フォロワーの欲求に忠実に

パーソナルカラーを使った弊社のメイク事例は、メイクに興味関心を持つ多くのユーザーの目にとまりました。設立1ヶ月目から、予約開始数分後には数百人の予約が殺到しました。

新規のお客様を月に10名獲得できれば御の字と言われるこの業界。100名以上の新規のお客様を継続的に獲得できたことは、やはり「見える化」をキーワードにメイクと掛け合わせた戦略が功を奏したと言えます。

事例を積極的に展開していくうちに、徐々に同業他社が類似の投稿をはじめ、Instagram上でパーソナルカラー診断のビフォアアフターという見せ方が定着していくのを感じました。パーソナルカラーという概念をより広く伝えたいと考えていた私にとっては、手応えを感じた瞬間です。

そこで次に弊社が考えたのは、自社ならではと印象付けるための新しい情報発信です。そのために、診断を受けたフォロワーへのアフターフォローの意味も込めて、「自分のパーソナルカラーに合うコスメはどれか」といったオリジナル情報を、画像1枚に落とし込み発信することにしました。

ビフォアアフターの事例投稿は、パーソナルカラーの効果をわかりやすく伝え、診断を受けたいと思ってもらう人を増やすための第一ステップです。しかし、実際に診断を受けた後の人たちに向けた情報が十分でないことに気がついた私は、次に発信すべきはここだ、と閃きました。

情報を無償提供する価値

弊社が「各パーソナルカラータイプに合うコスメ」の情報発信を始めた理由には、他社との差別化ポイントがあります。ほとんどの競合他社では、診断を受けた方への特典(または別途有料)として、どのコスメが似合うのか、という情報を提供していました。

各パーソナルカラータイプに合うコスメの情報を発信するために、店頭でコスメの色味チェックをしたり、現物を購入したり、その情報を画像に落とし込んだりといった多くの手間や時間がかかりました。そのため、その情報を無償で提供する企業はほとんど存在しなかったのです。

しかし弊社は、その情報を無料でどんどん発信していくことで、自社ブランディングを優先しました。コスメやメイクのあらゆる情報がネット上で簡単に手に入る今、パーソナルカラー別のコスメの情報だけが十分でない状態に不便さを覚えており、またそれが、業界のニッチ化に拍車をかけたのでしょう。

先に挙げた美容室やネイルサロンでも、カット後や施術後のアフターケアに関するアドバイスは、無償で発信しているのが一般的。そうした意味でも、パーソナルカラー診断を「大衆化」させるために、役立つ情報は出し惜しみせず、積極的に無償提供することが重要であると考えました。