2023年、広告関連で話題になった3つのトピックを振り返る ― 生成AI、Cookie規制、LINEヤフー誕生

2023年も、広告運用に関連するさまざまな出来事がありました。

そのなかから、LINEの認定講師「LINE Frontliner」であり、SNSやEC領域を中心に企業のマーケティングを支援する、株式会社オプトの野嶋友博氏がピックアップしたのは
「生成AIの普及」「Cookie規制」「LINEヤフー株式会社の誕生」です。

それぞれのトピックについて、概要と広告運用に起こった変化、今後準備しておきたいことについて伺いました。

目次

1. 生成AIの活用範囲が急速に拡大
2. 個人情報保護法の改正によるCookie規制について
3. 2023年10月にLINEヤフー株式会社が誕生

生成AIの活用範囲が急速に拡大

ferret ：
広告におけるAIの活用はこれまでもありましたが、2023年は飛躍的に活用の幅が広がりましたね。

野嶋：
「生成AI」や「ChatGPT（チャットGPT）」といった言葉が2023年の「現代用語の基礎知識選 2023ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされているように、技術分野に詳しくないユーザー層にも「生成AI」などのIT関連用語が認知されてきたことが、今年の大きな変化です。

特に、2022年11月30日にリリースされたChatGPT（GTP-3.5）の登場以降、テキストの出力精度が飛躍的に高まっています。

従来のAIは、囲碁や将棋の対局といった、戦略的な思考を要する分野を得意としていました。
しかし、ChatGPTは、人のような自然な言い回しや細かなニュアンスまで汲み取った文章表現を生成できるなど、自然言語の分野にも活用範囲が広がっています。

生成AIが広告運用に与えた3つの影響

野嶋：
生成AIが広告運用の分野に与えた影響として、私の視点から次の3つを挙げたいと思います。

①リサーチ業務の効率化

広告運用に必要なリサーチ業務について、生成AIを活用して行うことで、作業工数を減らせるようになりました。すでに出稿されている広告のリサーチなど、従来は人が目視や手作業で行っていた調べものを生成AIで自動化することが可能です。

②広告テキストの作成工数を削減

広告テキストの作成業務にも、生成AIが活用され始めています。例えば、「タイトルと説明文を10本考えて提案する」といった広告テキストの作成業務に、生成AIが活用されるようになりました。

③広告の効果予測

生成AIは、広告テキストの作成だけでなく、効果的な広告テキストを予測し、どの案を採用したらよいかといったレコメンドにも活用できます。

オプトでは、ChatGPTと効果予測AIを活用し、多数の広告テキストから厳選することで効果的な広告クリエイティブを実現する「CRAIS for Text」を業界に先駆けて開発・提供するなど、広告運用への生成AIの活用に早期から取り組んでいます。

生成AIの活用に関する今後の展望

ferret ：
生成AIの活用によって、今後どのような変化が予想されるでしょうか。

野嶋：

●画像生成AIの活用が本格化

2024年は、画像生成AIの活用がさらに本格化すると思われます。

画像生成AIは、2023年3月に、アドビ株式会社から著作権の問題を解決した製品「Adobe Firefly」のβ版がリリースされました。また、9月には「Adobe Firefly」の機能の商用利用が