企業が提供する商品やサービスには「BtoC(個人向け)」「BtoB(法人向け)」の2種類があります。商材にもよりますが、BtoCBtoBどちらも提供している企業も多く存在します。

企業の中には、現時点ではBtoCBtoBどちらか一方だけを提供しており、今後両方に対するサービスを提供したいと検討していることもあるのではないでしょうか。

しかし、BtoCBtoBはそれぞれ対個人、対企業とターゲットが大きく異なるためマーケティング方法がことなります。そこで、新たに認知や購買を目的とした施策を計画しなければなりません。

今回は、BtoCマーケティングBtoBマーケティングの違いを解説します。また、それぞれを提供している企業のホームページの事例をまとめているので、施策の参考にしてみてください。

BtoCマーケティングとBtoBマーケティングの違いとは

BtoCは企業対個人取引、BtoBは企業対企業取引という違いがあります。では、マーケティング活動を行う上で、どのような点に違いがあるのでしょうか。

決裁者の違い

BtoCマーケティングの場合、対個人であることから商材を検討している人がそのまま決済者となります。

一方で、BtoBマーケティングの場合、検討している担当者と最終的な決済者がことなる場合があるという違いがあります。顧客の企業により、購買のフローは異なりますが、主に下記のような段階に分類することができます。

1.認知し社内で情報を展開する担当者
2.商談を行う担当者
3.商材に対して購買するかを検討する担当者
4.決裁権を持った担当者
5.商材を利用する担当者

そのため、BtoBマーケティングは認知する担当者や商談を行う担当者だけでなく、決裁権を持った担当者の行動を引き出せる施策を実施する必要があります。

購買に至る基準と訴求方法の違い

BtoCマーケティングBtoBマーケティングは決済者だけでなく、商材の訴求方法も異なります。

BtoCマーケティングで商材の訴求を行う場合、商材を認知した人物に対して、いかに短期間で購入を決意させるかを重視したマーケティングが主流です。例えばコンテンツにおいて、ビジュアルのリッチ化や、感性的なクリエイティブ、利用イメージの想起しやすさなどが用いられます。

一方で、BtoBマーケティングで商材の訴求を行う場合、商材を認知する人物は必ずしも決裁権を持っている担当者ではありません。認知した人物から決裁権を持った人物まで到達する必要があるため、BtoCマーケティングと比べて購買までのプロセスが長期化する傾向にあります。

そのため、商材の具体的なスペックや、導入コスト、運用・保守に関するコスト、ROIなどが重視されます。ビジュアルは要素として必要になりますが、あくまで論理的かつ具体的な訴求が重視されます。

この訴求方法の違いについてわかりやすい企業の事例を次に紹介します。

参考:
BtoBマーケティングで覚えたい3つの基本と8つの特徴 | カイロスのマーケティングブログ

BtoC・BtoBそれぞれの商品やサービスを提供する企業の事例

ここまで、BtoCマーケティングBtoBマーケティングの違いについて解説しました。さらに具体的なイメージを学ぶためには、企業が実際に行っているマーケティング方法の違いを確認すると良いでしょう。この記事では、主に企業の商材ページ上で確認できるコンテンツの違いをもとに事例を紹介します。

メッセンジャーアプリ「LINE」

利用者の多いメッセンジャーアプリ「LINE」には、BtoB向けとして、LINE株式会社の兄弟会社であるワークスモバイルジャパン株式会社害提供する「LINE WORKS」があります。

BtoC向け:「LINE」

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https://line.me/ja/

「LINE」のホームページでは、「国内外での通話無料」や「いつでも どこでも無料メール」のように、ひと目みるだけで利用するメリットを理解できる直感的なクリエイティブが活用されています。

また、ゲームコンテンツや決済機能など消費者にとって便利な機能をイラストとともに解説しているのが特徴です。

BtoB向け:「LINE WORKS」

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https://line.worksmobile.com/jp/

「LINE WORKS」のホームページでは、イラストこそ「LINE」のようなポップな印象ですが、セキュリティや活用方法のセミナー情報、事例コンテンツなど、企業に導入する上でのメリットを中心に解説しています。

利用料金や詳細な機能、導入している企業の事例など、決済担当者が認知していなくともメリットを理解できるホームページの設計になっているのが特徴です。

ノートパソコン「VAIO」

ノートパソコンやスマートフォン「VAIO」シリーズを提供するVAIO株式会社は、ソニー株式会社からの独立を機に、BtoBマーケティングに注力したという背景があります。ホームページのデザインやコンテンツにおいてもその違いは明確に現れています。

BtoC向け:VAIO

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https://vaio.com/

BtoC向けの「VAIO」のホームページでは、VAIOの強みであるビジュアルを最大限強調しています。また、トップページではスペック表記はほぼ無く、キャッチコピーや商品写真を際立たせたデザインが特徴です。

また、紹介動画や製造の背景、愛用者のインタビューなどストーリー性を持たせたコンテンツが中心になっており、消費者の感性に訴えかける構造になっています。

BtoB向け:「[法人向け] VAIO」

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https://vaio.com/business/

BtoB向けの「[法人向け] VAIO」では、BtoC向け「VAIO」よりもビジュアル訴求が控えめに施されているのが特徴的です。サイドバーにはインサイドセールス担当者宛の電話番号や資料ダウンロード用バナーが記載されており、商談への導線設計が施されています。

また、トップページの商品一覧の項目には、搭載されているOSや画面サイズ、サポート情報などが記載されている点がBtoC向けの「VAIO」と大きく異なります。

VAIOのオウンドメディア「Work × IT」へも遷移できる設計になっており、コンテンツマーケティングも実施し、潜在的な顧客に対するアプローチも行っていることがわかります。

まとめ

商材を顧客に販売するという点において、BtoCBtoBは共通していますが、購入決定者が大きくことなります。BtoC取引は消費者個人の関心に基づいて本人が決済を行います。一方で、BtoB取引は、商談時の担当者と決済者が異なり、複数人を経由する場合が殆どで、BtoCと比べて認知から購買のプロセスが異なります。

そのため、BtoBマーケティングにおいて個人へのアプローチを主軸にしたマーケティングではなく、企業にとってのメリットを合理的に訴求することが大切です。その具体的な違いは、LINE株式会社やVAIO株式会社の商材紹介ページからもわかるでしょう。

もし、今後BtoC向け・BtoB向けそれぞれの商材の提供を計画しているのであれば、事例をもとにマーケティング施策を考えてみてはいかがでしょうか。