【SEO最新11月】GoogleのアップデートでSEO対策はどう変わる?ヘルプフルコンテンツアップデートの影響とSGEの最新動向
目次
- 2022〜2023年:SEOアップデートの振り返り
- 2023年9月15日に実施されたヘルプフルコンテンツアップデートとは
- ヘルプフルコンテンツアップデートの影響
- ヘルプフルコンテンツアップデートの対策
- SGEは2023年8月30日から試用運転開始、検索への影響は?
- SGEの最新動向
- SGE対策
- SEOの最新情報を把握し、コンテンツマーケティング戦略に活かそう
Googleは定期的にアルゴリズムを更新し、検索結果の質を向上させています。2023年11月2日には、コアアップデートが実施されユーザーにとって有益なコンテンツを重視する傾向がさらに強化されると考えられます。また、2023年9月15日には「ヘルプフルコンテンツアップデート」が実施され、ユーザーの検索意図を満たすコンテンツの評価が改善されたばかりです。
さらに、既に試用運転が開始されているSGE(Search Generative Experience)の動向からも目が離せません。
この記事では、これらのアップデートの影響を踏まえて、SEO対策の最新動向とその対策、生成AIによる新しい検索体験であるSGEを詳しく解説します。変化する検索エンジンの環境に適応するためのヒントになれば幸いです。
2022〜2023年:SEOアップデートの振り返り
以下の表は2022〜2023年10月までにGoogleが実施した主なアップデートです。過去の変更を振り返り現状のトレンドを把握しましょう。
年月日 | 内容 | Google公式のタイトル | 概要 |
---|---|---|---|
2022年2月22日 | ページエクスペリエンスアップデート(デスクトップ) | 以前モバイル向けにリリースされたページエクスペリエンスシグナルを、パソコンにも適用。 | |
2022年3月23日 | プロダクトレビューアップデート | March 2022 Product Reviews Update(英語圏のみ) | 質の高い商品レビューを特定する機能のリリース。英語圏のみ。 |
2022年5月25日 | コアアップデート | May 2022 core update | サブディレクトリ型サイトの順位が下落、E-A-Tの深堀りがより評価される傾向。 |
2022年8月25日 | ヘルプフルコンテンツアップデート | August 2022 helpful content update(英語圏のみ) | 有用で信頼性が高く、ユーザーを第一に考えたコンテンツが高く評価される。 |
2022年9月12日 | コアアップデート | September 2022 core update | 大幅な順位変動はなかったが、E-A-Tの重要度がより高まる傾向。 |
2022年9月20日 | プロダクトレビューアップデート] | ||
2022年10月14日 | Google 検索でのサイト名の表示 | Introducing site names on Google Search | モバイル検索結果にWebサイトの名前を表示できるようになる。 |
2022年10月19日 | スパムアップデート | ||
2022年12月5日 | ヘルプフルコンテンツアップデート | 2022 helpful content update | 8月に英語圏で行われたヘルプフルコンテンツアップデートが、日本を含めた全世界に適用。 |
2022年2月14日 | リンクスパムアップデート | December 2022 link spam update | SpamBrainがリンクスパムにも対応。検索結果を操作しようとする不自然なリンクの影響を無効化する。 |
2022年12月15日 | ヘルプフルコンテンツアップデート | E-A-T に Experience の E を追加 | E-A-Tに加えて、コンテンツに経験(Experience)が織り込まれているかも評価される。 |
2023年2月21日 | プロダクトレビューアップデート | February 2023 Product Reviews Update(日本は含まない) | 2022年3月に実施されたプロダクトレビューアップデートの対象が11言語に広がる。日本語は含まれていない。 |
