「計画を立てても実行中に状況が変わり、最後まで完遂できない」
「計画通りに実行しているのに成果が出ず、改善策が浮かばない」

PDCAサイクルを回していて、このような壁にぶつかったことが一度はあるのではないでしょうか。

PDCAは業務改善のための手法として、多くの企業が取り入れています。計画から実行、改善策まで一連の活動の流れが明確なため、どんな業務でも応用することができます。

一方、近年は市況や環境の変化のスピードが早くなっており、実行するときにはすでに計画自体が破綻しかけているような状況も起こるようになりました。

そんな中、状況の変化にも対応しながら、柔軟に戦略を変えていく手法である「OODA」に注目が集まっています。OODAは、状況が常に変化する戦争中に生み出された、行動における判断と実行のための手法です。

今回は、PDCAとOODAそれぞれの意味を解説します。違いと特徴を理解し、自分自身や自社の行動計画を見直してみましょう。

目次

  1. PDCAとは
  2. PDCAの4段階
    1. 【1】Plan(計画)
    2. 【2】Do(実行)
    3. 【3】Check(評価)
    4. 【4】Action(対策 )
  3. PDCAの課題
  4. OODAとは
  5. OODAループの4段階
    1. 【1】Observe(観察)
    2. 【2】Orient(方向付け)
    3. 【3】Decide(意思決定)
    4. 【4】Action(実行)
  6. PDCAとOODAの違い
  7. まとめ

PDCAとは

PDCAとは、業務管理・業務改善のための手法です。
Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(対策)」の4段階を繰り返しながら改善を進めていきます。「PDCAサイクル」ということもあります。

もとは生産管理や品質管理の手法

PDCAは、1950年代にアメリカの統計学者であるウィリアム・エドワーズ・デミング博士が提唱しました。元は製造業における生産管理や品質管理の手法として使われていましたが、広がっていくうち、経営哲学としても発展しました。

現在は、企業の規模や業種、職種に関係なく、幅広く活用されています。

PDCAの4段階

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【1】Plan(計画)

「Plan(計画)」では、目標達成のための計画を立てます。目標と現状を比較し、そのギャップを埋めるために何をしたらいいかを考えます。

【2】Do(実行)

「Do(実行)」では、【1】Planで立てた計画を実行します。次の段階で計画と行動を正しく評価するため、計画に対して忠実に実行します。

【3】Check(評価)

「Check(評価)」では、【2】Doで実行した結果を評価します。計画通りに進められたか、計画通りの結果を得られたかを検証します。

成功した場合も失敗した場合も、その要因を分析して考えることが重要です。

【4】Action(対策)

「Action(対策)」では、【3】Checkの結果、計画通りに進んでいないところを見直し、今後の対策を決めます。一連の流れを終えて新しい方向性が定まれば、【1】計画に戻ります。

PDCAの課題

PDCAは、計画から実行後の改善まで明確な段階に分かれていて指標としやすいメリットがあります。ただ、完璧すぎる計画を立ててしまうと、環境の変化に対応できないデメリットも生じます。

前述したとおり、PDCAは元々製造業の品質管理のための手法でした。
そのため、決まった行動を行う限り毎回同じ結果が得られる行動に関しては、高い効果を得ることができます。しかし、例えば人の意思決定が関わる行動などでは、実行段階の環境が既に計画段階より変わっている可能性があります。

また、本来の計画自体を検証することなく、計画通りの実行だけに注力してしまい、成果につながらないこともあります。

OODAとは

OODAとは、状況に応じて意思決定を行うための手法です。状況を見ながら未来を予測し、それに基いて今後の行動を決定して実行するという一連の行動をまとめています。「OODAループ」ということもあります。

Observe(観察)」「Orient(方向づけ)」「Decide(決定)」「Action(実行)」の4段階で進めます。

変化に弱いPDCAに代わる、もしくは補強する手法として、近年日本の企業も取り入れ始めています。

アメリカの空軍の戦略が発祥

OODAは、1950年の朝鮮戦争の際にアメリカ空軍のジョン・ボイド大佐が提唱しました。戦況が常に変化する戦時中においては、当初の計画に従順に従うだけでなく、素早く状況を判断して次の行動を起こすことが求められます。

OODAは今やアメリカ軍を始め、世界中の軍隊が取り入れています。

D-OODAループ

OODAの他に、「D-OODA」モデルもあります。これはOODAに「D(Disign)」の要素を加えています。

ここでいう「Disign」とは、目標設計を意味します。変化に柔軟に対応するからこそ、前提の大筋となる目標設計は明確にしておく必要があります。最終的に何を目指すのかという軸をしっかり定めておくことで、変化に対応しながらも根底ではぶれない行動を起こせるようになります。

OODAループの4段階

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【1】Observe(観察)

「Observe(観察)」では、周囲の状況を観察します。サービス開発を例にとれば、「3C分析」を使って市場・競合・自社を分析するなど、出来る限り的確に把握します。

【2】Orient(方向付け)

「Orient(方向付け)」では、【1】Observeで分析した結果を踏まえ、戦略の方向性を定めます。

【3】Decide(意思決定)

「Decide(意思決定)」では、【2】Orientで定めた方向性や戦略を、実行レベルまで落とし込みます。次にとるべき行動が定まれば、意思決定を行います。

【4】Action(実行)

「Action(実行)」では、【3】Decideまでに決めた行動を実行します。実行中、状況が変化したと思ったら、【1】Observeに戻って現況を把握します。

PDCAとOODAの違い

PDCAは上述したようにもともとは生産管理や品質管理の手法です。
そのため「決まっている工程で、どうすれば低いコストでより多くの効果を発揮できるか」を解決するのに適した手段です。

一方でOODAは状況に応じて意思決定を行うための手法です。
そのためPDCAのような決まった業務のフロー改善ではなく、明確な工程のない物事に対して意思決定を行うための手段です。

まとめ

日本でもOODAを取り入れる企業は増えてきています。ただ、これまでのPDCAを全てOODAに切り替えればいいというものでもありません。

事業全体の計画など、大局を見据えるべきものに関しては、土台としてPDCAをしっかり定めておくことも重要です。PDCAを基本にして、状況に応じてOODAの考えを取り入れていく柔軟さをもっておくと良いでしょう。

これまで慣習的にPDCAを取り入れていた方も、一度見直してみてはいかがでしょうか。