なぜ売れるのか？なぜ売れないのか？が分かる！広告分析AIの最新事例

更新日: 2024年12月25日

近年、急速に社会に浸透しているAI技術。デジタル広告制作の分野においても、AI技術を導入することで制作スピードの大幅な向上が実現しています。テキストや画像の生成といった広告ビジュアルを生成するAIが数多く生まれている中、広告の効果測定や市場調査などができる分析ツールも登場。広告代理店や制作会社だけでなく、企業のマーケティング業務にも活用の場が広がっています。

クリエイティブ制作の生産性を高めるAI技術

今や企業のマーケティング活動に欠かせないデジタル広告。1990年代には単純なバナーが表示されるだけでしたが、ターゲティング技術が進化し、年齢・性別・趣味嗜好などのデータをもとに配信内容が細分化されるにつれて、膨大なクリエイティブの量と運用・改善作業が必要になりました。
近年の広告業界ではクリエイティブ制作の速度やクオリティと労力削減の両立が課題になっており、AI技術はその解決策として期待されています。

実際に、複数の大手企業が広告の制作プロセスにAIを導入し、生産性とクオリティの向上を目指しています。例えば、博報堂DYグループのデジタルエージェンシーである株式会社アイレップは、広告クリエイティブの制作時間を最大40％削減することを目指し、2023年にAIクリエイティブワークフローシステム「Creative Table PINGPONG」の運用を始めました。

出典：AI技術の活用推進の一環として、マルチモーダルLLMを活用した広告クリエイティブのAI分析機能を、AIクリエイティブワークフローシステム「Creative Table PINGPONG」に搭載～AI活用により、客観的な定性評価によるスピーディーな分析が実現～

このシステムでは、OpenAI社のChatGPTと独自開発のAIを組み合わせて活用しています。制作工程の上流では、サービスとターゲットをChatGPTに学習させて、「ペルソナ設定」「カスタマージャーニー」「訴求軸」「キャッチコピー」などを提案させ、それをベースに人が手を加えることで大幅に工数を削減。
その後のデザイン制作段階では独自開発AIの「H-AI IMAGES」を使用し、広告配信前にバナー画像の広告効果を予測・評価することで、常に高クオリティなクリエイティブ作成を可能にしました。

出典：博報堂DYメディアパートナーズ、業種特性に応じてバナー広告の効果をAIが予測・評価する「H-AI IMAGES」開発