2023年3月8日 | デスクトップ検索結果のアップデート | デスクトップ検索結果のアップデート | デスクトップ検索結果にWebサイトの名前を表示できるようになる。 |
2023年3月15日 | コアアップデート | March 2023 helpful content update | E-E-A-T、ヘルプフルコンテンツアップデートの影響により、YMYL分野、一部のEC・DB、不動産サイトで順位が上昇する傾向 |
2023年4月12日 | レビューアップデート(旧:プロダクトレビューアップデート) | April 2023 reviews update(日本は含まない) | 無形商材も商品レビューシステムの対象となった。タイトルからProductが外れる。 |
2023年8月22日 | コアアップデート | August 2023 helpful content update | 大幅な順位変動は見られなかった。複合的作用により一定のルールが見出しにくくなっていると考えられる。 |
2023年8月30日 | 生成AIによる検索体験 (SGE) 開始 | SGE -Search Generative Experience | Google Search Labs登録ユーザーを対象に、日本語版の試験運用を開始した。(※記事中盤以降で詳しく解説。) |
2023年9月14日 | ヘルプフルコンテンツアップデート | September 2023 helpful content update | 良いコンテンツを発見する仕組みが改善された。(次の見出しで詳しく解説。) |
2023年10月4日 | スパムアップデート | October 2023 link spam update | 英語以外のスパム一掃を目的とし、特にクローキング、ハッキング、自動生成、およびスクレイピングされたスパムを対象としている。 |
2023年10月5日 | コアアップデート | October 2023 core update | (検証中)短期間でコアアップデートが実施される背景には、9月のヘルプフルコンテンツアップデートが関係していると考えられている。 |
参考:Google Search Status Dashboard
さらに重要なトピックについてみていきます。Googleのアルゴリズムがどのように進化しているかを理解する上で役立ちます。
順位評価におけるリンクの重要性の変化
2022年11月のGoogle SEOオフィスアワーでは、SEO対策における被リンクの重要性は年々低下しているとGoogle検索チームメンバーが回答しています。
第一に、シグナルとしてのバックリンクが及ぼす影響は、Google 検索が何年も前にスタートしたときに比べると、かなり減少しています。
引用:Google 検索セントラル「11 月の Google SEO オフィスアワー(2022年11月29日)」
とはいえ、被リンクはWebサイトの信頼性や権威性を示す要素です。不自然なリンクはペナルティを受ける原因となるため、以下の点に注意しましょう。
- 検索順位を上げる目的で、コンテンツとは関係のない内部リンクを貼る
- 明らかなスパムリンクが貼られている
参考:Search Console ヘルプ「サイトへのリンクを否認する」
E-A-Tに新たなE(経験・体験)が追加
2022年12月16日に実施された品質評価ガイドラインのアップデートにより、「E-A-T」にExperience(経験・体験|※1)が追加され、「E-E-A-T」に進化しました。特に金融、健康、法律などのYMYL(Your Money or Your Life:財産や生命に直接影響を与える可能性のある情報)分野で強調され、コンテンツの信頼性を高めるために必要な要素とされています。
例えば、実際にサプリメントを体験した人のレビューや専門家による専門的な分析などが、より信頼される傾向にあります。
参考:Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」
※1 Experience…コンテンツの作成者・監修者・編集者が持つ経験や実体験。
レビューシステムのアップデート
Googleのレビューシステムは、高品質なレビューをより高く評価することを目的としています。2023年4月のアップデートにより、プロダクトやサービス等にも同じ方針が適用されることになりました。
レビューシステムは基本的にページ単位でコンテンツを評価します。ただサイト内にレビューコンテンツの量が膨大な場合は、サイト単位でコンテンツが評価される可能性があります。
