生活者の日常にスマートフォンが浸透してきたことで、商品やサービスの認知や理解などのかつてマスメディアが担ってきた役割はスマートフォンが担うようになってきました。

そんな中で、コミュニケーションツールLINEの「LINE Ads Platform」「LINE Sales Promotion」「LINE Account Connect」などのサービスを活用し、顧客の認知から購買後の関係構築に至るまでの各段階に応じた最適な施策を打つフルファネルマーケティング を行う企業が増えています。

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2月20日、LINE主催の「LINE Biz-Solutions Day 2019」で「LINEで実現するフルファネルマーケティング活用」をテーマにセッションが実施されました。

今回は、エステティック事業を行う株式会社TBC、コスメティック事業を行うロクシタンジャポン株式会社のマーケティング担当者たちの、LINEを活用したフルファネルマーケティングについてレポートします。

登壇者紹介

長田 佳敏氏(TBCグループ 株式会社)

1994年、TBCグループ株式会社に入社。その後、宣伝・広報業務を兼任する。2015年、マーケティング部門の執行役員となり、ブランディングから獲得広告まで全般の戦略立案を行う。2018年1月、取締役に就任。

安倍 もと子氏(ロクシタンジャポン株式会社)

2011年にロクシタンジャポンに入社。店舗とECの顧客データ統合やECシステム刷新プロジェクトを指揮し、自社ECの売上拡大に大きく寄与。2015年にシニアマネージャーに就任。自社LINE公式アカウントを立ち上げて約2000万人のファンを獲得するなど、デジタルマーケティングを活用した業務を推進している。

TBC:4段階のファネル

株式会社TBCの長田氏は、TBCのビジネスモデルでは、ファネルは4段階に分けて考えられると言います。

まず、サービスや商品について広告を通じて伝える「ブランド認知」、次にエステの体験コースを予約してもらう「体験獲得」、そして体験コースにより来店した顧客にパッケージのコースに申し込んでもらう「契約」、最後は継続してコースに通い続けてもらう「リピート」です。

それらの中でも、顧客のブランド認知から体験コースの予約へ繋げていくまでを「宣伝領域」、契約からリピートしてもらうまでを「サロン領域」と分けています。

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LINEでは、宣伝領域で新規の顧客の獲得に「LINE Ads Platform」や「LINEポイント ビデオ」を中心に活用しており、今では欠かせないツールになっているそうです。

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TBCグループ株式会社 長田佳敏氏

長田氏は、LINEを導入した理由として、大きな獲得が可能であることを挙げます。

「我々は店舗数が約200店舗あります。そのため店舗数にあった多くの顧客を獲得する必要があります。相当数の獲得が見込めるメガ媒体は限られていて、Search,Facebook,instagramです。そしてそれらとLINEのプロモーションは引けを取らないボリューム感があります。」(長田氏)

LINEの3つの強み

長田氏はLINEには3つの強みがあると述べます。1つ目は、圧倒的なユーザー数とアクティブユーザーが多いことです。2つ目は、獲得ボリュームがコントロール可能であることです。デイリーで配信のコントロールが管理できることは大きなメリットがあると語ります。

3つ目は、季節変動が少なく年間を通して安定的な獲得が可能なことです。TBCのビジネスには、繁忙期と閑散期があります。夏場は忙しく、冬場はニーズが減ります。しかし、TBCのサロン数は年間を通して約200店舗かつスタッフ数も変わりません。

マーケティングの大切な仕事の1つは正確な予測をすることだと思っています。たまたま良かった悪かったではなく、しっかりと予測をし、それを当てる。正確な予測により、それに合わせてサロンが準備できるようになるのです。お客様のニーズに対して、私たちの待っている姿勢は年間を通して一定なので、年間を通してできるだけフラットな集客を目指しました。他媒体と比較しても季節変動の少ないことは、LINEの強みだと思います。」(長田氏)

LINEは日々接するコミュニケーションツールであるため、季節によって広告効果の変動が変わりづらく、顧客を安定して獲得する手助けになっています。

ロクシタンジャポン:新規顧客獲得後の4つの施策

ロクシタンジャポン株式会社の安倍氏は、2011年にサービスを開始したLINEを使えば大きなリーチを獲得できるという見込みから周りを説得し、2013年と早い時期からLINE公式アカウントを活用し始めたと言います。新規顧客は主にLINEスタンプを活用し、現在1,980万人の「お友だち」を獲得しました。

ロクシタンジャポンのLINE活用の特徴は、獲得した顧客との関係構築においても、LINEを様々な場面で活用していることです。安倍氏は、4つの軸に分け、LINEの活用方法について語りました。

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ロクシタンジャポン株式会社 安倍もと子氏

1.LINEを利用したメンバーズカード
オンラインとオフラインの集客とフリークエンシー(接触回数)の向上のために、LINEを利用したメンバーズカードを活用しています。LINE公式アカウントの中に、LINEを活用した、お店で使えるポイントカードであるメンバーズカードを実装し、会員化に繋げていくことを狙っているそうです。

2.メッセージ配信
LINEでのメッセージ配信を積極的に行っています。会員になって1ヶ月の顧客にはウェルカムメッセージを、その後はほかの商品も合わせて買ってもらうクロスセルのメッセージを、半年以上購買のない顧客には、フォローアップのメッセージを送るという顧客の状況に合わせたメッセージ送信をしています。

3.LINEスタンプ
スポンサードスタンプのみならず、ミッションスタンプも実施しています。これは、メンバーズカードで顧客情報を登録していただくことを条件に、ダウンロードできる仕組みになっています。

4.サービスプログラム
ロイヤリティー向上に向けて、顧客へのサービスプログラムを提供しています。レーヌ(日本語で女王)という会員ステータスとなった顧客に対しては、ライン上でコミュニケーションを取り、特別なサービスを行なっています。

LINEを活用した施策の裏では、オンラインやオフラインで、セールスの日々のデータを細かく取っています。データを細かく取得することで、投資対効果が見え、十分な投資ができていると言います。

LINE公式アカウント経由での売り上げも可視化しており、売り上げは以下のように大きく伸長しています。

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まとめ

今回は「LINE Biz-Solutions Day 2019」の中でも、「LINEで実現するフルファネルマーケティング活用」をテーマとしたトークセッションのレポートをしました。

LINE公式アカウントの統合により、様々なツールを横断して使いやすくなり、今後LINEを使ったフルファネルマーケティングを行う企業は増えていくでしょう。

今回紹介した企業の事例を参考にしながら、自社のビジネスや顧客にあったフルファネルマーケティングを構築していただければと思います。