ネット広告を作成するときに、いくつかのパターンのうち、どれを採用するか迷うことはありませんか?

もちろん、どちらが多くのコンバージョンを獲得できるか、といった成果を考えながら決めるわけですが、「やってみなければわからない」というのが実際のところです。

こういったどちらが効果的かという検証は、実際に広告を配信して実績を比較するべきですが、順番に1つずつ広告を配信すると、配信期間などの外部環境が異なります。精度の高い検証をするためには、同じタイミングで複数の広告パターンを配信して成果を比較するA/Bテストが有効です。

Webページの比較検証に使うA/Bテストのツールをよく見かけますが、Facebook広告にはデフォルトの機能として搭載されています。費用を伴いながら配信する広告こそ、A/Bテストでシビアな見極めを繰り返しながら、最適化を進めたいところです。今回は、このFacebook広告A/Bテスト機能を解説します。

Facebook広告のA/Bテスト機能とは

Facebook広告A/Bテストは、使用する変数を指定すると、自動的に対象とするパターンを変更しながら広告を配信します。そして、変数に伴い広告のパフォーマンスを評価するものです。テストできる変数は、「ターゲット」「配信の最適化」「配置」「クリエイティブ」「製品セット」です。これらの中から1つを選択できます。

たとえば、クリエイティブの違いによるパフォーマンスをテストすると、「画像」「動画」「見出し」「テキスト」「コールトゥアクション(CTA)」の成果を数値で確認できます。また、同じ広告でもターゲットを変数にしてA/Bテストを実施すれば、どのような属性の人が広告のターゲットになるのかイメージできるでしょう。このように、目的に応じて適切な変数を設定すれば、有意なA/Bテストを実現できるのです。

精度を考えるとA/Bテストの予算は、ある程度多めに考えなければいけません。適正な予算の見当がつかない場合はFacebookが提案するおすすめの予算を使用できます。ちなみに、テスト期間が短過ぎると十分なデータを得られない可能性があるので、予算との兼ね合いを考えて設定しましょう。

設定方法

さて、実際にFacebook広告A/Bテストをやってみましょう。A/Bテストの設定方法は以下です。広告マネージャを操作します。

1)キャンペーンの作成
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最初にキャンペーンを作成します。「マーケティングの目的は?」と聞かれますので、目的を選択してください。A/Bテストは「コンバージョン」の列にある「来店数の増加」以外なら設定できます(2019年10月時点)。選択する目的に応じて、この後のステップで設定する項目が異なります。

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目的の選択が終わると、画面下に設定項目が表示されます。この画面は「コンバージョン」を目的にした場合のものです。「キャンペーン名」には、自分でわかりやすい名称を入力してください。デフォルトでは「コンバージョン」になっています。次に「A/Bテストを作成」のスイッチを「オン」に変えます。すると「何をテストしますか?」と変数となるものを尋ねられますので、「クリエイティブ」「配信の最適化」「ターゲット」「配置」の4つの中から好きなものを選択します。1つのキャンペーンで指定できる変数は1種類ですので、いろいろな変数でテストをしたい場合はテスト時期を別で設定しましょう。「広告アカウントを設定」をクリックしてキャンペーン設定は完了です。

2)広告アカウントの設定
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アカウント情報として、「アカウントの国」「通貨」「時間帯」を設定します。日本で設定しているアカウントであれば、アカウントの国は「日本」、通貨は「日本円」で設定されているかと思います。時間帯は「Asia/Tokyo」を選択しましょう。この部分は、広告の請求やレポートのデータに記録されるものです。設定が終わったら「次へ」をクリックします。

3)広告セットを設定します。
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A/Bテスト広告セットを作成します。広告キャンペーンで選択した広告の目的によって設定する項目が異なります。たとえば、「コンバージョン」を目的として設定した場合、コンバージョンの対象を設定するのが最初です。「ウェブサイト」「アプリ」「Messenger」「WhatsApp」から選択します。デフォルトのまま「ウェブサイト」しておくと、計測するためのピクセル情報の記載とコンバージョンイベントの選択がありますので、該当する「イベント」を選択してください。
これが「トラフィック」を広告の目的にした場合は、コンバージョン対象の設定はなく、宣伝するFacebookページの選択が表示されます。複雑なものは表示されませんので、適宜設定しましょう。

