この記事はエキサイト株式会社・大友氏からの寄稿記事となります。

オンライン化が進むにつれ、ウェビナーはBtoBマーケティングの施策としてリード獲得・リード育成の両観点でも急速に重要性を増しており、昨今さまざまな企業がウェビナーに取り組み始めています。

しかし、「どのように活用すれば効果的なのか」「どのように開催すればよいのか」等、迷う点が多いかもしれません。

この記事では具体的な事例を挙げながら、最大限の効果を得るためのウェビナーの活用法とその運営方法について、エキサイト社が年間600ウェビナーの開催をしたノウハウをもとに解説します。

目次

  1. ウェビナーに期待できる効果
  2. ウェビナーをどう活用するのか:エキサイト社の事例
  3. 再現性を持たせて施策を回していくためには

ウェビナーに期待できる効果

ウェビナー施策に期待できる効果には、大きく分けて短期的効果(3ヶ月程度)と中長期的効果(3ヶ月〜1年)があります。

短期的効果はリード獲得数

短期的な効果としては、リードの獲得数を大幅に増やすことが可能です。他のコンテンツマーケティングだとどうしても初期に立ち上げに時間がかかってしまうことが多いかと思いますが、ウェビナー施策は短期で広告費等を使わずにリード数を獲得することができます。

弊社エキサイトの事例ですと、事業立ち上げから半年で月間の新規リードが1000件前後にまでのぼりました。しかもこの成果は広告費等は全くかけずに実現できています。
多くの企業でも3ヶ月ほどでウェビナー施策のPDCAが一周し、早い企業だと3ヶ月で新規のリードが獲得できるチャネルに育てることが可能です。

ネームバリューやハウスリストなどがなくとも実現可能ですが、費用はかけない分マーケターの工数を割く必要があります。具体的に実現する方法に関しては後ほど解説します。

中長期的効果はリード育成とノウハウの資産化

中長期で見た時の利点は2つあり、1つはナーチャリングをしやすくなることです。
顧客の受注までのフローをあらわした「カスタマージャーニーマップ」に基づいたコンテンツをウェビナーで作っていくことにより、顧客の育成が促進されます。弊社では、ウェビナーを3回以上見ていただいた方は他の方よりも受注率が1.5倍程度異なるという明確な違いがあります。

もう1つの中長期的な利点は、コンテンツマーケティングの資産として蓄積できることです。
一度ウェビナーとしてノウハウを発信することで、新たにコンテンツのネタを探す必要がなくなり、記事、イベントレポート、ホワイトペーパー、アーカイブ動画、メルマガなど、ウェビナーからさまざまなコンテンツを生成することが可能になります。

1.png

ウェビナーをどう活用するのか:エキサイト社の事例

マーケティング施策において、何のためにどのくらい何をするのかは、非常に重要です。この目標値を設定しているのとしていないのとでは、検証サイクルの回し方や成果が出るまでの期間に大きな差が出てしまいます。これはウェビナー施策においても同じです。

前提として、ウェビナーにはファネル構造に基づいた以下の種類のウェビナーが存在します。

  • トレンドなど上流のテーマで開催するカンファレンス
  • 複数社で開催する共催ウェビナー
  • クライアントに登壇してもらう事例ウェビナー
  • 自社のみで登壇し、プロダクトに興味関心を持ってもらうことを目的とする自社ウェビナー・プロダクトウェビナー

弊社では、マーケティング施策の中心にウェビナーをおいています。

1ヶ月の平均開催数は10回程度で、この4つのウェビナーの種類に基づいて開催・企画しており、月間の集客数は2000 ~ 2500名程度になります。かけている人員工数は1.2~1.5人程度で、広告費は0です。

KPIの設定方法

ウェビナー施策におけるKPIをどう設定するべきかについては、他の施策同様、各社の状況や事業フェーズに依存すると考えます。

●各フェーズにおけるKPI

例えば、事業立ち上げ期でまだまだ短期で売上を追いたい場合は、短期での受注はABM施策などを併用しつつ、ウェビナー施策を立ち上げるのが良いでしょう。ここで追うべきKPI開催数とリード数です。

そして、ウェビナー施策が立ち上がってきたタイミングでは、リード数とターゲットリード含有率を追います。

さらにPDCAサイクルが回ったタイミングでは商談化率を、最終的にはマーケ組織は受注数を追うべきです。ここでのポイントはいかにインサイドセールス(IS)とうまく連携をして商談化率や受注率までを追っていくのかという点です。IS組織とマーケ組織が完全に分離してしまっているとウェビナー施策の成果は出にくくなってしまうので注意が必要です。

