新商品を開発する際は、一般的に市場分析やターゲティングなど様々なプロセスが必要です。そしてその中には、コンセプトや具体的な商品内容を決定する人間のアイデアは欠かせません。しかし今、新商品開発の分野にAIが続々と参入し、一連のプロセスを自動化するシステムが登場しています。

目次

  1. 専門知識を学習したAIが自律的に議論を行いアイデアを創出
  2. 新しいドリンクの試作もAIにおまかせ
  3. 「恋がしたくなる味」のパン?

▼あわせてチェックしたい!BtoB×AIセミナー

【アーカイブ配信】AIと歩む新時代のBtoBマーケティング戦略を考える

【アーカイブ配信】AIと歩む新時代のBtoBマーケティング戦略を考える

本ウェビナーでは、最新テクノロジー 生成AI や マーケティングオートメーションの有識者をお招きし、Salesforceの製品スペシャリストとともにAI・BtoBマーケティング の基本概念から実践のノウハウについて学び一緒に考えていきます。

専門知識を学習したAIが自律的に議論を行いアイデアを創出

2024年3月4日、株式会社博報堂は商品開発のプロセスを効率化するサービスマルチエージェント ブレストAI」の活用を開始したと発表しました。従来の商品開発は、初期計画段階から専門知識を持つ人材を多く巻き込み、打ち合わせや検討を重ねて詳細を詰めていくのが一般的でした。しかしこの方法では、市場投入までのリードタイムが長期化することや、アイデアが担当者の知見に依存してしまうことなどの問題があります。

マルチエージェント ブレストAI
出典:博報堂と博報堂テクノロジーズ、商品開発プロセスを効率化する AIサービス「マルチエージェント ブレストAI」の業務活用を開始

「マルチエージェント ブレストAI」は、商品開発の各段階で必要な知識を与えたAI同士が議論を行い、アイデアを創出。例えば企画や製造、物流、リテール営業など、各分野の専門人員の知識をAIに与えることで、「市場ニーズ探索・商品企画」から「商品開発・デリバリー」などの商品開発プロセスにおける議論をAIが自律的に行い、プロセス全体の効率化が図れます。

またAIに与える専門知識や人格を自由に設定できるため、多様性のあるアイデアが実現可能。議論の過程や根拠も可視化でき、科学的な検証や理論を基にした最適な結論と新規性のある企画が生成できます。さらに人間との対話やフィードバッグを行い、学習と改善を繰り返すことでより良い商品開発につなげられます。

新しいドリンクの試作もAIにおまかせ

サッポロビールは2022年に、日本アイ・ビー・エム株式会社と共同して商品開発AIシステム「N-Wing★(ニュー・ウィング・スター)」を本格実装。同システムには、これまでに商品化された約170商品で

N-Wing1.png

醸造匠AI

恋AIパン