個々の意思が反映されないチームではメンバーの責任感は生まれない
全員が「俺のプロジェクトだ」と思える目標を
私はときどき、「全員で1つの船に乗ろう!」という表現をします。それは「ピンチになったときでも1人だけ助かろうとしない、目標に向かってチームとして最後までやり遂げよう」というメッセージです。
たとえば、共通の目標を掲げたメンバーの乗った船が、船体破損によって今にも沈没しそうになったとします。そんなとき、数の足りない救命ボートを我先に奪い合うパターンと、全員で様々な知恵を出し合って破損した部分の修復に取り組み沈没を防ぐパターンが考えられます。
前者はチームの一員としての自覚と目標達成意識が薄く、自分の保身が最優先の集団です。後者は、「目標の魅力」と「メンバーの魅力」で結びつき、目標達成意識と共同体意識が高いチームです。後者であれば結果的に全員が助かる上に、引き続き目標に向かって前進できますが、前者はボートを奪い合う過程で殴り合いをして全員がダメージを受け、そうこうしているうちに船は沈没する、という惨めな末路が待っています。
健全な議論ができないチームでは、全員が「俺のプロジェクトだ」と思えるような魅力的な目標ができません(仮に目標は一致していても、プロセス・方法が一致せずに苦労するケースもたくさんあります)。そんなチームではメンバー同士の信頼関係も生まれません。「目標の魅力」と「メンバーの魅力」、この2つが揃うことが大切です。その結果、リーダー個人ではなくチーム自体に求心力が備わるのではないでしょうか。
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