前回は、「『ブランディング』はなぜ必要か?」について説明し、特定のイメージと一緒にブランド名を記憶させることが重要だとお伝えしました。そして、ブランドの特徴を表すキーワードを用いたメッセージやイメージを開発し、継続的にマーケティング施策に組み込む必要性についてお話ししました。

今回は、米国Interbrand社が発表した『Best Global Brands 2018: Activating Brave』を参考にしながら、「消費者から選ばれるブランドは何が違うのか?」について説明していきます。

▼前回の記事▼
「ブランディング」はなぜ必要?あなたは説明できますか?

消費者に選ばれるブランドのイメージ

ブランドにとって非常に重要なことは、特定のイメージと一緒にブランド名を記憶させることというお話を前回お伝えしましたが、本当に消費者から選ばれているブランドは、イメージと一緒に記憶されているのでしょうか。

以下にあげるブランドは、ブランドと消費者との「タッチポイント」でしっかりとブランドの特徴を伝え、イメージの形成に成功していると個人的に感じているブランドです。これらのブランド名を聞いて、あなたはどのような言葉・イメージを思い浮かべますか?

1.Apple(アップル)
2.Dyson(ダイソン)
3.amazon(アマゾン)
4.Coca Cola(コカ・コーラ)
5.UNIQLO(ユニクロ)

恐らく多くの方が、そのブランドを代表する商品だけでなく、その商品を象徴する色、ブランド・ロゴ、そしてさまざまなタッチポイントで使用されているメッセージや音、雰囲気などを思い浮かべたのではないでしょうか。

例として、私が上記のブランド名と一緒に連想する言葉やイメージを以下にあげてみます。

1.iPhone、革新的、スタイリッシュ、スペースグレー、リンゴ
2.掃除機、デジタルモーター、風、ラウンド・シェイプ
3.ショッピングサイト、Kindle、何でも買える、即日配達対応
4.コーラ、炭酸飲料、老舗、赤と白のロゴ、クリスマス
5.カジュアルファッション、ヒートテック、手頃な価格帯、シンプルなデザイン

不思議なことに、私がこれらのブランドに対して持っているイメージは、商品の強みや特徴を示すものである一方で、どれも特定の消費者を連想させるものではありません。

そして、これらのブランドを実際に使用・購入している人を想像してみると、やはり年齢や性別、エリアなどが限定されていないことがわかります。

では、ブランドを強化するうえで、ターゲットを絞り込まないというのは、重要なことなのでしょうか。

ブランドを強化する6つの要素

米国Interbrand社が発表した『Best Global Brands 2018: Activating Brave』では、対外的にブランドを強化する要素として、以下の6つをあげています。

1.Authenticity(本物)
社内で保有する事実と能力に基づく明確な物語や根拠があり、且つ消費者の持つ(高い)期待に応えられるレベルのバリュー・セットを持っている。

2.Relevance(つながり)
消費者及び顧客のニーズ、願望を満たすだけでなく、人口統計学及び地理学的に全体を網羅した意思決定の条件に合っている。

3.Differenciation(差別化)
消費者及び顧客が、識別できる主張やブランド・エクスペリエンスを持つブランドであると理解できる。

4.Consistency(一貫性)
全てのタッチポイントやフォーマットを通じて、失敗のないブランドを体験できる。

5.Presence(存在感)
普遍的で消費者からポジティブに話され、従来のメディア及びソーシャル・メディアの両方で世論を生み出す。

6.Engagement(エンゲージメント)
消費者及び顧客が、ブランドに対し深い理解を示し、積極的に関わり、強い一体感を感じる。

Ⅱ. Relevance(つながり)にあげられている通り、実は対外的にブランドを強化するうえでターゲットを絞り込みすぎないというのは、非常に重要な要素の1つなのです。しかし一方で、商品やサービスのマーケティング戦略を立てる際、多くのマーケターはターゲットを極端に絞り込んでいると感じることがあります。

では、どうすれば上記のブランドのように幅広い層に購入してもらえるようになるのでしょうか?

複数のペルソナを作成し、共通する価値を明確にする

私が個人的に取る手法としては、3〜5つの年齢や性別、家族構成などが異なるペルソナを作成することです。さまざまな立場のペルソナを作成するメリットは、複数のペルソナが共通して期待する「価値」がいくつか見えてくる点です。

その「価値」が明確になれば、それを軸に幅広い層に刺さるメッセージの開発などが可能になり、その結果さまざまな消費者に手に取ってもらうきっかけを作ることができるのです。