実用化はもう目の前?「自動運転」に関する基礎知識と動向の事例4選
知っておきたい用語
自動運転車には、従来の自動車とは大きく異なる技術が求められます。そのため、自動運転の動向を知る上で、どのような技術が注目されているのかを知ることは大切です。
そこで、注目される技術をまとめてみました。
1. ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)
自動的に適切な車間距離を調整、維持してくれる技術です。先行車がいない場合は、予め設定しておいた速度で定速走行します。
先行車がいる場合は、搭載されたレーダーによって車間距離を測定。速度を調節し、適切な車間距離を維持します。
参考:
バレーノ 快適装備 | スズキ
ACC〈アダプティブ・クルーズ・コントロール〉 | 安全運転支援システム Honda SENSING | Honda
2. ドライバーモニタリング
生体情報を検知するバイタルセンサーを用いて、ドライバーの身体状態を推定します。具体的には、運転中の眠気や疲労、緊張などを検知します。
この技術は、運転が部分的に自動化されるレベル3の実用化に際して重要です。
レベル3の技術においては、条件を満たさない場所や緊急時において、自動運転システムからドライバーへの操作の引き継ぎが発生します。その際にスムーズに引き継ぎを行うためには、ドライバーの状態を把握することが重要であるため、このドライバーモニタリングが注目されています。
参考:
世界初!自動運転レベル3がいよいよ登場、注目の"クルマ向けAI/IoT技術"とは? : FUJITSU JOURNAL(富士通ジャーナル)
ドライバーモニタリング | 注目の研究紹介 | 研究開発 | 研究開発・デザイン | パイオニア株式会社
3. OTAアップデート
OTAとはOver th Airの略で、すなわち無線によるソフトウェア更新の技術を指します。
スマートフォンなどにも用いられています。
従来、自動車の制御ユニットを更新するためには、車両をディーラーに持ち込み更新して貰う必要がありましたが、この技術によって自宅などでソフトウェアの更新が可能になります。
自動運転技術が高度化していくにつれて、ソフトウェアの品質維持、向上がますます重要になっていきます。人命に関わる自動車においては、ハッキングなどのセキュリティ対策の観点からも、ソフトウェアを最新に保つことが非常に大切なのです。
しかしながら、従来のような持ち込みでの更新ではユーザーが面倒に感じ、更新を怠る可能性があるため危険です。さらに今後は、ソフトウェアの品質維持・向上はもちろんのこと、スマートフォンのように新機能の追加も行われていくことが予想されます。
そのため、OTAによるソフトウェアの更新が重要な役割を果たすのです。
参考:
OTAによる自動車ソフトウェア更新技術-高信頼かつ短時間で-:研究開発:日立
4. Cloud-to-Car
車とクラウドを連携させる技術です。
車に搭載されたセンサーが感知した情報を、車からクラウド上に送信します。そして解析されたデータがクラウド上から車に送信されるという仕組みです。
車とクラウドが互いに情報収集・学習したデータを活用し合うことで効率よく学習、データ収集ができます。
この技術の応用事例としては、自動運転において重要なクラウド地図の作成が挙げられます。
前述したように、レベル3以降のシステムを搭載した車はドライバーの運転操作を完全に代行する場面が出てくるため、より安全性が重視されます。その場合に重要なものの一部が、高精度な地図と交通情報の即時的な更新です。
Cloud-to-Carの技術によって、世界中の車両から大量のデータを収集して精度の高い3次元地図の作成が可能であり、リアルタイムで周囲の交通情報を同期できる環境を整備することが可能です。
この領域に関しては、さまざまな企業が協調して精度の向上に努めています。
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