●ウェビナー開催数の目安

ウェビナーは、ただ闇雲に開催しても成果は出にくくなってしまいます。1つの目安として、開催するべきウェビナー実施回数は月に共催ウェビナー3 ~ 4回、事例ウェビナー1回、プロダクトウェビナー2回です。それぞれにおける集客数とターゲット含有率の目安は、以下の通りです。

  • 共催ウェビナー 100~50名 ターゲット含有率30% 商談化率5%
  • 事例ウェビナー 60~30名 ターゲット含有率50% 商談化率8%
  • 自社ウェビナー 50~20名 ターゲット含有率50% 商談化率10%~
    ※カンファレンスは上記サイクルが回ってから取り組むことをお勧めします。

▼エキサイトにおける集客数とターゲット含有率の事例

2.png

先ほど述べたKPIについての議論も、当然このファネル構造に左右されます。

上流のカンファレンスの企画で商談数をKPIにおいてしまうと、本来視聴者が聞きたいであろうお役立ち情報があまり伝えることができず、商材紹介ばかりになってしまい満足度が下がり、結果リード数も追えなくなってしまいます。

逆にプロダクト紹介ウェビナーでは、集客数こそ少ないものの、プロダクトに興味関心を持ってくれている層が集まるので商談化率は高くなる傾向があります。

ウェビナーのKPIは、結局それぞれの事業フェーズや組織状況などに応じながら、ウェビナーの種類ごとに設定していくのが最適解になります。

企画の作り方

ウェビナー企画は、弊社では大きく以下の3つの要素から考えるパターンが多いです。

  • カスタマージャーニーマップ(CJM)のどのファネルに当てるコンテンツ
  • ターゲットレイヤー(ターゲットの階層)
  • 組み先のハウスリストのターゲット含有率
  • 登壇者同士の相性

CJMのどのファネルに当てるコンテンツか

CJMに基づいたファネルの中でどの層をターゲットにしたいかによっても当てるコンテンツが変わってきます。
例えばコンテンツマーケのトレンドをテーマにしたものと、ウェビナー施策のKPIをテーマにおいたものでは企画の粒度が変わります。上流であれば抽象的なテーマ、下流であればより具体なテーマで設定するようにしましょう。

▼見込み顧客のステータスと、その課題に合わせたウェビナー企画の作成例

3.png

ターゲットレイヤー(ターゲットの階層)

対象が担当レイヤーなのか、意思決定レイヤーなのかによってもコンテンツの内容は全く異なります。例えば、役員が実践する攻めのマーケ戦略と、SEOのトレンドを知るTIPS紹介では、ウェビナーに申し込むターゲットのレイヤーは異なります。どのレイヤーに参加して欲しいかによってテーマは調整するようにすると良いでしょう。

共催先のハウスリストのターゲット含有率

共催ウェビナーを何度か開催していると、どの企業と組むと何件のリードジェンが見込めて、ターゲット含有率は何%程度かということが見込めるようになってきます。集客数やターゲット含有率から共催先の企業を選定すると良いでしょう。

▼過去共催先の企業別集客数とそのターゲット含有数のデータ

4.png

登壇者同士の相性

登壇形式にはセッション形式とパネルディスカッション形式があり、最近では「ここでしか聞けない」感を演出することや、資料の事前準備の手軽さからパネルディスカッション形式が多く取られるようになっています。登壇者同士のレイヤーを揃え、なるべく相性がいい登壇者同士で盛り上がるテーマを設定することで視聴満足度は格段に上がります。

ウェビナー施策の再現性を高めるには

ウェビナー施策は、序盤からしっかりファネルに基づいて企画やKPIを設定しておく段取りが重要です。
再現性を持たせるために重要なポイントは3つです。

  1. KPIや企画をファネルに基づいて設計すること
  2. 相性のいい共催先を探せること
  3. 初めはとにかく数をこなすこと

「FanGrwoth」では、どんな企業でもインハウスでウェビナーの成果を出せるようにサポートいたします。また、共催マッチングプラットホームも完全無料で利用できますのでぜひご活用ください。

no

どんな企業でもインハウスで成果の出るウェビナーを実現

自社のウェビナーノウハウを元に、BtoB企業様のウェビナー施策のご支援します

共催先が無料で見つかる共催イベントマッチングコミュニティ「FanGrowth」