「オトナ女性」に集まる注目

女性の消費力の高さは、今年10月に東京で開催された「アドテック東京」でも注目を集めました。

パネルディスカッション「オトナ女性の購買心理、2019年のトレンドを探る」に登壇したエアークローゼットの天沼氏、Wondershakeの伊藤氏、ラクサスの児玉氏は、購買力が高い30代と40代の「オトナ女性」をターゲ ットにしたアプリ事業を展開しています。

エアークローゼットは月額制のファッションレンタルサービス、ラクサスはブランド物のバックのレンタル、 Wondershakeは女性にファッションや美容に関する情報を提供するニュースフィード「LOCARI」を運営してい ます。

エアクローゼットの天沼氏は、「このようなアプリが成功しているのは、毎日が忙しいために、ゆっくりショッピングをしたり家事をこなすための時間と心の余裕がない女性が増えている日本社会の背景が、サービスにマッチしている」と語りました。

また、ものを買って満足を得るのではなく、有名デザイナーの商品を使ったり身に着けたりする体験自体に価値を見出す女性が増え、それがエアークローゼットやラクサスを成功に導いている要因ではないかと分析していまし た。

アプリの用途は様々ですが、ライフスタイルの多様化か進む現代において、オトナ女性が自分のための時間を取り戻すためのツールとして、今後も人気を集めると予想されます。

女性のアプリユーザーにどうアプローチするか

日本で市場を拡大したいと考えるモバイルマーケターは、女性アプリユーザーを集客する上で検討しておきたいポイントがいくつかあります。

自社アプリはが女性の特定のニーズを満たすアプリになっているか確認する

女性ユーザーの関心にマッチしたビューティやファッション系のアプリは、それだけでマーケティング施策も行いやすい利点があります。しかし男女問わずデザインされたアプリの場合は、女性の視点から見直しすることが大切です。

女性をターゲットにしたユーザー獲得キャンペーンを施策する

「アプリのどんなポイントを中心にプ ロモーションしたいのか」や「女性層にどうアピールするのか」について、A/Bテストなどを行って、さまざまなクリエイティブを試し、ユーザーを惹きつけるメッセージを見つけましょう。

アプリのアピール度を高める方法として、SNS要素を取り入れる

電通の調査によると、20代の女性がソーシャルメディアを開く回数は1日に17回、メッセージングアプリは1日に13回 (男性はそれぞれ10回、9回)であるなど、女性のソーシャルアプリの利用が拡大しています。

例えばEコマースアプリの場合は、購入内容やほしい物リストを他のユーザーと共有できる機能を追加するなど検討するとよいかもしれません。健康やフィットネスアプリなら、ユーザーが身近なグループを超えて人と繋がることができるような「メッセージボード」機能を提供することも考えられます。

ソーシャルアプリとしての機能を追加することで、ユーザーがアプリに戻って内容を確認する頻度を向上させ、ブランドに対する親近感を構築することに繋がるでしょう。