広告とは、検索エンジンWebサイト、SNS、動画サイトなどを閲覧中に表示される広告全般を指します。広告と言えば、他にも新聞広告やテレビCM、屋外広告などがありますが、今、もっとも利用されているのはWeb広告です。

インターネットやスマートフォンなどの普及に伴いWeb広告市場は年々拡大しています。

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上記の図のように、平成30年にはテレビ広告市場を上回っているため、各企業が集客施策としてWeb広告に取り組んでいることが伺えます。

Web広告の役割

Web広告は、以下の通りWebマーケティングのプロセスにおける様々な役割を担っています。

  • 認知拡大
  • 自社サイト・LPへの誘導
  • リード獲得
  • 自社製品やサービスの売上アップ

Web広告インターネットの媒体上に幅広く掲載されます。そのため、商品・サービスに対する認知を獲得してユーザーの興味を引き、購買の比較・検討の対象にしてもらうきっかけになるのです。

このようにWeb広告は様々な役割を担っているものの、運用経験豊富な人材はどこの会社でも不足しているというのが現状です。したがって、Web広告について学んで知識やスキルを極めることは、非常に意義深いことだと言えるでしょう。

取引形態は2種類

Web広告には、大きく分けて以下2つの取引形態があります。

  • 運用型広告
  • 広告

両者の違いについて表で解説します。

運用型広告 広告
概要 広告表示はオークションで決まる
・定常的に入札額や広告内容の改善を実施
・成果改善に向け日々運用を行う
・掲載期間や露出量を予約して買い付ける
・媒体社の定めた売価で販売される
・事前に予約した広告枠の露出は保証される
主な課金形態 ・インプレッション課金
・クリック課金
・インプレッション保証型
・期間保証型
主な媒体 リスティング広告
ディスプレイ広告
・SNS広告
・Yahoo! Japan(予約型)
・You Tube(予約型)
・その他ポータルサイトや専門サイト
価格 定額ではなく、特定の条件で課金される 各媒体単位で価格が設定される
掲載期間 定められた期間はなく、自由に調整できる 各媒体単位で掲載期間が設定される

課金形態や広告の媒体などについては後述します。

「運用型広告」が主流

Web広告には2種類ありますが、近年は特に運用型広告が主流となっており、ここ数年で多くの企業が新たに運用型広告を活用し始めています。その理由として最も大きいのは、純広告と比べて始めるまでのハードルが低いことが考えられるでしょう。

Web広告は少ない予算からでも掲載でき、掲載開始までの準備期間もそれほど長くないため、時間的・金銭的な負担を抑えられるのです。

ここからは、主流となっている運用型広告について詳しく解説していきます。なお純広告の特徴については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてお読みください。

参考:純広告とは?今さら聞けない主な種類・契約形態まとめ

Web広告のメリット

ここでは、Web広告を運用するメリットを5つ紹介します。

詳細なターゲティングができる

Web広告を活用するメリットとして大きいのが、詳細なターゲティングができるという点です。Web広告は、以下のように様々なセグメントに分けた配信が可能です。

  • 住んでいる地域
  • 年齢
  • 性別
  • 興味関心
  • 購買意向

掲載する媒体によっては、より細かいターゲティング設定ができるので、見込み顧客となりうるターゲットに対してピンポイントで広告を配信できます。

数値で効果測定しやすい 

数値による正確な効果測定をしやすいというのも、Web広告のメリットです。Web広告では、以下のようなデータをリアルタイムで確認できます。

  • 広告が何回表示されたか
  • どの広告が何回クリックされたか
  • 広告費をいくら使っているのか
  • 広告経由でWebサイトを訪問したユーザーうち、何人が目標の行動(申込みや購入など)をしたか

このような数値を確認することで、認知や顧客獲得がどのくらいあったかを正確に把握することが可能です。成果だけではなく広告費もチェックできるので、費用対効果の把握広告の改善にも役立つでしょう。