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下にスクロールすると、「A/Bテストの予算と期間」という項目があります。予算は、どの広告目的でも設定が必要になる部分です。
予算は、1日の予算として、Facebook広告の推奨金額が入っていますので、必要に応じて変更します。金額の入力欄の下に「テストの推定パワー」という項目がポイントです。テストの推定パワーが80%以上になる予算を設定することが推奨されています。80%以上に設定するとテストが成功する可能性が高まります。

次に「期間」という項目があります。3日未満は十分なデータを得られない可能性があるため、テストの実施は少なくとも4日間の実施が推奨されています。

4)広告をセットして配信
配信する広告を設定しますが、変数によりセットする広告が異なります。「クリエイティブ」を変数にする場合は、広告Aと広告Bを作成しなければいけません。「配信の最適化」「ターゲット」「配置」の場合は、1つの広告を作成します。いずれも通常の広告作成のように、広告の形式やメディア、テキスト広告リンク先などを設定しましょう。確認の上、実行して配信を開始します。

A/Bテストの結果の確認方法

A/Bテストが終了したら、結果はレポートテーブルで確認できます。成果の高い広告セットや広告はアイコンが付与しており、一目でわかるようになっています。また、フィルターを使うとA/Bテストで使ったキャンペーン広告セット、広告を抽出してレポート化が可能です。広告セットの中で成果を上げたものや、広告セットの成果単価や信頼度(同一のテストを実施した場合の再現性)についてのデータを得られます。

また、テストの結果は、メールでも配信されます。A/Bテストはすぐに終了するものではないため、通知となるメール配信があるのはとても便利です。メールには、成果を上げた広告セットや信頼度、予算や期間などA/Bテストの設定情報、目標達成の回数、広告で結果を得た平均単価広告により使った費用の総額、予算配分などが記載されています。

テストで見ておくべきポイント

Facebook広告A/Bテストには、「信頼度」が表示されます。「信頼度」は、もし同じ広告テストをもう一度実施したとすれば、同じ結果が出る確率を示しています。つまり、信頼度が高いほど、精度の高いテスト結果ということです。A/Bテストを行い、比較したパターンの中で、成果の獲得単価が最も低いものが信頼性が高ければベストということになります。パフォーマンスが高かったパターンに対し、さらに別のパターンを加えたテストができれば、より効果的なパターンの発見につながるかもしれません。

しかし、必ずしも明確な成果が出るとは限らないのです。予算が少ない場合や、パターンの内容が酷似しているなど、何かしらの要因で成果が出ず、信頼性の低いこともあります。このような結果が出ても、「これも結果である」と考えるべきです。テストの内容を変えて再度トライしてみましょう。もちろん、変数の変更をするのも1つですし、クリエイティブなら別のものにするのもよいでしょう。システムとしての機能は整っていても、それを使う人の経験も大切ですので、ポイントを押さえて積極的に経験を積みましょう。

まとめ

広告オーガニックサーチによる集客とは異なり、コストが伴っているものです。広告の費用対効果を出せるよう調整をするには、積極的なA/Bテストの実施が大切です。しかし、A/Bテストを実施するにも、まずは仮説を立てることからはじめなければいけません。深く考えずにA/Bテストをはじめると、得られる結果もぼやけてしまい、何を検証したかったのかよくわからなくなってしまうのです。
「パターンの違いによって、成果がどのように異なるのか知りたい!」という改善へのモチベーションがあれば、きっと有意な仮説を立てられるでしょう。あわせて、仮説を立てるときは、頭の中でだけ考えず、ほかの人と共有できるレベルの整理をしておくことが大切ですので注意してください。

仮説を立てる力を養い、A/Bテスト機能を使いこなすことができれば、PDCAをどんどん加速できます。Facebook広告のパフォーマンスの最大化に尽力しましょう。