※2023年11月時点では日本語には対応していません。
参考:Google 検索セントラル「Google 検索の商品レビュー システムとウェブサイト」
これらの変更は、Googleがユーザーにとって有益で信頼できる検索結果を提供することに注力していることを示しています。
最新の動向として注目された2023年9月のヘルプフルコンテンツアップデートや、2023年8月に開始された生成AIによる検索体験 (SGE)については、このあと詳しく解説します。
2023年9月15日に実施されたヘルプフルコンテンツアップデートとは
「ヘルプフルコンテンツアップデート」は、ユーザーに有益で価値あるコンテンツを提供するために、低品質なコンテンツを保有するWebサイトの評価を下げるアップデートです。訪問者に満足感を与えているコンテンツを高く評価し、訪問者の期待に応えていないコンテンツとの差別化を図ることを目的としています。
このアップデートはユーザー満足度の高いコンテンツとそうでないコンテンツとを区別し、全体的に低品質なコンテンツが多いサイトは検索パフォーマンスが低下する可能性があるため、低品質コンテンツの削除や更新が推奨されます。役立たないコンテンツの削除は、他のコンテンツのランキング向上にも寄与する可能性があります。
ヘルプフルコンテンツアップデートの影響
今回のヘルプフルコンテンツアップデートは、SEOとWebサイト運営にいくつかの影響を及ぼしたと考えられます。主に強化された点は以下の4つです。
- コンテンツの品質と関連性の強調
Googleは、コンテンツの作成方法ではなく、コンテンツの品質そのものを重視するとしています。コンテンツ制作者が気になるAIで作成したコンテンツはSEOに有効か?という疑問はAI生成コンテンツの使用は検索結果に影響しませんとGoogleが回答しています。
AI を使用したからといってランキングに関して特別なメリットやデメリットがあるわけではなく、有益なオリジナルコンテンツで、E-E-A-T の基準を満たすものであれば、検索で上位に表示される可能性が高くなります。作成方法ではなく、内容が評価の対象となると言えるでしょう。
また、コンテンツの関連性は、ユーザーの検索意図を満たすコンテンツであることが評価に繋がります。ユーザーの検索意図を理解し、関連する情報を網羅的に提供することが重要になります。
- E-E-A-T基準の強化
Googleは、E-E-A-T基準を強化しています。
特定のコンテンツのみE-E-A-Tを満たしたり、E-E-A-Tのうちどれか1つを強化するのではなく、全てのページにおいて経験・専門性・権威性・信頼性の4つを満たすことが重要です。特に新しく追加された「経験」はAIでは書けない領域でもあることから、その重要性も増してくるのではと考えられます。
- 低品質コンテンツの順位低下
低品質コンテンツとは、人の役に立たないWebサイトのことです。以下の要素が含まれる場合、検索順位が下落する可能性がありまので注意しましょう。
- 検索エンジンに上位表示させるためだけに作られている
- 上位表示するために、話題のトピックから多くのコンテンツを作っている
- より多くのコンテンツを制作するために、多くの場面で自動化(AIを含む)を活用している
- オリジナリティの要素がなく、他サイトの情報を要約している
- ただの話題作りでコンテンツを制作している
- コンテンツをすべて読み終えても、ユーザーが再検索しないと情報を補完できない
- 何らかの指示により、特定の文字数になるよう調整して書いている
- 実際の経験や体験がないにもかかわらず、ニッチなトピックを扱っている
- 本文にタイトルやリード文に対する答えがない(未発売の商品、公開未定の映画などの話題)
参考:Google 検索セントラル「2022 年 8 月の Google の有用なコンテンツの更新についてクリエイターが知っておくべきこと」
- ユーザーエクスペリエンスの改善
Googleのコアランキングシステムは、優れたページエクスペリエンス(=ページ内におけるユーザーエクスペリエンス)を提供するコンテンツを高く評価するよう設計されています。
以下は、ページエクスペリエンスの構成要素(一部)です。
- ページの Core Web Vitals※3は良好である
- ページは安全な方法で配信されている
- コンテンツはモバイルでも適切に表示されている
- 大量の広告が掲載されていない