予算の自由度が高い

Web広告は予算の自由度が高いのも特徴です。

Web広告を出稿する多くの媒体では最低出稿金額などがないため、まとまった予算がなくとも月に数千円といった少額から開始できます。また、成果が良い場合は増額したり、思ったような成果が得られない場合は掲載を停止したりも可能です。

掲載開始までが速い

Web広告および運用型広告は、広告を配信するために予約をする必要がないため、掲載までの期間が短い傾向にあります。広告を入稿した後には審査が行われますが、早ければ即日での配信も可能です。

そのため短期間で広告を配信したい場合や、早めに効果を得たい場合は、運用型広告が適しているでしょう。

配信後も変更が容易

Web広告は、配信を開始した後でもクリエイティブを容易に変更できます。

新聞や雑誌などの広告は、一度出稿してしまうと広告のデザインやテキスト、配信先などは変更できません。しかし、Web広告なら配信後にクリエイティブを差し替えられるので、広告の成果やユーザーの反応などに応じて柔軟に対応できます。

Web広告の種類

運用型のWeb広告には、大きく以下の4種類があります。

  • リスティング広告
  • ディスプレイ広告
  • SNS広告
  • 動画広告

種類によって、特徴や利用しているユーザー層が異なります。自社の目的に合ったものを選ぶためにも、それぞれの特徴について確認しましょう。

リスティング広告

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●高確度なユーザーにアプローチ可能、少額予算から出稿できる

リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索結果ページに掲載する広告です。テキストだけで構成される広告であり、ユーザーが検索したキーワードに応じて表示されます。

サービスや商品について自ら調べている関心度の高いユーザーに対して表示できるので、より購買意欲の高い層を集客できるという特徴があります。

課金形式は、広告がクリックされることで料金が発生する「クリック課金型」であるため、少ない予算から始められることもメリットです。

ディスプレイ広告

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●潜在層を含む多くのユーザーに配信でき、認知拡大に有効

ディスプレイ広告は、Webサイトブログ内などの広告枠に表示される広告です。画像を使ったバナー広告と動画形式の広告の2種類があります。

様々なWebサイトに対して一斉に配信できるため、多くのユーザーにアプローチし認知を拡大する目的で利用されるケースが多いです。また、自社サイトに訪問したことがあるユーザーに対してアプローチするリターゲティングという機能があるため、顧客獲得のために用いられることもあります。

SNS広告

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●広告ターゲットに合わせた出稿媒体選びが成果UPのコツ

SNS広告は、FacebookやTwitter、Instagramといった特定のSNSに掲載する広告です。通常のSNS投稿と同じような見た目の広告を配信できるので、より自然にユーザーに見てもらえます。

SNS媒体によって様々な特色があり、ユーザーの年齢層や利用目的なども異なるため、自社が扱う商材のターゲットに合ったSNSを選ぶことで、成果が出やすくなります。各SNSにおけるユーザーの特徴を知りたい方は、以下の資料もあわせてご覧ください。

4大SNSのヘビーユーザーを徹底比較較

4大SNSのヘビーユーザーを徹底比較

Facebook, Instagram, LINE, Twitterのユーザー特徴を調査

動画広告(YouTube広告)

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●ユーザーの印象に残りやすく、ブランドや商品の認知拡大に最適

動画広告は、音声や動きで画像よりも多くの情報を伝えられるため、商材をまだ知らない潜在層の認知を獲得する目的で活用されます。

動画広告として代表的なのが、YouTube広告です。YouTube広告では、動画の再生中や再生前後、検索結果などに動画広告を配信できます。YouTubeの利用者は国内で6,500万人以上いるため、認知拡大には最適な媒体です。

