アプリプロモーションを考える際に必要になってくる「アプリへの集客」と「アプリへの定着」。そのうちの「アプリへの定着」を目的とした、リテンション施策がここ数年で注目されるようになってきました。

リテンション施策は「アプリをインストールした人」への施策です。そのため成果を上げるためには、アプリから取得できるデータを活用したターゲティングとコミュニケーション設計が必要となります。

アプリ向けのプライベートDMP「ART DMP」を持つD2C Rは、多くのお客様にご協力いただき、様々なリテンション施策について取り組んできました。

この記事では、その中で得たデータの蓄積に関する知見やデータを活用したターゲティング、コミュニケーション術について紹介していきます。

「データ」について知る

取得できるデータが何を意味する情報で、どのように蓄積されているのかがわかれば、具体的な分析アウトプットを考えやすくなります。

アプリマーケティングによく用いられている広告効果測定ツール(adjust、AppsFlyerなど)を用いて取得するデータをベースとして、まずはデータについて簡単に説明いたします。

広告効果計測ツールから得られる情報

広告効果測定ツールはSDKとして配布されており、アプリ内に埋め込むことで各アプリ利用者の「インストール」や「課金」を計測できます。

また、「インストール」や「課金」などのイベントだけでなく、そのイベントを発生させた日時やユーザが利用している端末の広告ID、機種、アトリビューションした媒体、利用している国などが紐づいて計測されています。もちろん、個人を特定する個人情報は結びついていません。

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このようなイベントの設定は任意でできるため、マーケティングに活用するにはどのイベントを設定するかが重要になってきます。
アプリ内の重要機能やステータス(会員登録やレベル等)にまつわるイベントは設定しておくことがおすすめです。

また、イベント発火時に紐づける情報は任意で追加可能です。
例えば、「アプリ起動」イベント時に「お気に入り設定しているキャラ」情報を紐づけてデータ計測も可能です。

起動データを集計して、お気に入りキャラごとにターゲティング用のリストを作れば、ユーザの最新の好みに合わせたマーケティングも可能となります。

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このように「独自にデータを集計する」「広告IDリストを作る」といった、データを活用した施策を行ううえでは、DMPのようなツールを利用することで活用が容易となります。

「ターゲティング」「コミュニケ―ション」について知る

データを活用する仕組みを整えられると、様々な施策を実現できるようになります。

例えば「検索機能を使ったことがないユーザ」に「検索機能の便利さを伝えたい」とします。
その場合検索機能の利用箇所にイベントを設置することで、「検索機能を使ったことがないユーザ」をターゲティングし、「検索機能の便利さを伝える」コミュニケーションを図っていきます。

ターゲティングによるピンポイントなコミュニケーション

インストール済ユーザのうち、検索機能を使ったことがあるユーザを除けば、「検索機能を使ったことがないユーザー」のターゲティングが可能です。

抽出したデータをプッシュ通知ツールや広告媒体に送ることで、そのユーザーだけに配信をするピンポイントなコミュニケーションが可能となります。

どのタイミングでコミュニケーションを取るか考える

コミュニケーションの内容を考えるうえでは、ユーザの生活導線上で、どのタイミングで発信するべきか考える必要があります。

コミュニケーション方法としては以下のような方法があります。

アプリ利用外でのコミュニケーション
・プッシュ通知
・リテンション広告

アプリ利用中でのコミュニケーション
・アプリ内メッセージ

今回の例は、アプリ利用中の検索機能がよく使われるポイントでアプリ内メッセージを発信するのがひとつ有効な打ち手となるケースですが、ユーザのアプリ利用頻度が落ちている場合はプッシュ通知やリテンション広告のようなアプリ利用外のチャネルでコミュニケーションを図るのもよいでしょう。