企業が販売する製品やサービスには大きくわけて2つ、法人(Business)向けと消費者(Customer)向けというターゲットの違いがあります。それぞれBtoBBtoCと表現され、内容や価格、購入する数の単位が大きく異なります。

一見全く別物と思えますが、BtoBの製品がBtoCとして売り出されて成功を収めることも少なくありません。
実は法人向けの製品の中に、消費者のニーズが隠れている場合があるのです。ホームページ運営をしていると、法人向けなのに意外と個人からの問い合わせもあるとビックリされる方もいるでしょう。

今回はBtoBBtoCの意味、そしてホームページを活用し、法人向け製品を消費者向け製品として成功させた事例を紹介します。

BtoB・BtoC・CtoCの定義

large.jpeg
(ちなみにBtoBBtoCCtoCはB2B、B2C、C2Cと表記されることもあります。)

BtoBとは

BtoB(Business to Business)とは、企業間取引を意味し、企業が企業に向けて商品やサービスを提供する取引を指します。

BtoBはターゲットが限定されており、また取引先も固定されている場合が多いため、TV広告などのマス向けプロモーションは適していません。

新規顧客獲得施策を行う場合は、リスティング広告テレマーケティングなど対象企業に直接アプローチできるような集客方法を取るのが一般的です。

BtoCとは

BtoC(Business to Consumer )とは、企業が個人に対して商品・サービスを提供する取引を指します。例えば、家電メーカーやアパレル、デパートなど、一般消費者に向けてモノを売る企業がBtoCです。

消費者の認知度が重要であるBtoCの場合はマス向けのプロモーションを軸に顧客獲得施策を行う場合が多く、利用する媒体はテレビ、雑誌、新聞などのマスメディアや看板広告など、多くのユーザーにリーチできるものがメインです。

BtoCの場合、BtoBのように企業間での継続的な取引ではないため、個人が商品を購入する時にいかに選んでもらえるかが重要となります。

例えば「ガムを食べたい」というニーズを持った消費者に自社製品を選んでもらうためには、「ガムといえば◯◯」というイメージを持たせるためのブランディング施策が不可欠です。そのため、多くのBtoC企業は認知拡大とブランディングのために、マス向けの広告に予算を投下しています。

参考:
実はよくわかってないかも?コンテンツマーケティングを成功させるために必要な「ブランディング」の基本と重要性を解説!

CtoCとは

CtoC(Customer to Customer)とは、一般消費者が一般消費者にモノを売るビジネスモデルを指します。近年注目されている取引モデルです。

フリーマーケットがまさしくCtoCのビジネスモデルであり、古くから存在してはいましたが、ここ数年オンライン上でのCtoCサービスが盛り上がりを見せています。

オンラインフリマアプリの「メルカリ」は、日米合計で約3,200万DLを突破しており、累計で126億円の資金調達を実施しています。同じくオンラインフリマアプリの「Frill」も10億円資金調達しており、市場が急速に成長している様子が窺えます。

参考:
フリマアプリのメルカリ、今度は84億円の大型資金調達——評価額10億ドル超の日本発ユニコーンに | TechCrunch Japan

「フリル」、10億円調達で次のステージへ 激闘C2C市場最前線を追う<3> | スタートアップのビジネスモデル - 東洋経済オンライン

法人と消費者の考え方の違い

法人と消費者は、それぞれ商品をどのような視点で見ているのでしょうか。

法人の担当者は利益を追求する企業の一員として商品を選びます。そのため「商品が自社の収益を増やせる存在か」を最も重視します。また、自社の継続のため、その商品がずっとあり続けるものなのかという視点も持っています。

例えば、お弁当の製造を行っている企業が炊飯器を購入する際には、安く品質の高い米が炊けるか、炊いた米は自社の製造する弁当のウリになるかなどが重視されます。

では消費者はどうでしょうか。
消費者は自分の要望やセンスに合った製品を選びます。価格の安さという経済的利益は基準の一つでしかありません。

炊飯器を買う時も、自分が美味しいと感じる炊き上がりなのか、色は今のキッチンに合った色か、自分の好きなメーカーか、と十人十色の基準によって選びます。

スクリーンショット_2016-11-17_15.02.52.png

参照:
企業(法人)向け販売と、消費者(個人)向け販売では、売り方はどのように違うのでしょうか?

上記のように法人と消費者では判断基準や意思決定者(購入を決める人)は異なります。
たとえ同じ製品であっても、法人と消費者それぞれの視点で見ていることを意識しましょう。
BtoBの製品からBtoCの製品に転換する上では、この違いを乗り越え消費者にとって魅力的であるかが重要です。

BtoBからBtoCへ製品転換の事例

では、どのようにBtoB向けだった商品がBtoC向けとして成功を収めているのでしょうか。

2つの事例をご紹介します。

ダイキン工業株式会社 うるるとさらら

ダイキン工業株式会社HP.png
ダイキン工業株式会社ホームページ

家庭用エアコン「うるるとさらら」で有名なダイキン工業株式会社、実はもともと飛行機のエンジン用排熱設備から始まった会社です。

排熱から空調の分野に事業を拡大し、ビルや店舗用のエアコンを開発しました。その技術を利用したのが家庭用ルームエアコンの「うるるとさらら」だったのです。

この商品は空調に関する長年の研究を活かした機能だけでなく、水をモチーフにした親しみやすいキャラクターによりヒット商品となりました。

スクリーンショット_2016-11-17_15.36.12.png
キャラクター ぴちょんくん
ぴちょんくんNOWホームページ

日本ペイントホールディングス ROOMBLOOM

日本ペイントホールディングス株式会社.png
日本ペイントホールディング ホームページ

塗料メーカーとして国内でトップレベルのシェアを誇る日本ペイントホールディングス。
自動車や建物に塗る塗料を法人向けに販売してきた、典型的なBtoB企業と言えるかもしれません。