ここまでWeb広告の種類について紹介しましたが、各広告の特徴については、以下の資料でさらに詳しく解説しています。

Web広告にまつわる基本用語

Web広告の運用に取り組む中で、数多くの専門用語が登場します。ここでは、あらかじめ理解しておくことで取り組みがスムーズになる基本用語を厳選して紹介します。

用語 意味
CPA(Cost Per Action) 1コンバージョンを獲得するのにかかった単価(獲得単価
CPC(Cost Per Click) 1クリック獲得するのにかかった単価(クリック単価
CV(Conversion) 遷移先のページから、購入・お問い合わせ・資料請求などの成果につながった数
CVR(Conversion Rate) クリック数に対してコンバージョンした数(コンバージョン率)
GDNGoogleディスプレイ ネットワーク) Googleで配信できるディスプレイ広告
リーチ Web広告の到達率
インプレッション 広告が表示された回数

Web広告における用語については、以下の記事でも詳しく解説しています。

参考:CPC・CTR・CVR・CPA:マーケティングに必須の広告用語
参考:DSP,DMP,SSPの違いとは?それぞれの特徴と仕組みについて

Web広告における費用の仕組み

運用型のWeb広告は、純広告とは異なり費用が一定ではありません。さらに、以下のように様々な課金形態が存在するため、費用の仕組みについて理解しておきましょう。

  • インプレッション課金(CPM課金)
  • クリック課金(CPC課金)
  • 視聴課金(CPV課金)
  • エンゲージメント課金(CPE課金)
  • 成果報酬型課金

インプレッション課金はCPM課金とも呼ばれており、広告が表示されることで費用が発生します。主にディスプレイ広告やSNS広告などで採用されており、広告が1,000回表示されるごとに課金が生じるケースが多いです。

Web広告で成果を出すための運用のポイント

Web広告は、ただ闇雲に出稿しても効果を得るのは難しいです。ここからは、Web広告で成果を上げるためのポイントを3つお伝えします。

目的とターゲットを明確にする

Web広告を出稿する前には、「誰に」「何のため」に広告を届けたいのかを明確にしましょう。

目的を決めないと自社に適した広告媒体を選べませんし、ターゲットを設定しないとどんなクリエイティブを作るべきかも決められません。また、広告の効果測定や分析・改善などを行うためにも、目的とターゲット設定は重要です。

そのため、事前に以下のような要素を明確にしておきましょう。

<例>
①目的の設定→何のために広告施策を行うのか?(認知拡大、売上向上など)
②ターゲットユーザーの設定→誰に向けて配信するのか?(年齢、抱えている課題など)
③成果(CV)の設定→どの数値を成果にするのか?(問い合わせ、資料請求、サービスの契約など)

自社に適した広告を選ぶ

Web広告運用を成功させるためには、各広告種別の特徴やメリット・デメリットを把握した上で、自社の目的に適した広告を選ぶことが重要です。目的に合った広告の例としては、以下のようなものがあります。

目的 適している広告
認知を拡大したい ディスプレイ広告、YouTube広告
自社の商品やサービスに興味がある層にアプローチしたい リスティング広告
若年層の顧客を獲得したい Twitter広告

出稿すべき広告を決めた後は、ターゲットに合ったクリエイティブを作成することで、よりよい成果が期待できます。

定期的に効果測定と改善を行う

Web広告運用では、定期的に効果測定を行い改善することが重要です。

効果測定とは、1つの広告におけるクリック数やCV数などを計測し、成果と問題点を明らかにすることです。効果測定の結果、思うような成果が出ていなかったら、クリエイティブを改善することで成果の向上につながります。

広告を改善する際のポイントとしては、以下のようなものがあります。

  • バナー内のボタンを目立つ色に変える
  • キャッチコピーなどのテキストを変える
  • 出稿する媒体を変える

PDCAを素早く繰り返すことで、ビジネスの成果につなげていくことができます。日ごとや週ごとなど、定期的に効果測定と改善を行いましょう。

Web広告で成果を出そう

Web広告にはリスティング広告ディスプレイ広告など様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。成果を出すには、各媒体の特徴やユーザー層を把握し、適切なクリエイティブを作成しましょう。

そして、Web広告とは決して「広告クリエイティブを作って出す」ことがゴールではありません。計測や改善を繰り返して、費用対効果を最大化することが最も重要です。

Web広告の運用に関する知識を身につけ、より成果につながる運用を目指しましょう。