店舗運営者の方々の中でポイントカードを導入している店舗は多いと思いますが、「他の店舗がやっているから自分のお店でもやっている」「ポイントカードはやらないといけないものだと思っていた」という状態になっていないでしょうか?

購入金額に応じて、ポイントが貯まる一般的なポイントカードは、お客様の再来店促進には効果的です。さらに活用方法を工夫することで、マーケティング施策としてさらに効果的になります。

今回はマーケティング施策としてのポイントカード活用について解説します。

ポイントカードをマーケティング施策として採用する目的と強み

マーケティング施策として採用する目的とは

ポイントカードをマーケティング施策として採用する大きな目的は「再来店促進」「顧客の囲い込み」「顧客情報の取得」の3点です。

マーケティング施策として採用するメリット

①再来店促進

初回来店したお客様に対して、2回目以降再来店をしてもらうために各種“割引特典”や“ポイント”を付帯する事で「再来店を促進」します。

ポイントカードを利用して店舗が発行したポイントは「特定の店舗でしか利用できないポイント」なので、他の店舗では利用できません。そのため、「ポイントを貰った店舗でポイントを使うために再度来店する」というキッカケを作る事ができます。

②顧客の囲い込み

2回目、3回目と来店してもらえるようになれば、次は「顧客の囲い込み」です。お客様に還元する事で、お店への満足度が高まります。

また、ポイントカードの活用方法を工夫し、ランクアップ制度を設ける事で囲い込む事が可能です。

会員の利用頻度に応じてランク分けをして、ランクごとに還元率を変える方法です。

例:
レギュラー会員:年間5万円利用でゴールド会員にランクアップ
ゴールド会員:年間15万円利用でプラチナ会員にランクアップ

レギュラー会員:還元率5%
ゴールド会員:還元率10%
プラチナ会員:還元率15%

年間で利用する金額が高くなればなるほど、還元率が上がるので、他店ではなく、ポイントカードを発行した店舗に来店しやすくなります。

③顧客情報の取得

ポイントカード発行時にお客様から登録情報として、店舗が必要な情報の取得をする事で、顧客管理を行う事が可能になります。

顧客管理システムによっては、会員情報と購買データや来店履歴を紐づけて分析する事が可能になるので、「いつも、デザートを購入しているお客様に新しいデザートが発売になった連絡を送付する」「来店スパンが伸びているお客様に再来店時に割引になるようなDMを送付する」事で、「再来店促進」「顧客の囲い込み」を効率的に行う事が可能になります。

マーケティング施策として採用するデメリット

①ポイントカードが増える事によりお客様が不便に。

お客様の目線では様々な店舗のポイントカードが増える事で、管理が煩雑になります。

お客様によっては財布がかさばるという理由でポイントカードの発行を断られる事もしばしばありますので、ポイントカードをアプリ化するようなシステムを導入する事もひとつの方法です。

参考:
スマホで買い物をスムーズに!店舗・会員証系ブランドアプリ100選

②店舗オペレーションの煩雑化

ポイントカードを導入すると、会計時などにポイントを付帯する必要があります。

例えばお昼時間の飲食店など、時間帯によってはポイントの付帯に時間をかけてしまう事で、レジに待ち時間が発生してしまうなどデメリットもあります。

③ランニングコストの発生

ポイントカード自体の発行コストや管理システムのランニングコストが必要になります。また、お客様がポイントカードを紛失した場合の再発行コストなどが発生する可能性もあります。

ポイントカードの種類

共通ポイントカード

代表的なところでいうと、Tポイントカード、Pontaカード、楽天ポイントカード、dポイントカードのような、様々な店舗でポイントを貯めることができるカードが共通ポイントカードです。

お客様の目線だと、様々な店舗で利用でき、カードの枚数も増えないので利便性があります。

一方、店舗目線の場合、加盟店料やシステム利用料が発生し、自店で付帯したポイントを他店で利用されるリスクがあり、必ずしも再来店促進に繋がるわけではありません。

自店向けポイントカード

バーコードタイプ

メリット:
バーコードタイプは、後述する磁気カードよりも安価で作成が可能です。また、一次元バーコードは、バーコードリーダーが安価なので導入しやすいです。

デメリット:
お客様はカードを見ただけでは、自分のポイントを確認できません。また、バーコードカードは複製が簡単なので不正が起こりやすいです。

磁気タイプ

メリット: 
磁気タイプのカードは複製が難しいので、セキュリティ面ではバーコードタイプよりも安心です。

デメリット:
バーコードタイプ同様に、お客様はカードを見ただけでは、自分のポイントを確認できません。
磁気タイプ用のライターが高価です。

また、磁気でカードの記録領域が壊れることがあります。スマートフォンのスピーカーも磁石のため注意が必要です。

リライトカード

メリット:
カードに直接文字を印字できるので会員番号やポイントをお客様が把握できます。

デメリット:
前述のバーコードタイプと磁気タイプと比較した場合、カードの作製費用が高価です。また、リライトカード専用のカードリーダーも高価です。

磁気カード同様に磁気で壊れる可能性があります。

参考:
ポイントカードについて

アプリのポイントカード機能

メリット:
スマートフォンのアプリをポイントカードとして使用できるのでカードの発行コストがかかりません。

デメリット:
年代によってはスマートフォンを持っていないお客様がいらっしゃるので、顧客層によっては導入が難しいケースがあります。

参考:
ポイントカードシステム導入の3大メリットとアプリ化がオススメな理由

まとめ

ポイントカードをマーケティング施策として活用する事は「再来店促進」や「顧客の囲い込み」にとって有効です。また、顧客情報を取得する事で、上記の施策を効率的に行う事が可能になります。

しかし、様々な店舗でポイントカードを発行しているため、お客様としてはポイントカードの管理が煩雑になり発行を断られることがあります。また、ポイント付帯においては店舗オペレーションが煩雑化する可能性もあるのです。そのほかにも、ポイントカード作成やシステム利用料などのランニングコストが発生するなどデメリットも考えられます。

ポイントカードシステムによっては、アプリ内にカードを格納できるものや、バーコードやスキャナーでポイント付帯が可能なものなど、デメリットが解消できるサービスもあります。

店舗の規模や運用方針に合わせて最適なポイントカードシステムを選んで、「再来店促進」「顧客の囲い込み」に活用してみてはいかがでしょうか。