以前からホームセンターで個人向けに塗料(ペンキ)を販売してきましたが、現在淡い色合いとポップなパッケージの「ROOM BLOOM」という商品が話題になっています。

_ROOMBLOOM.png
ROOMBLOOMホームページ

ROOM BLOOMは女性向けのデザイン性の高い塗料で、DIY(Do It yourself:業者ではなく自分で家具などの品物を作成すること)に使いやすい色合いと「パリの朝」「茶室」「散歩道」のようにユニークな名前色が特徴的です。

前年比で2倍以上の売り上げを生み出し、法人向けだけでなく消費者向けの市場の開拓に成功したといえるでしょう。

成功のポイント

事例として紹介した2つの企業、それぞれ法人向けの企業ですが、消費者向けの商品でも成功を収めました。そのポイントは何でしょうか。

ホームページを見ながら、成功のポイントを探っていきます。

消費者の特徴1:感覚重視

記事の冒頭で法人と消費者の考え方の違いを説明しました。
その中で紹介したとおり、消費者は感覚的に商品を購入することがあります。
自分にとってどのようなメリットがあるか合理的に考えるだけでなく、何となく気に入ったらから買うのも消費者にとっては普通なのです。

うるるとさららのキャラクターぴちょんくんは、パッと見た瞬間可愛さを感じるような丸いフォルムをしています。
業界内はともかくBtoBで活動してきた企業は消費者の認知度が低いので、親しみやすいキャラクターでアピールするのは効果的でしょう。

キャラクター戦略はCMだけでなく、ホームページを使ったぴちょんくんの特設サイトにも現れています。本社ビルの上に大気の状態によって色が変化する大ぴちょんくん看板を設置し、消費者の驚きに訴えかける手法も面白いですね。
ちなみに営業車までぴちょんくんにするなど、徹底しています。

ダイキンのかわいすぎる営業車「ぴちょんくん号」 デビュー8年、目撃情報いまだ続々

また、ROOMBLOOMではターゲットである30~40代の女性に「オシャレで自分に合っている」と直感的に思わせるスタイリッシュなデザインのホームページを公開しています。
日本ペイントホールディングスの公式サイトとは別のサイトとして作成し、簡単に取り組めるDIYの方法や色の組み合わせ方などを紹介しています。

このようにターゲットとなる消費者にとって心地いいデザインであることは、成功を収めるための大きなポイントといえるでしょう。

消費者の特徴2:購入検討は短期間

法人と消費者では購入の検討期間も異なります。
複数の社員でリスクを検討しながら判断を下す法人と違い、消費者の場合は高額でない限り気に入ったものは、その日のうちに買うことのが多いでしょう。
一方では、興味が過ぎ去れば忘れてしまう可能性もあるということです。

そこで、消費者の買いたいと思ったタイミングで購入できる体制をとっておくことが求められます。

ROOMBLOOM___商品のご案内.png
ROOM BLOOM Onlineshop

ROOM BLOOMはホームページ上にネットショップを開設しています。
消費者が欲しいと思ったら店に行かずに購入できるので、買いたいと思った商品を忘れてしまうこともありません。
スターターキットを提供することで、初心者が必要とする複数の商品をページから集めてくる手間も減らしています。

このように、消費者の購入期間の短さに合わせ、すぐに購入できる仕組みを整えることもBtoCビジネスの成功のポイントです。ネットショップを開設できない場合でも、ホームページでは購入できる場所や商品のパッケージを案内するようにしましょう。

まとめ

・BtoBでずっとやってきたから、消費者がどんな視点で見ているかわからない
・消費者向けにも商品を展開したいけど、成功した例があるのか不安
・ホームページではどんなところに気を付けたほうがいいの?

など、BtoBの企業がBtoCへと展開するには悩みが尽きないのではないでしょうか。

ですが、元は法人向けでも工夫次第で、消費者向けの商品やサービスになります。その際には顧客に合わせてホームページやネットでの情報発信の内容も見直し、より売れる製品やサービスに育てていきましょう。

自社のサービスが法人しか対象にしていなくても、消費者向けのニーズが潜んでいる可能性もあります。自分がプライベートで自社のサービスを買うだろうかと、消費者目線で見てみたら新しい発見があるかもしれません。

##この記事を読んだ方におすすめ

「個人の消費者」と「企業の担当者」購買の基準はどう変わる?BtoCとBtoBマーケティングの違いと事例を解説

「個人の消費者」と「企業の担当者」購買の基準はどう変わる?BtoCとBtoBマーケティングの違いと事例を解説

企業が提供する商品やサービスには「BtoC(個人向け)」「BtoB(法人向け)」の2種類があります。商材にもよりますが、BtoC・BtoBどちらも提供している企業も多く存在します。今回は、BtoCマーケティングとBtoBマーケティングの違いを解説します。また、それぞれを提供している企業のホームページの事例をまとめているので、施策の参考にしてみてください。