- ページに煩わしいインタースティシャル(表示領域)がない
- ユーザーがメインコンテンツを容易に見つけて移動できる
- ユーザーがメインコンテンツとその他のコンテンツを簡単に区別できる
参考:Google 検索セントラル「ページ エクスペリエンスの Google 検索結果への影響について」
高品質なコンテンツの作成・改善に加えて、ページエクスペリエンスの改善にも注力する必要があります。
※3 Core Web Vitals…ページの読み込みパフォーマンス、インタラクティブ性、視覚的安定性に関する実際のユーザーエクスペリエンスを測定する一連の指標。
業界ジャンル別によるトラフィック調査
それでは実際にどのような影響があったのかを独自に業界ジャンル別の大手サイトを中心に調査してみました。
調査方法…ahrefsを利用して各業界ごとの大手サイトを中心にトラフィック数、キーワード数を調査しています。
▼業界ジャンル別トラフィック推移:変化率
業界 | 変化率 |
---|---|
マーケティング | 93.76% |
就職、転職 | 106.13% |
旅行、観光 | 121.45% |
美容 | 99.79% |
ファッション | 97.76% |
グルメ | 101.52% |
引越し | 101.34% |
健康・医学 | 90.30% |
金融 | 94.28% |
不動産 | 99.45% |
上図はヘルプフルコンテンツアップデート前と後の大手サイト業界ジャンル別トラフィック推移です。全体的に大きな変化はありませんでしたが、「旅行・観光:121.45%」と20%以上の変化がみられました。
「旅行・観光」を個別で調査したところ2023年5月のコロナ5類感染症移行後、トラフィックは増加傾向にあり、そのまま継続していると考えられます。トラフィックに関してはヘルプフルコンテンツアップデートの影響は小さかったと言えるでしょう。
キーワード数による変動調査
キーワード数…各業界ごとの大手サイトを中心に期間内の1〜10位以内のキーワード数の変動率を調査しています。
上図はヘルプフルコンテンツアップデート前と後の大手サイト業界ジャンル別の1位〜10位、11〜20位、21〜50位のキーワード数の推移です。トラフィックと同様に全体的に10%未満の変化しかみられず大きな影響はなかったと言えます。
ヘルプフルコンテンツアップデートの対策
大手サイトを調査した結果、ヘルプコンテンツアップデートの大きな影響はなかったと言えますが、中小規模サイトでは少しの変化が大きく影響を与えてしまう場合もあります。今後、アップデートに振り回されないように以下の対策に注力しましょう。
コンテンツの質を高める
Googleは質の低いコンテンツの順位を下げることで、高品質なコンテンツを見つけやすくしています。ユーザーの検索意図を捉えた、ユーザーファーストのコンテンツを作ることが大切です。また、テキスト情報のみではなく適切な画像や動画を使用して、ユーザーの興味を引き続けることも重要です。
E-E-A-T (経験、専門性、権威性、信頼性) の強化
すべてのコンテンツでE-E-A-Tを強化しましょう。信頼できるコンテンツであることを示すために、トピックに詳しい作成者や監修者による情報源であることを示す必要があります。
ユーザーエクスペリエンスの改善
コンテンツの質だけでなく、ユーザーが快適に過ごせるWebサイトを作ることも重要です。Core Web Vitalsに対応したサイト速度改善、モバイルフレンドリーへの対応、常時SSL化など、ユーザーエクスペリエンスの改善にも積極的に取り組みましょう。
ユーザーエンゲージメントを促進
SNSにコンテンツを投稿したり、WebサイトにSNSボタンを設置したりして、コンテンツが共有・拡散される仕組みを構築します。これにより、ナチュラルリンクやシェアが増加しやすくなります。
これらの対策を講じることで、Googleのヘルプフルコンテンツアップデートによる影響を最小限に抑えるとともに、Webサイトの可視性を維持できます。常にユーザーに価値ある情報を提供することを意識して、SEO対策やコンテンツ制作に取り組みましょう。
参考:有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成| Google検索セントラル
SGEは2023年8月30日から試用運転開始、検索への影響は?
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