「Relevance(つながり)」を生み出すヒントを見つける

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『Relevance(つながり):消費者及び顧客のニーズ、願望を満たすだけでなく、人口統計学及び地理学的に全体を網羅した意思決定の条件に合っている』

消費者調査では、よく購入意向を聞く質問が設けられます。しかし、そのデータを市場の可能性を測るためだけに使用するのはもったいないです。

購入意向を聞いた場合は、以下のクロス集計も試してみてください。
※ただし、分析するのに十分なサンプル数があることが前提となります。

[1.興味関心のある機能または特徴 x 年齢 x 性別]
年齢、性別によって興味関心のある機能や特徴に差があるかを確認できます。

[2.興味関心のある機能または特徴 x 購入意向の有無]
どのような機能や特徴が購入意向に影響を与えているかを確認できます。

[3.興味関心のある機能または特徴 x 購入意向あり x 年齢 x 性別]
年齢や性別によって購入意向に影響を与えている興味関心のある機能や特徴に差があるかを確認できます。

これらの結果をしっかりと分析することで、どのような機能や特徴が幅広い消費者のニーズや願望を満たす可能性があるかを見分けることができ、その結果を基にコミュニケーション内で伝えるべき機能や特徴を絞り込むことが可能になります。

定量調査の難しい点は、「複数の質問を掛け合わせた時に何を見出せるか」を理解したうえで質問を設定することです。そして、その結果を深く読み解くことなく今後の指針にしてしまうことは、調査から見抜けるはずの大きな可能性を見逃すことを意味します。

忘れないでください。その数値は「今」の状況を伝えるものであり「将来」を予言しているものではないということを。つまり調査結果は、既存のブランドの強化やポテンシャルのあるマーケットを見出すための参考データとして活用すべきであり、絶対的な将来の指針として使うべきではないのです。

次回はブランドの『独自性』が見つかる、定性調査の方法についてお話しします。

より深く分析するための定量調査

統計的なデータ処理に適している定量調査は、多くのサンプルを回収するため、より深く分析するのに向いています。その結果、一つの質問結果からでは見出すことのできない隠れた情報を見つけ出すことが可能になります。

そして調査結果は、あくまでも既存のブランドの強化やポテンシャルのあるマーケットを見出すための参考データとして活用する必要があり、将来の指針として使用することはおすすめしません。

※調査の設計内容や分析方法は、調査の目的によって大きく異なります。

▼前回の記事はこちら▼
消費者から選ばれるブランドは何が違うのか?